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ティナ・ターナーがカバーした“The Paradise is here”も収録されている。ポールがベスト盤『Nobody Knows』によせたコメント(五十嵐正:訳)より。“The Paradise is here”について「80年代半ばのあるとき、どうして人類はお互いの頭をぶつけあうことなく進歩できないのかの答えを見つけようとして、インドの神秘主義者クリシュナムルティの本「暴力を超えて」に取り組んだ。彼の首とする問題には興味を失ったけれど、僕は彼の説くある概念に魅せられた…時間におけるまさにこの瞬間は、実のところ未来の最初の瞬間であるから、理想的な未来を作りだす方法は、常に今この瞬間を徹底的に生きることである、と」
それにしても充実の内容の作品だが、多分に80年代的であることに間違いない。リイシューされるたびに、ポールがだいぶミックスを変えたりしているらしい。ポールの作品は、オリジナルのもの、しばらくしてライコディスクがリイシューしたもの、それからCompass Recordsに移籍した時、すべてがCompassからリイシューされたものと3種類ある。
ポールは特にメジャー時代のアルバムの権利を取り戻すために相当苦労したようである。もう最悪の交渉だったが、最後の最後に元マネージャーのビジネス・パートナーが別の音源の権利を人質にレーベル側を脅かして、なんとか勝ち取ったにすぎない。ラッキーだった、とポールはHOT PRESSのインタビューに答えて説明している。(まぁ、権利ビジネスってそういうもんなんだろうけど…ホントひどい)
この映像すごいね。ラジオから取った音をyou tubeにアップしてるよ… それにしてもこのギターは、ものすごくマーク・ノップラーっぽい。
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ところでこの頃、というかこのアルバムが出る前、ポールはボブ・ディランに初めて会っている。エージェントから電話があって「ボブ・ディランがヨーロッパツアー中で、お前に会いたいと言っている」と呼び出しをくらい出かけていったポール。実際、めちゃくちゃ興奮したそう。「嘘だろ」と言いながらも、ロンドンに飛び、ウエンブリーの楽屋にボブ・ディランを訪ねていった。ボブの楽屋に行くと「How are you doing?」とかいいながらボブはポールを迎えてくれて「ホラ、お前がやっている“Arthur McBride”と“Lakes of Poncahrtrain”、あれはいったいどうやって弾くんだ」と。「まずはチューニングを変えるんですよ」とポール。「Oh?」みたいな会話があり、気がつくとポールはボブ・ディランの指を取って「そこじゃないよ、ボブ」とか言いながら教えていたのだそう。
そうやってるうちにクリッシー・ハインドやミック・ジャガーが楽屋に訪ねてきたりして、ポールにとってはかなりシュールな場面だったよう。とはいえボブはポール本人に何か感動的なねぎらいの言葉をかけるでもなく、単にギターを教わりたかっただけらしく、そういう意味ではあまりポールとしては感激的なものと捉えていないように見える。
といいつつも、のちにボブ・ディランは「バイオグラフ」というアルバムのライナーでポールのことを「Secret heroes」といってレナード・コーエン、ルー・リードと並べて大絶賛した。これには本当に感謝しているし、この当時の自分のキャリアにとって本当に大きな応援になった、とポールは発言している。
といいつつも、のちにボブ・ディランは「バイオグラフ」というアルバムのライナーでポールのことを「Secret heroes」といってレナード・コーエン、ルー・リードと並べて大絶賛した。これには本当に感謝しているし、この当時の自分のキャリアにとって本当に大きな応援になった、とポールは発言している。
ボブ・ディランは88年から89年にかけてポールの真似をした“Lakes of Ponchartrain”をよくライブでうたっていた。92年には“Arthur McBride”を録音。そしてブートレック・シリーズで“Mary and the Soldier”を発表している。
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で、私はポールにも一杯おごって、あのポール・ブレイディにビールを買ってやったぜと、ものすごく心の中で誇りに思っていたのでした。(そういや、どういういきさつだったら、あの時はセクシー・ロンちゃんも合流して、楽しく飲んだのでした)確かそのことは、ウチのホームページの出張レポートに書いたから、MUSIC PLANTを昔から応援してくれている人の中には覚えている人もいるかもしれない。ルナサのファーストが出たばっかりの頃。ルナサをおっかけてロンドンに行った時の事。
まぁ、でもそのときは、その6年後くらいにまさか自分が一緒に正式に仕事をすることになり、そして今、15年以上たって私がプロモーターとしてポールを呼ぶ事になるとは、夢にも思わなかった。あの頃の可愛い自分に言ってあげたい。何やってんだ、お前は将来ビールどころか、一緒にポールと仕事して、ツアーを作ることになるんだぞ、と。
まぁ、でもそのときは、その6年後くらいにまさか自分が一緒に正式に仕事をすることになり、そして今、15年以上たって私がプロモーターとしてポールを呼ぶ事になるとは、夢にも思わなかった。あの頃の可愛い自分に言ってあげたい。何やってんだ、お前は将来ビールどころか、一緒にポールと仕事して、ツアーを作ることになるんだぞ、と。
このときポール、すっごくご機嫌だったんだよな。サインしてLoveとか書いてあるし。ハートマークも。うふふ(笑)。そのときにポールに頑張ってした会話をまだ覚えている。「私は学生時代ポール・ヤングの大ファンで、ポール・ヤングもあなたの“Follow On”が好きだって知ってすごく嬉しかった」「あぁ、彼のヴァージョンもいいよね」なんてポールはニコニコしながら言ってくれた。ホントたったそれだけなのに、本当によく覚えている。あぁ、ロンドンの夜。懐かしいなー。ただのファンだった時代。
なんか、すごいね。夢ってかなっちゃうんだね。さっきのポールの“Paradise is here”じゃないけど、一歩一歩,今を必死で生きれば、自分で未来を創造していくということにつながる。まさに、そういうことなのかも…
なんか、すごいね。夢ってかなっちゃうんだね。さっきのポールの“Paradise is here”じゃないけど、一歩一歩,今を必死で生きれば、自分で未来を創造していくということにつながる。まさに、そういうことなのかも…