この本の中でもインタビュアーが質問しているし、写真家だけではなく音楽ライターにも言えることだし、音楽関係のスタッフ全般にも言えることで、私も常日頃考えている事ではあるのだけど、音楽業界は「その本人がどのくらいその仕事に対して才能があるかという事よりも、“誰”に取材したか、“誰”を撮影したか、“誰”と一緒に取材したかの方が評価される」悲しくも、そういう世界だ。
「“誰”を撮った」という事の方が写真家本人の写真のクオリティよりも評価される。そしてその“誰”が有名であればあるほど,その人は仕事が出来ると判断される… 事が一般的には多い。
それについてはどう思うかという質問にも「それ、私ゼロ。関係ないや」とバッサリ。そして謙虚にも「あぁ、この取材何か勉強になるなぁ」さらりと言っちゃうところも非常にユキさんらしい!とまず思った(笑)
おすすめです。畔柳ユキさんはじめ12名のロック写真家にインタビューする「ロック・フォトグラファーという生き方」(シンコーミュージック)
それにしてもユキさんは前向き。まったく細かいことを気にしていない。いや、しているのかもしれないけど、それによって自分の行動が制限されていない。そこが素晴らしいと思う。そして今も写真ともラモーンズともまったく関係ない新しい事業にワクワクしている。もちろんそれはイバラの道なのだけど、イバラであればあるほどユキさんは燃えるのではないだろうか。そんな自分を自分で分析しながら笑い飛ばせるユーモアのセンスもある。
それにしてもこの本に載っているようなNY時代のこととか、ラモーンズのジョニーの話とか、会うたびに聞いてみたい話がいっぱいあるのだけど、ユキさんは全然そういう思い出話をしたりしない。二人で会うといつもこれからやろうとしてる事業の話ばかりだ。そう、面白い人は常に前を向いている。過去におこったことを思い出して愛でている時間は一切ないのだ。
前向きに生きている人間は過去をふりかえらない。先日もすごく若いフィンランド人の日本旅行の話を聞きながら、しみじみしてしまった。私も19、20の頃の海外の旅の事はそれなりに覚えているが、最近の自分は海外旅行はおろか自分で作ったツアーの事すらをホントに覚えていない。若い頃の旅はそれでもなんとなく覚えているのに! それにしても何がどうしたとか、こんな事があったとか、そんな事を話すよりも、もっとこれからの、もっと意味のある話をしようよと思ってしまう。最近はその傾向が強いな。ポールのツアー終わってからますますそう思った。ポールなんかも絶対に過去の話なんかしたりしない。
まぁ、それだけユキさんもポールもエキサイティングな日々を今も送っているということなのだ。若い頃は滅多に海外にも行けなかったから、ホントによくいろんなことを覚えていた。そして何度も何度も思い出しては、思い出を愛でて感動にひたっていた。でも今なら分かる。そんなことはもうしない。そんなことをしている時間がもったいない、と。
そして! ユキさんが言うとおり、たまに過去をふりかえり「あぁ、なにか勉強になるなぁ」なんて言うのも面白いな、と言うのはいいと思う。ポールがインタビューで真剣に考え込んでしまうところとよく似ている。でもそれを言えるのは、普段前しか向いていないからである。
ユキさんは毎日ブログを書いている。私もブログに書いて、とっとと忘れて,とっとと次へ行く。そして振り返るのは、もっと歳取ってからでいいのだ。今しかない。バンドなんかホント「今」しかないもの。私はユキさんと違って幸いにも自分が関係していて亡くなったミュージシャンというのはいないのだけど、そういう時期が刻々と近づいていることは感じている。音楽業界をとりまく環境はこの本にも書いてあるけれど,本当にひどい事になっている。今できることは今やらないと、来年はもっと環境が悪くなる。そういう気持ちがますます最近は強くなった。
そしていつか音楽業界を辞める時、そのときにじっくり振り返ればいいのだえはないかと思う。後悔は絶対にしたくないから。
とユキさんのパワーをいただいて、小さくガッツポーズを決める自分であるが、ユキさんをのぞくあと11名の人たちもパラパラ読んでみたけど、それぞれ個性的で面白そうなので、楽しみである。
これだけ映像が気軽に見れる現在において、「写真」っていったいなんなんだろうね。この本の中でもたびたび触れられていることだが、昔はレコード会社が資料用に、プロモ用にといってお金を出して撮影することがほとんどで、それによって写真家の人たちが食べていくことが可能だった。が、最近レコード会社もお金がないから、かなりの大物が来日しても写真は押さえないということも多い。いかにすべての音楽ビジネスのモデルがレコード会社にパラサイトしていたかが分かる。
誤解をおそれずに言えば、ユキさんがすごいのは実はこれだけやっている写真にすら、実はあまりこだわっていないところだと思う。好きなバンドがいる。応援したい。その活動に自分もかかわってシーンを作って行きたい。そういう事なのかなと思う。私もそういう気持ちでいるから、勝手に仲間に引き込もうとしているのかもしれないけど。
「“誰”を撮った」という事の方が写真家本人の写真のクオリティよりも評価される。そしてその“誰”が有名であればあるほど,その人は仕事が出来ると判断される… 事が一般的には多い。
それについてはどう思うかという質問にも「それ、私ゼロ。関係ないや」とバッサリ。そして謙虚にも「あぁ、この取材何か勉強になるなぁ」さらりと言っちゃうところも非常にユキさんらしい!とまず思った(笑)
おすすめです。畔柳ユキさんはじめ12名のロック写真家にインタビューする「ロック・フォトグラファーという生き方」(シンコーミュージック)
それにしてもユキさんは前向き。まったく細かいことを気にしていない。いや、しているのかもしれないけど、それによって自分の行動が制限されていない。そこが素晴らしいと思う。そして今も写真ともラモーンズともまったく関係ない新しい事業にワクワクしている。もちろんそれはイバラの道なのだけど、イバラであればあるほどユキさんは燃えるのではないだろうか。そんな自分を自分で分析しながら笑い飛ばせるユーモアのセンスもある。
それにしてもこの本に載っているようなNY時代のこととか、ラモーンズのジョニーの話とか、会うたびに聞いてみたい話がいっぱいあるのだけど、ユキさんは全然そういう思い出話をしたりしない。二人で会うといつもこれからやろうとしてる事業の話ばかりだ。そう、面白い人は常に前を向いている。過去におこったことを思い出して愛でている時間は一切ないのだ。
前向きに生きている人間は過去をふりかえらない。先日もすごく若いフィンランド人の日本旅行の話を聞きながら、しみじみしてしまった。私も19、20の頃の海外の旅の事はそれなりに覚えているが、最近の自分は海外旅行はおろか自分で作ったツアーの事すらをホントに覚えていない。若い頃の旅はそれでもなんとなく覚えているのに! それにしても何がどうしたとか、こんな事があったとか、そんな事を話すよりも、もっとこれからの、もっと意味のある話をしようよと思ってしまう。最近はその傾向が強いな。ポールのツアー終わってからますますそう思った。ポールなんかも絶対に過去の話なんかしたりしない。
まぁ、それだけユキさんもポールもエキサイティングな日々を今も送っているということなのだ。若い頃は滅多に海外にも行けなかったから、ホントによくいろんなことを覚えていた。そして何度も何度も思い出しては、思い出を愛でて感動にひたっていた。でも今なら分かる。そんなことはもうしない。そんなことをしている時間がもったいない、と。
そして! ユキさんが言うとおり、たまに過去をふりかえり「あぁ、なにか勉強になるなぁ」なんて言うのも面白いな、と言うのはいいと思う。ポールがインタビューで真剣に考え込んでしまうところとよく似ている。でもそれを言えるのは、普段前しか向いていないからである。
ユキさんは毎日ブログを書いている。私もブログに書いて、とっとと忘れて,とっとと次へ行く。そして振り返るのは、もっと歳取ってからでいいのだ。今しかない。バンドなんかホント「今」しかないもの。私はユキさんと違って幸いにも自分が関係していて亡くなったミュージシャンというのはいないのだけど、そういう時期が刻々と近づいていることは感じている。音楽業界をとりまく環境はこの本にも書いてあるけれど,本当にひどい事になっている。今できることは今やらないと、来年はもっと環境が悪くなる。そういう気持ちがますます最近は強くなった。
そしていつか音楽業界を辞める時、そのときにじっくり振り返ればいいのだえはないかと思う。後悔は絶対にしたくないから。
とユキさんのパワーをいただいて、小さくガッツポーズを決める自分であるが、ユキさんをのぞくあと11名の人たちもパラパラ読んでみたけど、それぞれ個性的で面白そうなので、楽しみである。
これだけ映像が気軽に見れる現在において、「写真」っていったいなんなんだろうね。この本の中でもたびたび触れられていることだが、昔はレコード会社が資料用に、プロモ用にといってお金を出して撮影することがほとんどで、それによって写真家の人たちが食べていくことが可能だった。が、最近レコード会社もお金がないから、かなりの大物が来日しても写真は押さえないということも多い。いかにすべての音楽ビジネスのモデルがレコード会社にパラサイトしていたかが分かる。
誤解をおそれずに言えば、ユキさんがすごいのは実はこれだけやっている写真にすら、実はあまりこだわっていないところだと思う。好きなバンドがいる。応援したい。その活動に自分もかかわってシーンを作って行きたい。そういう事なのかなと思う。私もそういう気持ちでいるから、勝手に仲間に引き込もうとしているのかもしれないけど。
ユキさんの写真も本当に素晴らしい。一度マーティンとデニスのライヴを撮影していただいたことがあるのだが、静かな中にも情熱を感じさせる写真だった。今度ぜひプリントをじっくり見せていただきたいなぁと思うし、ライブ写真だけじゃなくてポートレートを撮ってもらえるようにウチのアーティストも頑張らなくちゃなと思う。