ビートルズと寝た音楽業界の女たち…って感じ? うーむ

ビートルズがなんぼのもんだと思うよ。実は数年前まで私はものすごいビートルズのファンであった。おタクと言っていいくらいだった。でも最近の「音楽業界」の懐古主義にすっかり嫌気がさし、もう聞く気がしなくなってしまった。たぶん5年くらいまったくビートルズを聴いていない。もっとも私の場合、プライベートで聞くのも自分のアーティストがほとんどだもんなー。

そんな中にこんな本である。「ビートルズにいちばん近い記者」思わず買ったのはビートルズの話が聞きたいんじゃなくて、星加さんのストーリーが聞きたかったんだ。音楽業界で働く女性、大々々先輩である。興味がないわけない。

とはいえ、この本、普段だったら買わなかったかもしれない。でも先週から和田静香さんによる素晴らしい週刊朝日での湯川れい子さんの連載が始まった。だから星加さん側のストーリーも聞いてみたいと思ったのだ。それにしても、いや〜両者、ホント、時代がすごい。中世のことかって感じだよ。音楽業界のバブルっぷりも、女性の社会進出がまともな方法じゃ行かなかったって事も…

とはいえ、このタイトルと帯キャッチはいただけないなー。もっとも今やビートルズや古い洋楽を聴いているのは男が多く、どうしてもそういう人たちにアピールするためには、こういうキャッチになるのだろう。でも、なんか違うと思う…。

そして! 今回あらためて認識したのであるが、二人とも目鼻立ちくっきりの超美人である。特に湯川さんの週刊朝日のグラビアもすごかったけど、いつぞや文春に載っていた湯川さんの写真はあまりの美人ぶりには、ホントためいきが出た。美人で、頭が良く、英語もしゃべれて(星加さんはかなり危なっかしいらしい)、そうとうチヤホヤされたに違いない。が、それは彼女たちが望む形ではなかった…ということか。二人ともミーハーといわれ、星加さんなんかは完全に会社に利用されたんだな、と思う。

そんな中で「ファンの側にいよう」という気持ちは二人とも一環してるかなー。というか、実際そこしか気持ちの落としどころが無かったんだろう。でも星加さん…相当悲しいよね…完璧にミュージックライフの看板やらされてたって事なんだなーと。完璧に時代に利用されてしまった感がある。本の最初の方に出てくる読者投稿を真面目に書き直してしまったというエピソードは彼女の悲しくもまっすぐな性格をあらわしていると思った。

しかし、まぁ、この時代の熱量たるや、すごい。結局突き詰めるとアーティスト(ビートルズ)の人気が出て来て、それにみんなが乗っかりまくったにすぎないという事が分かる。結局世の中を動かすのは「アーティスト」と「ファン」なのだ。「音楽業界」じゃない。

いずれにしても先の村木さんもそうだし、クイーンマザーしかり。時代は間違いなく良くなっている。こういう本読むと確信できる。星加さんは今何をされているのかさっぱり分からないが(これ書き終わったらググろう)、湯川さんはまだまだ現役で本当に活躍されている。そうそう、コローナズともご飯を食べていただいた! 

あー、それにしても、今、この時代に生まれて良かった。そうじゃなかったら、そもそも今一緒に仕事が出来ているミュージシャンたちと出会えなかったし。そして美人でなくて良かった! おかげで女だからといって仕事で損をしたことはまったくないわ(と、まったく鈍感な自分が嬉しい)

和田静香による湯川れい子さんの連載はまだまだ続くので週刊朝日(火曜日発売)をチェキラ!