ケンソー、やっぱり最高!

今日はケンソーのボックスセットの手売り会ということで、お手伝いに吉祥寺に行ってきた。私を伝統音楽のプロモーターとしてしか知らない人は、ご存知ないと思うのだけど、私は実は昔、この日本を代表するプログレバンドのマネージャーをやっていたのだ。今でも何かというとイベントのお手伝いなどにちょくちょく顔を出している。

私にとって大事な大事なバンド。このバンドに係れたことは、その後の私の音楽仕事歴に大きく影響を与えた。本当に清水さんとメンバーにとても感謝している。そして今でもしょっちゅうCDを聞いているし、清水さんはおそらく私が一緒に仕事をした中で、もっともすぐれた作曲家の一人だろう。

タイアップありきの日本の音楽業界において、ケンソーは孤高の存在だ。タイアップなど一つもなく、レコード会社にプッシュしてもらったことも一度もない。ただ地道に年に一度くらいのライブで、これだけのファンベースを固めた。そしてキングレコードからボックスセットの発売となったのだ。すごいよ、ホントに。

映画音楽とかやらないんですか、という質問がファンの人から寄せられていたようだが…そうね、ケンソーの音楽は本当に映像が浮かぶようだ。だからきっとステキな映画になるだろう。だけどおそらく現在の映画の作り方とか、清水先生の創作プロセスとか考えるにきっと無理だろうね。逆にありものを後から使ってくれる、って事もありうるかもしれないが、それにはメジャーな音楽出版社がついていて積極的にそのテの筋に売り込んでくれる人でもいなければ無理だろう。

でも清水さんが尊敬するという武満徹だって、これだけのタイアップがなければ、ここまで評価が高かっただろうか、疑問だと思うよ。日本のアーティストで評価されている人で、タイアップが一つもないって人がいるだろうか? 実はいないんだよね。どんな人でもだいたいは何かタイアップをやっている。それが日本で、名前が定着する唯一の方法だからだ。だからケンソーみたいな存在はまったくマレなのだ。でもケンソーは音楽のすごさだけでここまで来た。

今日は過去を振り返るトーク中心のイベントではあったのだが、いやーーーー楽しかった!

特に感動的だったのが、ミスターシリウス宮武さんと清水さんの交流の様子。当時清水さんはデモが出来ると宮武さんにデモを送って感想を求めていたというのだが、それに関する宮武さんの返事がすごい。デモテープをかけながら、延々と「ここが素晴らしい!」「これは言うことない」「ここはいまいち」とかコメントをはさみつつ、それは深いプログレ談義へと… 2時間のカセットテープを録音し、それが返事として送られて来ていた、というのだ。二人のパワー…すごすぎる…

 そしてパワーがすごいといえば、この数々の展示物が、あまりにすごすぎる。清水少年が自らのアルバムをつくることを夢みて、黒いプラスチックのシートに自ら溝を刻み作った、手作りのアナログ盤! なんとサインまで練習しているよっ、おいっっ! このものすごい創作意欲…それにしても、これがケンソーになってよかったよ、清水さん。これ、清水さんの作品じゃなければ、ただの危ない人かもしれない…
まさかこの時、清水少年はこのあと自分が何枚ものCDをリリースし、日本のプログレ界の中でもっとも動員力のあるバンドのリーダーになるとはおもってもいなかっただろう。


でも、ケンソーのすごいところは、まだまだ先があること。新作のレコーディングは着々と進んでおり、なんと自作にはヴォーカルも入るというのだ。

そのヴォーカルである半田さんのCDを私も会場でゲットしました。聞くのが楽しみ。












映像、DVDから無許可であげてる人がいる… それにしてもすごい音楽だよ。こんな曲,他の人に書けるかい、おいっっ!



それにしても年末に清水さんや三ちゃん、小口さん、ハルキチさんに会えて良かったな。マネージャーのO田さんもおちかれ! みんな良いお年を〜