友達の和田静香が本を出した。師匠の湯川れい子先生評伝「音楽に恋をして♪」だ。
いや〜 この時代の女性っていうのは綺麗じゃなくっちゃダメだったのねというのが最初の感想。写真がステキなのに、まずため息。今でもとってもお綺麗なれい子先生。若い頃はホントに綺麗。ため息。
いずれにしても世界が違いすぎて、違いすぎて…でもこの時代、女性が仕事をするには美人じゃないと箸にも棒にもかからなかったのかもしれない… 今の時代に生まれて良かった。私はおかげ様で音楽業界で女だからどうとか、こうとか、そういうメにあった試しがない。実際、男女同権が恐ろしく遅れた日本。私くらいの世代までは「女だから仕事上、損した」って人は多いよ。でも私はラッキーだった。そんなこと考えず、のびのび仕事が出来た。それはブスとは言わんが(笑)とりたてて美人じゃなかったのが幸いしたからだ。まったくもってラッキーだった。そして、それも美人のれい子先生が、この音楽業界を牽引してくれていた結果か。れい子先生みたいな存在だからこそ、お嬢ちゃんビジネスと揶揄されながらも業界のおじさんに可愛がられ、それを華麗なステップにし、今、「先生」という肩書きが一番似合う、ステキな女性になりえたのかもしれない。
私が音楽業界に入ったとき、先生と呼ばれる人は何人かいた。「とうよう先生」「福田先生」「れい子先生」などなど。そのなかで、私が唯一お世話になったことがあるのは「れい子先生」だけだ。とうようさんの事は、とうようさんがなくなった時に書いたので省略。福田先生は私はラッキーにも…と思っている……接触がなかったのがホントにラッキーだった。一度遠くから「あれが先生だよ」ととお〜くから生福田一郎を見たことがある。本当かどうかは知らないがレコード会社の宣伝の若い子が殴られた、とか(和田静香によるとこの噂はウソだという)、コンサートには「公演前(!…ありえん!)」にミュージシャンに挨拶をさせ、音楽の途中で抜けて洋楽部部長が寿司をご馳走する等、福田洋楽黄金伝説には事かかなかった。重ねて言うが、本当かどうかは知らない。だが、私は心の中で、自分がそういうメにあったわけでもないのに、そういう業界のくだらない慣習の噂を聞いてはケッと思っていた。一方のれい子先生の方は同じくらい…というかそれ以上に偉い先生なのに関わらず、そういった極端な伝説は1つも聞いたことがない。どんなに謙虚にしてても、このくらい偉い先生になれば、あれやこれや言う人がいてもいいと思うのだが、そういう悪い話は1つも聞いたことがない。そのくらい優しくてステキな先生なのである。
特にメアリー・ブラックは本当によくしていただいた。たぶん先生は私のことは覚えていらっしゃらないと思うのだが(なにせ人数多いし、このぎょーかい)、メアリーのことはよく覚えていていただいていると思う。最初のインタビューの時、先生をお迎えするのに早めに準備しておこうと、私はすごく早めにホテルのロビーで待機していたのに、先生は私よりも早くいらっしゃった。遅れてくるのが業界の慣習なのね、くらいに思っていた私は(私も25歳くらいだよ)「偉い人ほどちゃんとしてるんだ」と思った。そして質問も資料に書かれていることなどいちいち確認しない。先生はいきなり直球でメアリーに質問を投げていた。メアリーも緊張しながらもしっかり答えていた。メアリーと先生はそのあともご飯を食べたり、何度か交流があった。メアリーはウニが苦手なのだが、それをれい子先生が「私が食べてあげる!」と言ってヒョイとつまんだのが笑えた。明るくて垣根のないフレンドリーな先生。その様子は婦人公論のグラビアになった。
そして最近ではコローナズのダニー(メアリーの息子)とも一緒にご飯を食べていただいた。あの日も先生はものすごいハードスケジュールで、地方公演の帰りかだったのだが、メアリーの次男ということで、空港から直接青山の某所に来てくれた。明日は先生の弟子の和田静香さんのインタビューがあるんです、と先生に話すと、れい子先生は笑いながら「和田はねぇ〜」なんて言って嬉しそうだった。そしてメンバー全員にお箸のプレゼントをくださったのでした。さらにれい子先生は恐縮する私たちに逆に気をつかってくれて、別れ際に「みんなはどっちの方向に行くの?」「じゃあ私はあっちへ行くわ」とおっしゃってサッと逆方向に去られたのが印象的だった。あの時、私はしっかり先生のためにタクシーを止めて、みんなでお見送りすべきだったと反省している……。レコード会社のスタッフもいたんだけど、誰も気がきかなかった。本当にすみません、先生! でもれい子先生はそんな未熟な私たちに怒りもせず、華麗だった… かっこいい!!! かっこよすぎるよー、先生!(涙)そして、その日の夜中に、しっかりコローナズのことを自分の弟子たちにメールをしてくださって、和田さんはもちろんのこと、そのあとダニーたちはスヌーピーさんのラジオにも出たのだが、スヌーピーにも前もってメールをしてくださっていたことを後で知る。
しかしこの世代の、一線で働く女性ってどういう感じなんだろう…。星加ルミ子さんの本なんかは見てもあまりよく分からなかった。これじゃ単なる会社のお飾りじゃん、と思うところの方が多かった。立場に甘んじすぎ? それかそういう立場を演じきる美学みたいなのがあるのかもしれない。私には分からんわ…きっと「本当の私はそうじゃない」みたいな自我もあったに違いないのに。そのヘンは会社員の星加さんと、あくまでフリーな湯川先生の違いか?
れい子先生の方はすんなりと理解できる。今,先生が反原発の運動に関わられていることや、普段から環境問題などにも関心を寄せてらっしゃるのは、とてもよく分かる。そして数々のプライベートなエピソードも「素敵」「かっこいい」と思うものばかりで、ものすごく簡単に感情移入できるのだった。仕事のことも、環境問題のことも、先生にとっては昨日今日始まった戦いではないのだ。ホントにかっこいい。そして今でもとっても可愛くて、ステキなれい子先生。れい子先生がいなかったら、音楽業界はまた違ったものになっていただろう。
それにしても大スターとの華麗なエピソード。いろんな来日裏話。ファンの目線での取材。情報が少なかった時代ならではかもしれない。そして今や音楽業界もすっかり変わってしまった。
そして感動なのは和田静香! こんな硬派な評伝本が書けるなんて、なんてスゴイ奴! だって、ヤツのブログなんて、こんなノリなんですよ! これがプロの物書きというものか…すごいよ。それにしても普通に洋楽の音楽評論家してたら、こんな立派なハードカバーの本、こんなメジャーな出版社から出せないぜ。すごいなー! 先生には和田静香という弟子がいて、和田さんもラッキーだったし、先生もラッキーだった。この本が読める私もラッキーだった。そんな奇跡が結実した本。
それにしても大学時代、TOP40愛好会に入っていた自分としては、今度あったら和田静香にこの本にサインをもらわなくてはいけないなと思っている。
というわけで、皆さんもポチッと一冊買ってくださいなー。
いや〜 この時代の女性っていうのは綺麗じゃなくっちゃダメだったのねというのが最初の感想。写真がステキなのに、まずため息。今でもとってもお綺麗なれい子先生。若い頃はホントに綺麗。ため息。
いずれにしても世界が違いすぎて、違いすぎて…でもこの時代、女性が仕事をするには美人じゃないと箸にも棒にもかからなかったのかもしれない… 今の時代に生まれて良かった。私はおかげ様で音楽業界で女だからどうとか、こうとか、そういうメにあった試しがない。実際、男女同権が恐ろしく遅れた日本。私くらいの世代までは「女だから仕事上、損した」って人は多いよ。でも私はラッキーだった。そんなこと考えず、のびのび仕事が出来た。それはブスとは言わんが(笑)とりたてて美人じゃなかったのが幸いしたからだ。まったくもってラッキーだった。そして、それも美人のれい子先生が、この音楽業界を牽引してくれていた結果か。れい子先生みたいな存在だからこそ、お嬢ちゃんビジネスと揶揄されながらも業界のおじさんに可愛がられ、それを華麗なステップにし、今、「先生」という肩書きが一番似合う、ステキな女性になりえたのかもしれない。
私が音楽業界に入ったとき、先生と呼ばれる人は何人かいた。「とうよう先生」「福田先生」「れい子先生」などなど。そのなかで、私が唯一お世話になったことがあるのは「れい子先生」だけだ。とうようさんの事は、とうようさんがなくなった時に書いたので省略。福田先生は私はラッキーにも…と思っている……接触がなかったのがホントにラッキーだった。一度遠くから「あれが先生だよ」ととお〜くから生福田一郎を見たことがある。本当かどうかは知らないがレコード会社の宣伝の若い子が殴られた、とか(和田静香によるとこの噂はウソだという)、コンサートには「公演前(!…ありえん!)」にミュージシャンに挨拶をさせ、音楽の途中で抜けて洋楽部部長が寿司をご馳走する等、福田洋楽黄金伝説には事かかなかった。重ねて言うが、本当かどうかは知らない。だが、私は心の中で、自分がそういうメにあったわけでもないのに、そういう業界のくだらない慣習の噂を聞いてはケッと思っていた。一方のれい子先生の方は同じくらい…というかそれ以上に偉い先生なのに関わらず、そういった極端な伝説は1つも聞いたことがない。どんなに謙虚にしてても、このくらい偉い先生になれば、あれやこれや言う人がいてもいいと思うのだが、そういう悪い話は1つも聞いたことがない。そのくらい優しくてステキな先生なのである。
特にメアリー・ブラックは本当によくしていただいた。たぶん先生は私のことは覚えていらっしゃらないと思うのだが(なにせ人数多いし、このぎょーかい)、メアリーのことはよく覚えていていただいていると思う。最初のインタビューの時、先生をお迎えするのに早めに準備しておこうと、私はすごく早めにホテルのロビーで待機していたのに、先生は私よりも早くいらっしゃった。遅れてくるのが業界の慣習なのね、くらいに思っていた私は(私も25歳くらいだよ)「偉い人ほどちゃんとしてるんだ」と思った。そして質問も資料に書かれていることなどいちいち確認しない。先生はいきなり直球でメアリーに質問を投げていた。メアリーも緊張しながらもしっかり答えていた。メアリーと先生はそのあともご飯を食べたり、何度か交流があった。メアリーはウニが苦手なのだが、それをれい子先生が「私が食べてあげる!」と言ってヒョイとつまんだのが笑えた。明るくて垣根のないフレンドリーな先生。その様子は婦人公論のグラビアになった。
そして最近ではコローナズのダニー(メアリーの息子)とも一緒にご飯を食べていただいた。あの日も先生はものすごいハードスケジュールで、地方公演の帰りかだったのだが、メアリーの次男ということで、空港から直接青山の某所に来てくれた。明日は先生の弟子の和田静香さんのインタビューがあるんです、と先生に話すと、れい子先生は笑いながら「和田はねぇ〜」なんて言って嬉しそうだった。そしてメンバー全員にお箸のプレゼントをくださったのでした。さらにれい子先生は恐縮する私たちに逆に気をつかってくれて、別れ際に「みんなはどっちの方向に行くの?」「じゃあ私はあっちへ行くわ」とおっしゃってサッと逆方向に去られたのが印象的だった。あの時、私はしっかり先生のためにタクシーを止めて、みんなでお見送りすべきだったと反省している……。レコード会社のスタッフもいたんだけど、誰も気がきかなかった。本当にすみません、先生! でもれい子先生はそんな未熟な私たちに怒りもせず、華麗だった… かっこいい!!! かっこよすぎるよー、先生!(涙)そして、その日の夜中に、しっかりコローナズのことを自分の弟子たちにメールをしてくださって、和田さんはもちろんのこと、そのあとダニーたちはスヌーピーさんのラジオにも出たのだが、スヌーピーにも前もってメールをしてくださっていたことを後で知る。
しかしこの世代の、一線で働く女性ってどういう感じなんだろう…。星加ルミ子さんの本なんかは見てもあまりよく分からなかった。これじゃ単なる会社のお飾りじゃん、と思うところの方が多かった。立場に甘んじすぎ? それかそういう立場を演じきる美学みたいなのがあるのかもしれない。私には分からんわ…きっと「本当の私はそうじゃない」みたいな自我もあったに違いないのに。そのヘンは会社員の星加さんと、あくまでフリーな湯川先生の違いか?
れい子先生の方はすんなりと理解できる。今,先生が反原発の運動に関わられていることや、普段から環境問題などにも関心を寄せてらっしゃるのは、とてもよく分かる。そして数々のプライベートなエピソードも「素敵」「かっこいい」と思うものばかりで、ものすごく簡単に感情移入できるのだった。仕事のことも、環境問題のことも、先生にとっては昨日今日始まった戦いではないのだ。ホントにかっこいい。そして今でもとっても可愛くて、ステキなれい子先生。れい子先生がいなかったら、音楽業界はまた違ったものになっていただろう。
それにしても大スターとの華麗なエピソード。いろんな来日裏話。ファンの目線での取材。情報が少なかった時代ならではかもしれない。そして今や音楽業界もすっかり変わってしまった。
そして感動なのは和田静香! こんな硬派な評伝本が書けるなんて、なんてスゴイ奴! だって、ヤツのブログなんて、こんなノリなんですよ! これがプロの物書きというものか…すごいよ。それにしても普通に洋楽の音楽評論家してたら、こんな立派なハードカバーの本、こんなメジャーな出版社から出せないぜ。すごいなー! 先生には和田静香という弟子がいて、和田さんもラッキーだったし、先生もラッキーだった。この本が読める私もラッキーだった。そんな奇跡が結実した本。
それにしても大学時代、TOP40愛好会に入っていた自分としては、今度あったら和田静香にこの本にサインをもらわなくてはいけないなと思っている。
というわけで、皆さんもポチッと一冊買ってくださいなー。