日本でもヒットした映画「ONCE〜ダブリンの街角で」のブロードウェイミュージカル版がダブリンに凱旋公演ということで、再びこの表紙。昨日HOT PRESSがアイルランドから届きました。
その後のグレンとマルケタ、それぞれのインタビュー。二人は撮影当時は付き合ってなかったけど、映画公開後(だったっけ?)付き合い始め、結局破局し、マルケタは確かNYのプロデューサーだかベーシストだかと結婚したんじゃなかったけかな。でもそれも離婚という結末になったのだそう。ほぉ。
というわけで大ヒット映画のブロードウェイミュージカル版。当初は二人にステージに出るよう出演のオファーがあったらしい。(少なくともマルケタはそれを認めている)でも二人はそれは断り、グレンにいたっては「なんとかブロードウェイ化を止められないか」とジョン・カーニーに相談までしたそう。でも信頼できるスタッフが集まった事によって、結局、話はすすみブロードウェイでもヒットになり、トニー賞を受賞。
それにしてもこの映画ですっかり人生が変わってしまった二人。そもそもグレンなんかは下手すると人が覚えているのは「コミットメンツ」のアウトスパン役とこの映画くらい。あんなに一所懸命、バンド、FRAMSを引っ張ってきたのにね。アイルランド以外ではほとんど知られてない。
そこでグレンがもらったというブルース・スプリーンスティンのアドバイスがいい。
「そういうヒットがあったら、何か機会を設けてちゃんとしたホリディに行くとかシャンパンをあけてお祝いするとか、家族と食事するとか、とにかくいったんそこで区切りをつけ、自分の人生は違うギアに入ったのだと自覚することが大事」
「過去20年、君はバンドをやってきた、努力を続けてきた、そして世界を敵に戦ってきた。そういう昨日までの自分は死んだのだ。そして新しいスーツを着たんだ」
「ネイティブアメリカンの連中は長い飛行機にのったあとは必ず4、5時間も空港に座って自分を取り戻すのだそうだ。そういう風に自分に時間を与えてあげること。そして自分の魂が自分に追いついてくるのを待つんだ。きっと大丈夫だから」
うううう、グレン良すぎる! ボスのアドバイス良すぎる!
一方のマルケタの方がインタビューの受け答えもしっかりしてて、いい子だと思うけど…まぁ、彼女も私に言わせりゃ「たいしたタマ」って感じかね(女は女に対して厳しい/笑)。どんな才能があるのか知らないけど、ダブリン、ニューヨーク、男を踏み台にしてマルケタは行く…(って、ちょっと和田静香のブログみたいになってきたので以下自粛)
でも映画はホントに素晴らしいですよ。男女に友情は可能かとか、二人が最初に一緒にうたう楽器屋のシーンで二人は恋に落ちる、とかバカな評論よく目にするけど、この映画が言いたい事はまったく別のところにある。
この映画が言っているのはダブリンの町の優しさだ。マルケタに自由にピアノを弾かせてやる楽器屋の親父、息子の旅立ちを励ますGuyのお父さん、いきなり歌いだす銀行員、慣れないメンバーを最初はバカにしていたものの途中からすっかり親身になって作業をするレコーディングスタジオの親父、バスの中でGuyが歌うのを許す老婦人… すべてが優しい。