実物を見た人なら知っていると思うが、ヴェーセンはでかい。ウーロフ(ニッケルハルパ)198cmを筆頭に、ローゲル(ギター)は195cm。一番小さいミカエル(ヴィオラ)でも192cmある。そのでかいヴェーセンが、「世界1狭いステージ」ON THE SHELFに出たときの映像。ローゲルの足が時々こころもとなげにステップを踏んでいるのがいい。
2mもあると日本じゃ大変だ。2mも身長があると道を歩いていると止まっている自動車の天井が見えるのだそうだ。そして柵もだいたいまたげてしまう。おそばを食べようと席にについて、テーブルの下の荷物入れに足をぶつける。「いったーーーい!」
そしてヴェーセンは燃費もとても悪い。彼らの飲食費はどんなツアーと比べても圧倒的だ。もちろん高いワインを要求されるポール先生もものすごいのであるが、何せ絶対量が違う。あんなに身体が大きいんだからたくさんの燃料を必要とするのも分かるのだけど。
そこで最近のツアーで気がついたのは、彼らはおやつに炭水化物をたっぷり食べさせておくと夕飯代が安くすむ。なので、小腹がすいたころ「牛丼たべてかない?」「おそばどう?」とか誘う。そうやってツアーの予算をアーティストの気分を害する事なく切り詰めるのも一つの技なのであった。
でもウチのツアーは食べ物が絶対にいい。こう言っちゃなんだけど、クアトロクラスの普通のツアーじゃ、他のプロモーターだと正直ウチが出しているような食べ物にはありつけないだろう。で、武道館くらいになると人数が半端無いし、ちょっとロジックも違ってくる。そうそうポールに「バンドで来たら人数が多くなるから、もう美味しいところに行けないね」とか言ったらポールは「いやだ、俺だけ美味しいものを食べに行く!」だって。どこまでも嫌な性格の奴!(笑)
それにしてもヴェーセンとまたご飯できると思うとウキウキだな。今日は夕方からレストラン選びで四苦八苦。今回初日が神戸だからなー やっぱ神戸ビーフだよねー きっとねー 予算がなぁー
でもまたこの音楽が聞けると思うとホントに嬉しい。しかしホントにユニークな音楽だと思う。ヴェーセンにおいて面白いのはスイングやリズム感は実はメロディ(ウーロフ)から出て来る。もちろんローゲルが出すパワーやエネルギーというのはあるのだが。このウーロフのスイングあふれる演奏が実際のリズミックなフィーリングを決定づけている。ヴェーセンは正三角形と思っている人が多いのだが、実はウーロフを頂点とする二等辺三角形だ。ウーロフはものすごく強いメロディプレイヤーで、ミッケとローゲルはそれに向かって演奏している。面白いのはローゲルとミカエルが「ウーロフは時々俺たちの音を聴いていない、と感じることがある」と発言していることだ。でもウーロフを見失うとローゲルとミカエルは演奏が止まってしまう。だからウーロフから延びた二等辺三角形というのが正解なのである。それにしてもミカエルなんか、この演奏はすごいよね… なんというかとても自由なんだけど、ウーロフとの息のあいかたが尋常じゃない。こんな風にぴったりと一緒に演奏できるってどんなだろう、と思う。まったく自由自在に演奏しているように見えて、いつも着地点がウーロフとぴったりとあう。ウーロフがしっかり演奏していrからこそ、ミッケはとても自由だ。そしてすべてをつつむローゲルのギター。ヴェーセンはサンドイッチで、ウーロフは北欧のライ麦パン、ミッケはハンガリーのサラミ、ローゲルはすべてをつつむサランラップだと誰かが言っていたのをローゲルが引用していたことがあるけど、まったく言い得て妙だと思う。ホントこんな演奏ができるのはローゲルだけだ。
それにしてもいい、この音楽。まるで天国にいるみたい。天国いったらこういう音楽がきっとずっと流れているよ。彼らは楽曲の組み立て方がホントにうまい。あ〜なんて豊かな音楽なんだろうといつも思う。メロディの聞かせ方がいいんだよね。
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「いや〜最近バンド組んだんだけど、みんな上手くってさー」(のざき)
やっぱ今よりだいぶ痩せてたよな、この頃の私…ヴェーセン2004年の初来日。そういや来年は初来日から10周年だね。