MAY ROMAさんこと谷本真由美さん「日本が世界一貧しい国である件について」を読みました。

キンドル版でゲット。

なかなか面白かったし、言ってほしいところを言ってくれているのは痛快だし、ホント日本の中でイラっとすることを良くこれだけまとめてくれました、という部分は評価したいのだが、どうもマークス寿子とかと一緒で「お前に言われたくねー」と思ってしまったのが、ちと残念。そもそも著者のことをよく知らないのだからしょうがないのだけど。

どうも私は海外に住んでいる女性があまり好きではない(超偏見)。もちろん例外もたくさんいるし、ホントに信頼している仕事仲間もいるけどね。

私も一時は海外で仕事をしてみたいと思っていた時期があった。そんな頃、とあるロンドン在住の先輩を訪ねた時「私は石にかじりついてもここにいる。ウエイトレスでもいい」と言ったのを聞いたら目が醒めたのだ。私もロンドンに住みたいけど、ウイトレスはいやだ。いやウエイトレスも極めればいい仕事かもしれないけど、私はいいウエイトレスに向いていない。どこにいるかじゃなくて何をやるかじゃないのか? そんな風に目が醒めたのだ。ちなみに誤解してほしくないのは彼女はものすごく素晴らしい仕事をしているんですよ、現地で。でも当時(25年くらい前か?)まだまだ英国で仕事をすることは難しい時代だった。いまでも難しいのかもしれないけど、それでも今の方が情報がたくさんあるだけ、どこかに突破口があるのではないかと思われる。

でも結局「海外で働く」という一時ではあれど、かなえられなかった夢に対するひがみがあるのかも? 数年でもいいから仕事してみれば良かったのにね… 若いうちにやっておくべきだったなー。もう今じゃ足立区が心地よすぎて〜(笑)

それはさておき。この本は痛快だ。ムラ社会問題、日本を支配する「世間様」という独裁者、空気の功罪、多様性を知らない国、人を文句ばかり言っていて自分の行動には責任をもたない。そもそも哲学がなくブレまくる日本人…

そしてインターネットで実名がわかるソーシャルメディアでは「私はこうおもう」というはっきりとした意見をみかけることはあまりなく「感情の交流を確認するため」の当たり障りのない交流が求められる。正直そんなのウンザリ。わたしも思う時もある。でも、まぁ、この国で仕事をしていくには日本という国と妥協しながらやっていかなきゃいけないのも事実だ。正直イラっとすることばっかりだよー 私もー(笑)

それにしても、せっかくだからこの本は全面的に普段のMAY ROMAさんのTwitter節全開みたいな文章の方がよかったかも。例えば「オレはポテチは塩味しか食わねえんだYO! 理由? お芋様に失礼だろ、いろいろ飾ったらよ。お芋様に感謝するには塩だけだよ、塩。わかったかこのゴミ!」…ってのには笑った。こんな調子で全部書けば良かったのに。私もそういうキャラに鞍替えするかなー(笑)

海外に住んでる(住んでた)日本人の書く本、私の場合、好きか嫌いか決めるのはユーモアのセンスがあるかどうか。そして視線に愛情があるかどうか。そこだ。マークスさんの本には残念ながら両方が感じられなかった。だから情報としてはかなり自分も共感したのだけど、全然本は好きになれなかった。もうだいぶ前に一度読んだきりで処分しちゃったので、内容もよく覚えてないや。今読めばもしかしたら面白いかもしれないのだけど。一方、上に書いたようにMAY ROMAさんの本は、ちゃんとそこここにユーモアのセンスがある。

林望先生も人気があったが、あれは良かった。視線に愛情がたっぷりと存在し、ユーモアのセンスも抜群だからだ。逆に事実関係は「そうかぁ?」と思ったところもすくなくはなかったが。あと、なんだっけ、あのメイドをしてたおばちゃんの本。あれはホントにおもしろかった。高尾さんだ。高尾慶子さん。あのシリーズはホント読んでみる価値がある。

というわけで、英国に住んでいる(住んでた)人たちが書く本。