旅日記2日目:ルナサ、ラウー @ wickham festival, England

ポールで興奮しすぎたのかあまり眠れず、朝。しかしダブリンの夜はクラクションやら人の騒ぐ声やらで本当にうるさい。普段は平気で寝ちゃう私もしょうしょうまいりました。でも五、六時間は寝たあな。

朝になって早速外に走りに出かける。スティーブンスグリーンの外周りを2周半。4kmくらいか?    涼しい上に森みたいに木陰が深く、超快適!   戻ってきて朝ごはん。ダブリンで唯一の食事だ。とほほ。もっといてポールをもう一度見たいよー。朝ごはんたっぷり食べて、もう一回寝たかったけど、バスの時間となり空港へ。余裕を持って出たのに、結構ギリギリ。こういう時荷物がないと本当に助かる。12:30ボーディングのフライト、12:15に空港についてヒヤヒヤしたが、すぐにゲイトにたどり着く。みんなを探したけど見つかったのはケヴィン一人。

ケヴィンはすごーく喜んでくれて、二人でぎゃいぎゃい騒いでいたら、キリアン、トレヴァー、ショーンが登場。エンジニアは今日はポール・アッシュバーンさん。ギタリストは今日はエドではなくシェイマスさん(あとで名前確認)とのこと。それのしても驚かし作戦は毎度だけど、いいよね。まさか彼らもフライトで日本にいる私と一緒になるとは思ってもいない。いつだったかアルタンをアムステルダムの空港で捕まえたことがあったなー。あれは本当にみんなビックリしてたw

サザンプトンへのフライトはflybeで、列が20くらいしかない、プロペラ機。久々ですこういうの。飛行機の中で紅茶とポテチ食べた。300kcalくらいか。

サザンプトンの空港は小さくて港みたいなデコレーションがしてあって可愛かった。女の子が迎えにきてて、普通の乗用車二台でフェス会場に行くという。私が自分はタクるというと、いいからいいからと言って彼らは荷物の間に私を入れてくれた。いいね〜。ありがとう。

車で20分ほどでフェス会場に到着。ラウーのクリスがいて、すごくびっくりしてくれる。残りのメンツは車で移動なんだって。クリスだけは前日に地元で仕事があったため、飛行機で来たそうだ。

そうそう、会場にはベラ・ハーディ(ラウーの来日に同行して来日したのは2009年だっけか?)がいて、イライザ・カーシーとのバンド。女の子四人で、全員がフィドルを弾いて歌う。イライザ始めてあったけど、思ったより小柄で、そんなにデブじゃなかった。

そうそう、デブといえば、ショーンがなんと最近走り始めたんだって。ということはルナサのメンバー、ギタリスト以外全員走ってる!   これはライバル多し!  早くスポーツ体型にならないと。

このフェスはメインステージの他に小さいテントもあるし屋台や出店もたくさん出ていて楽しそうだったけど、面倒臭いので、みんなのいるメインステージの楽屋でずっとうろうろしてた。ステージも表に出るのが面倒だったので、ずっとPhotoピットみたいなところでステージを観てた。

到着してすぐにベラちゃんたちのステージ。ハーモニー、コーラスがいい。イライザは足元に小さなバスドラをおいてそれをキックしながら歌ってた。なるほどねー。

しかしラインアップは豪華で、この日もトリはwaterboysだし、別の日には10ccとか出るみたい
。10ccとか言って最近はフェスでよく名前を見る。そのうちビルボードとかそういうところで呼びそうだなーw  それとももう来た?

Warerboysのセットにはトレバーが飛び入りするかもしれず、でも私は明日フィンランドの某僻地で新しいアーティストを見なくてはいけないため、今夜中にヒースロー空港に行かないといけない。なので、フェスの事務局のお姉さんに頼んでキャブを手配してもらう。

ベラちゃんたちのあとはいよいよラウー!   しかしこのフェス、日本みたいに丁寧にサウンドチェックとか逆リハとかしない。サウンドチェックなしの15分でラインチェックのみという超過酷状態。結構な規模のフェスだと思うけど(動員3000人くらい?)、みんなの時間とお金を省略するためなんだろう。普通のトラッドバンドならそれでいけるだろうが、私に言わせりゃラウーがそんなの可能なわけがない。もちろん始めからインフォームされてたんだろうけど、これはキツい。っていうか、ルナサにも言えるけど、本当に彼ら忙しいから「今日ってどこでやるんだっけ?」「なんだか知らないけどオックスフォードの近く、って勝手に思ってた」「外だっけ、室内だっけ?」みたいなオオボケ話を移動中に車の中でしているくらいなのだから!

ま、それはともかく、そんなわけでラウーのラインチェックは困難を極め、最後の方は何故かルナサのエンジニアのポールがモニターをやっていた!(爆)   押すこと15分。やっと演奏が始まった…一時間しか演奏時間ないのに。

でね、最後の最後まで彼らは音が気に入らなかったみたい。私は何せPhotoピットのはじで、変な位置で音を聞いていたからフロントの音がどうだかはわからない。でもバランスは明らかに変だったしきっと回線自体に問題があったと思う。演奏者はステージの上にあるモニターで普通は音を聞きながら演奏するのだけど、でもって彼らもモニターが全然ダメで自分が何を演奏してるかまったく分からなかったのだそうだ。

でも、実は彼らの苦労はともかく私はこの公演めちゃくちゃ良いと思った。やっぱり苦労や困難があると異様に盛り上がる、それがロックバンド!!!    モニターがわからないせいか、三人はものすごい殺気で演奏してた。お互いに睨みあいながら、ものすごかった。Horizontigoのブレイクするところなんて最高にゾクゾク!!!  いやーほんとにコンサートって分からないね。

でもステージ上の彼らからするともう大パニックのまま終わっちゃった…そんな感じだったと思う。戻ってきた彼らは本当にぐったり。私はラウーのステージを大ノリで見ているところをルナサのマネージャーに目撃され、やばいと思ふ…やっぱりフェスはにがてだわ。一つのバンドを一個だけゆっくり楽しみたい。

そしていよいよルナサ!!!!!!!    あー、ルナサ!!!   本当に素晴らしかった。彼らも同じくモニターは大問題だったようだが、それでも本当に落ち着いた素晴らしいステージを聞かせてくれた。選曲もバッチリ。ケヴィンが面白い話で笑いを取る。他のバンドをねぎらい、フェスのオーガナイザーをねぎらい、いや、ほんとにきちんとしてるわ!!!    すっかり大人になった彼ら。私も彼らとともに成長したい。いつだったかプランクトンの川島さんが「洋子ちゃんとこはミュージシャンと共にスタッフも成長していけるのがいい。普通はどっちかがついていけなくなり、分かれちゃうんだ」って言ってくれたのを思い出す。私の音楽人生、常に彼らと一緒だった。ラウーの連中にヨウコとはいつから?ときかれ、ケヴィンが「ファーストアルバムから」と誇らしげに答えてたのが嬉しかった。

それにしてもルナサの演奏は素晴しかった。実は前にルナサを見た時はショーンがいなくてトーラ・カスティがトラでフィドルを演奏しており、悪くはなかったが、イマイチだと思った。トーラも、でも今のアイルランドで最高のフィドル奏者の一人だ。でもやっぱりショーンの方が100倍いい!   前にドナのギターをsound of lunasaと書いたが、ショーンのフィドルも間違いなくルナサの要だ。あのフィドルあってこそのルナサだ。普段あまりに当たり前に聞いていたが、今、ショーンは本当にすごい奴だと改めて思う。そして普段、これまた意識してないのだが、ルナサは早い!   アルタン、ダーヴィッシュ、ソーラスなどなど他と比べると分かるが、ものすごく早いのだ。キリアンなど、あれは、もう、パイプで可能な速さじゃないところまで行っている。そしてトラのギターの彼も誠実ですごくいい演奏だった。

そんなこんなで一時間ちょいのルナサは本当に素晴らしかった。マネージャーとケルクリ関係の仕事の話をして、次のシューグレニフティが始まったころ、予約したキャブ到着。これでサザンプトンのバスターミナルへ。みんなには名残惜しかったけど、でもすぐまた会えるしね。これが九時くらい。

それにしてもうちのバンドはみんな素晴らしい。彼らが頑張っているのを見ると私も頑張れる。ラウーのマーティンがフェスティバルのプロデューサーに私を紹介してくれたのだけど、その時にyokoはドリームメイカーって言ってくれたのが嬉しかった。彼らも1テリトリーを担当する私がまったく違う場所に顔を出すことで励みになってくれているみたいだ。世界は厳しい場所だが、そうやって私たちは励ましあって生きている。

ヒースロー空港のターミナル5にバスが到着したのは、もう夜の10:30くらい。ターミナル5のビルって外からみるとすごい!!!    そこからタクシーでホテルに行き(この時間だとホテルバスもない)バタンキュー。

翌朝のフライトは朝7:30。6:30に行けばいいかしら。こんな時間しか直行便がない上に、3万くらいした。高い。北欧と英国って、本当に距離がある。