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2014年4月23日水曜日

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」を観ました



試写で見せていただきました。話題のコーエン兄弟新作。かっこいいよねー このポスター。ホント絵になるわ〜。



ボブ・ディランに多大な影響を与えたとされるデイヴ・ヴァン・ロンク。

やっぱり猫がいますね(笑)

このロンクをモデルにしたという。簡単に内容を言うと冴えない男(フォークシンガー)の1週間を追った映画。友達の彼女を妊娠させ、レコードは売れない。お金もなく家もないから友達のカウチを泊まり歩く生活。いろいろ試行錯誤するも、やることなすことダメで、結局また振り出しに戻り、同じ1週間がまた回ってくる。そういう内容。

友達の彼女だというキャリー・マリガンが妙に面白かった。Fワード連発で強気な感じ。でも可愛い。

しかし音楽業界ってこの時代からちっとも進歩してないのね。コーヒーハウスのブッキング親父は、今のライブハウスのブッキングマネージャーと…(以下自粛)。そしてレコード会社のボケじじいとか、大物音楽プロデューサーの横柄な態度といい…(以下自粛)。そして営業でとっぱらいのくだらないポップソングのレコーディングの仕事に手を染める主人公たちも、いかにも!って感じ。でもそこで何か正義をつらぬくわけでもなし、妙に中途半端な人たち。こんなんじゃダメだよね。

しかし、この映画、音楽業界でこの映画のことを悪く言う人はおそらくいないだろう。だっていかにも、当時のNYのフォークシーンは、こうあって欲しい…という妄想がちりばめられた「こだわり」の映画だからだ。

だからこういう意見を言うのは勇気がいるのだが、実は私にはこの映画にあまり魅力を感じなかった。微妙なところで何かが違うのだ。これがコーエン・スタイルなんだろうけど、うまく共感できなかった。

そして、よく考えれば、ひどいことに私はまだコーエン作品を1本も観ていなかった! ひどいよね。ラウーのクリスに言われて「ノー・カントリー」のDVDを購入したのはいいんだが(「ノー・カントリー」は奴のベスト映画)、これもずっと観てない。持ってただけ。「オー・ブラザー」もDVDですら買っただけで見たつもりになってた。今,探してみたが見つけられないので、またアマゾンでポチリ…500円ちょっとだし…でもって、私はDVDを家で観るのがホントに苦手なのであった。あぁ、やばい。

…まぁ、それはさておき。

でも「オー・ブラザー」がなんでアメリカであんなにヒットしたかは分かる。だって、あれは音楽が抜群にかっこいいもの。昨日、家でみた「クローサー」のダミアン・ライスのインパクトとか、そうだよ。あれがきっかけで「O」が狂ったように売れたのも分かる。だって、あの声は聴けば「はっ」となるような魅力に溢れているもん。

で、そこまでのインパクトが、この主役の彼にあるんだろうか? よくわからない。

主演のオスカー・アイザックは俳優さんで、実際劇中でも本人が歌っているのだそう。音楽監督を担当したのはコーエン兄弟と無敵のタッグを組むTボーン・バーネットで、彼のお墨付きだから、まぁ、彼の歌を悪く言う人は絶対にいないだろう。「奇跡の歌声」とか、いただいた資料にもあおりのキャッチが踊る。

でも私はどうもピンと来なかったなー。なんか俳優としても、歌手としても微妙に中途半端なような気がした。そして映画自体の、特に日本ではおそらくまったく売れないであろう微妙な空気が、もうなんか違うのであった。しかし試写会は激混みだった。いわゆる玄人受け映画、って事なのか? いや、まだ分からない。初日に音楽ファンが押し寄せて、ぴあのアンケートでトップを獲得し、異例のヒットになるのかもしれない。何せ私のヒットに対するセンスは、まったく当てにならないのだから!

自分でお金を払って見たわけでもなく、試写で観ちゃったから悪口は書きたくないんだけど… でもDON'T WORRY。なにせ私はボブ・ディランが分からないバカ女なので、それも心配することはないだろう。大多数の音楽ファンは「奇跡の歌声!」「かっこいい!」って騒ぐに違いないから。

そうそう笑えたのは最後のほうに出てくる白いセーター着たアイリッシュのコーラス・グループ。かっこいいNYにおいて、アイリッシュはダサくて垢抜けないものとして観られてたんだろうね。私もクランシー・ブラザーズはチーズくさくてダサいと思うよ。(もちろん彼らの功績は大きいと思うが、それをかっこいいと思うかは別)

それからお金持ちの大学の教授の夫婦の家のネコはユリシーズというんだけど彼らもアイリッシュって事なのかな? あのネコがいい、とか言う人も多いけど、猫には萌えんのだよ、私は…。ボブ・ディランといい、なんかジューイッシュな感覚といい、アイリッシュなオレには相容れないのかも? アイリッシュ vs ジューイッシュの微妙なすれ違いは続く…(笑)

でもNYのこの時代の独特な空気感とか。それこそボブ・ディランが大好きな人には、きっと響きまくりの映画であるはずだし、とりあえずここを読んでくれた人も興味を持ってみてくれたらいいと思う。特に音楽ファンは必見だろう。5月30日より公開。公式ページはここ

PS
…というか、なぜこんなに評判が良い映画、私にあわないのか。分かる人、教えて!(Facebookページの方でどうぞ!)とりあえず帰宅してから、ずっと「O」を聞きながら仕事してます、ハイ。やっぱ、これは魂の歌だよ。