メアリー・ブラック物語 20 

さて前回からだいぶ間が開いちゃいましたが、メアリー20回目。最終回です。

メアリーは、2011年に最後のスタジオ盤である「Stories from Steeples」をリリースする。こちらはそのリード・シングル。マーグリートとギャンブラー。ちょっと「アナーキー・ゴードン」を思わせる物語風の曲。でもトラッドじゃないんだよね。



2012年に入って、私もプロモーター業も結構順調だったし、メアリーをもう一度日本に呼びたいなぁ…と思いつつ、プランクトンさんに相談したり、実はケルクリで来るという話もあったりなかったり… マネージャーで旦那であるジョーには何度かメールをいれていたのだが、ついに2013年に入ってメアリーは実はもうツアーからの引退を考えている。ついては最後に日本に行きたい、という話が具体的に浮上してきた。

そうこうしているうちに、ほとんど偶然に近いのが…これもメアリーの運というやつだろう。今回のコットンクラブでの公演がきまったのである。やったーーーー!!

ホントに今回,公演を実現してくれたコットンラクブさんには感謝。最後に来日を決めることが出来て本当に良かった。

そして、同時に昨年ペッテリ・サリオラで知り合ったキングレコードのN目さんにお願いし、なんとかベスト盤のリリースも決定。ここでメジャーでリリースできたことは、ホントに大きい。

正直洋楽アーティストにとって、今はとても厳しい時代である。メアリーだからといって来日もメジャーリリースが簡単に決まる時代ではない。それが無事に決まって、決めていただいたコットンクラブの皆さんと、キングレコードの皆さんには本当に感謝、感謝だ。

それにしても最後の来日と発表したとたん、「もう最後なの? もったいなーい!」とか「それは寂しいでしょ?」とか勝手なことをいろいろ外野に言われたが、私に言わせれば、Fuck Offである。まぁ、これが分かる人は少ないだろうな、と思う。長い期間、継続して、一人のアーティストの最後まで付き合った事ある人なんて、そんなにいないもんね。特に洋楽ましてやワールドミュージックの世界には。

ホントに私は幸せもんである。やっと肩の荷が降りた…とでもいうか、ホッとした、とでもいうか。メアリーのことを最後まできちんと面倒が見れた。こんな充実感は、正直、誰もが得られるものではない。自分でちゃんとやりきった…ってまだ終わってないけど…そういう達成感みたいなもの? これ以上のご褒美があるだろうか。

普通…こういう仕事をしていると、どちらかが病気になったり事故にあったり、そうでなくてもビジネス的にドロップアウトして片方が消えるのがおおよそのオチなのだ。でも最初からかなりよい形で来日を決めることが出来、そして最後もきちんと「最後」と言って終われる。こんな素晴らしい事はない。実際メアリーの関係者も、誰かがやって来ては、誰かが去って行った。日本でも。海外でも。そんな繰り返しだった。そんな中、私は最初から最後までメアリーに付き合えた。これは私の一生の財産である。もうこれで私がこの仕事をいつ辞めてもとやかく言う人はいないだろう。

「来たい」と言われた時にちゃんと来日が毎回組めたこと。リリースして欲しいと言われたCDは全部リリース出来たこと。それがどんなにレアなことか…。特に洋楽畑ではなかなか無いと思う。アーティストに付き合うって、こういう事を言うんだよ、と今の私なら堂々と言えそうだ。

そんなわけで、以上、私とメアリーの25年をざっくりご紹介しました。今度でホントに最後の来日なんです。皆さん,絶対に来てね!! 詳細はこちら! 

コットンクラブ、始めてで行きにくいって人が結構いるみたいなんで、ここにこんなのを書きました。Beginners Guide to 丸の内コットンクラブ。 ドレスコードとかも,別にないですからね。私は普段自分がリスナーとしてコットンクラブに行くときは普段と同じ格好です(普段の私=上から下までユニクロのカジュアル)。でも今回はせっかくだからOLチックなお台場で買ったブラウス着て行こうなぁ〜。

そしてこちらは私が選曲/ライナーを書いたベスト盤。どうぞよろしく。最後の最後です。