本日四ッ谷のいーぐるにて来日するソーラスのトークイベントがありました。楽しかったよ! 以下、トークの内容を書き出しますが、私が間違って理解している部分もあるかも…です。そのときはすみません。関係者の皆さん,何かあったらご指摘ください。
出演は、司会はプランクトンの川島恵子社長、音楽評論家の五十嵐正さん、そして、恵子さんに「エースケは声がデカいからマイクなし!」とかからかわれる佐藤英輔さん。
ソーラスの初来日は98年。もう16年前ですか?! あの時のメンバーはカラン・ケイシーが脱退直前で、微妙な時期だったけど、ジョン・ドイルもいてゴールデンメンバーだった。
M1 Paddy Talors
「やはりジョンのギターが素晴らしい」と恵子さん。ソーラスはなんというか最初からバンドのコンセプトがはっきりしていた。上手くて、一緒にやっているバンドというのは数あれど…
五十嵐タッドさんから、ソーラスはとにかく演奏が上手い。アイリッシュのバンドはチューンを3つくらい選んで組み合わせて1つのセットにするんだけど、そのセットの作り方がホントにうまい。アレンジがよく考えられているのが特徴。
98年、サンフランシスコで恵子さんと英輔さんはソーラスを見たそうで、英輔さんいわく、「音の立ち方、リズム感が他のバンドと違う。アンサンブル力が違う。アメリカで育まれたトラッド、という事なのか。ソウルもロックも、すぐ横になる…という感覚がある。自分たちのアイデンティティがはっきりしている」「また最近のアルバムで顕著なんだけど、アメリカで良いスタジオで録っている、というのが良く分かる。音が全然違う」
タッド「デビュー作はジョン・カニンガム(もう亡くなっちゃったね)がプロデュースだけど、2、3作目からフィラデルフィアで、普通のロックとかやっているスタジオオーナーとッシェイマスがチームを組んで製作にあたっている。そこが他のアイリッシュバンドと大きく違う」
英輔さん「例えばシェイマスはストンプ音とかも拾ったりする。ライブでも音がすごく立っている、と思う」
恵子さん「アメリカで育った中でもちゃんと根っこがあって、土くささがあって、アイリッシュ独特のパワーがある。で、なおかつアメリカ的なものもある」
タッド「アイリーンもそうなんだけど、60年代後半の生まれで、両親が移民。戦後のアメリカの最も豊かな時代にやってきて、良い職に就いたミドルクラスの家庭。故郷は遠きにありて…ではないけどアイルランドの伝統を守ろうとする気持ちが強い。ジーンとキャラのバトラー姉妹(ダンス)もそう。彼らは10代から全アイルランドチャンピオンを獲得している。子供の頃からエリート教育を受け、かつアイリーンもそうだけど、夏はメイヨーの田舎に戻ったりして過ごした。そしてボシーバンドやプランクシティに影響を受けた世代になるわけです」
ここで恵子さんから初来日の思い出。「初来日して日本に来たその日の夜は、翌朝まで飲んでいた。例えばツアーのときにツアー中の食事代とかを渡すのだけど、それをすべて一晩で飲んじゃった。呑みや楽しさについても、とても凝縮されているバンド。あの時はモーラ・オコンネルがドーナル・ラニーのバンドのゲストで来日。朝まで飲んで声をつぶしていた」(会場大爆笑)
M2 Pastures of Plenty
この曲はウッディ・ガスリーのカバーで、歴代ヴォーカリストが変わっても、みんなが歌っているバンドの重要な曲のひとつ。
タッドの解説:今回はヴォーカリストがノリアナ・ケネディではなく初代オリジナルメンバーのカラン・ケイシーが来日。これは楽しみ! カランはもともとウォーターフォードの出身でジャズが歌いたくてアメリカに渡った。そこでアイリッシュ音楽やウッディ・ガスリーなどの音楽に出会った。大恐慌時代の移住労働者の歌にアイルランドの移民の気持ちを重ねている。
2002年の「Edge of Silence」からすごく作品も変わった。それまでは伝統曲をモダンに演奏するバンドだったけど、最近は現代の作品を自分たちのアレンジでやっている。コンテンポラリーものの選択もすごく良い。そしてすべて社会派である。特にブッシュ政権下のアメリカに反応した作品が多い。
恵子さん:シェイマスは社会との係わりとか、自分たちが生きることというのをすごく考えている。
次の曲はブルース・スプリングスティーンのカバー。ちなみに英輔さんはブルースが苦手だそうです(笑)
M3 Ghost of Tom Joad
英輔「女性の声だと暑苦しくなくていいなぁ!」(会場爆笑)
タッド「シェイマスが弦と笛の両方の達人だから、サウンドに厚みがあるね」
ここでゲストミュージシャンの長浜武明(バウロン)、大渕愛子さん(フィドル)。ソーラスのメンバーとオースティンのフェスで出会ったそうです。ハンツ・アラキさんのバンドメンバーとして。アイルランド音楽をやっていると本当に偶然が必然的におこる。ソーラスのウィニー、イーモン、ミックとホテルで会って、すぐセッションに。彼らはとにかくすごく飲む。ウイニーはセッションのリーダーでイケイケだった。
ここでタッドからソーラスが全面的に参加したDancing on the dangerous Groundのサントラや、シェイマスが出演したサム・アミドンの映画を紹介。シェイマスは映画音楽の製作などにも積極的に活動している。
大渕さんよりウィニーのフィドルの魅力。とにかくパワフルな演奏。出回っている映像だと怖そうにみえるウィニー(ミック・ジャガーに似てる、と恵子さん/会場爆笑)だけど、しゃべるとキュート。演奏法はトリプレットの連発で、とにかくゴリゴリ。
タッドより、彼女はクラシックの素養もある。ボストンにはバークリーとウィニーが学んだNew England Conservatoryがあって、近年、クルキッド・スティルとかそこから出てくる連中が多い。
恵子さんより、姉御肌のウィニーは前の来日の時、足を折ってギプスをしていたが、それでも演奏してた。アイリッシュのバンドの中にいる女性は姉御肌が多い。ダーヴィッシュのキャシーとか。
M4 High, Wilde and Handsome
長浜さんと大渕さんの演奏のあと休憩へ〜 第2部はシャムロック・シティの話になります。後半戦へ続く。
PS
5/12 0:45時点で、多少五十嵐正さんから訂正が入ったところを訂正しました。五十嵐さん、ありがとう〜!
出演は、司会はプランクトンの川島恵子社長、音楽評論家の五十嵐正さん、そして、恵子さんに「エースケは声がデカいからマイクなし!」とかからかわれる佐藤英輔さん。
ソーラスの初来日は98年。もう16年前ですか?! あの時のメンバーはカラン・ケイシーが脱退直前で、微妙な時期だったけど、ジョン・ドイルもいてゴールデンメンバーだった。
M1 Paddy Talors
「やはりジョンのギターが素晴らしい」と恵子さん。ソーラスはなんというか最初からバンドのコンセプトがはっきりしていた。上手くて、一緒にやっているバンドというのは数あれど…
五十嵐タッドさんから、ソーラスはとにかく演奏が上手い。アイリッシュのバンドはチューンを3つくらい選んで組み合わせて1つのセットにするんだけど、そのセットの作り方がホントにうまい。アレンジがよく考えられているのが特徴。
98年、サンフランシスコで恵子さんと英輔さんはソーラスを見たそうで、英輔さんいわく、「音の立ち方、リズム感が他のバンドと違う。アンサンブル力が違う。アメリカで育まれたトラッド、という事なのか。ソウルもロックも、すぐ横になる…という感覚がある。自分たちのアイデンティティがはっきりしている」「また最近のアルバムで顕著なんだけど、アメリカで良いスタジオで録っている、というのが良く分かる。音が全然違う」
タッド「デビュー作はジョン・カニンガム(もう亡くなっちゃったね)がプロデュースだけど、2、3作目からフィラデルフィアで、普通のロックとかやっているスタジオオーナーとッシェイマスがチームを組んで製作にあたっている。そこが他のアイリッシュバンドと大きく違う」
英輔さん「例えばシェイマスはストンプ音とかも拾ったりする。ライブでも音がすごく立っている、と思う」
恵子さん「アメリカで育った中でもちゃんと根っこがあって、土くささがあって、アイリッシュ独特のパワーがある。で、なおかつアメリカ的なものもある」
タッド「アイリーンもそうなんだけど、60年代後半の生まれで、両親が移民。戦後のアメリカの最も豊かな時代にやってきて、良い職に就いたミドルクラスの家庭。故郷は遠きにありて…ではないけどアイルランドの伝統を守ろうとする気持ちが強い。ジーンとキャラのバトラー姉妹(ダンス)もそう。彼らは10代から全アイルランドチャンピオンを獲得している。子供の頃からエリート教育を受け、かつアイリーンもそうだけど、夏はメイヨーの田舎に戻ったりして過ごした。そしてボシーバンドやプランクシティに影響を受けた世代になるわけです」
ここで恵子さんから初来日の思い出。「初来日して日本に来たその日の夜は、翌朝まで飲んでいた。例えばツアーのときにツアー中の食事代とかを渡すのだけど、それをすべて一晩で飲んじゃった。呑みや楽しさについても、とても凝縮されているバンド。あの時はモーラ・オコンネルがドーナル・ラニーのバンドのゲストで来日。朝まで飲んで声をつぶしていた」(会場大爆笑)
M2 Pastures of Plenty
この曲はウッディ・ガスリーのカバーで、歴代ヴォーカリストが変わっても、みんなが歌っているバンドの重要な曲のひとつ。
タッドの解説:今回はヴォーカリストがノリアナ・ケネディではなく初代オリジナルメンバーのカラン・ケイシーが来日。これは楽しみ! カランはもともとウォーターフォードの出身でジャズが歌いたくてアメリカに渡った。そこでアイリッシュ音楽やウッディ・ガスリーなどの音楽に出会った。大恐慌時代の移住労働者の歌にアイルランドの移民の気持ちを重ねている。
2002年の「Edge of Silence」からすごく作品も変わった。それまでは伝統曲をモダンに演奏するバンドだったけど、最近は現代の作品を自分たちのアレンジでやっている。コンテンポラリーものの選択もすごく良い。そしてすべて社会派である。特にブッシュ政権下のアメリカに反応した作品が多い。
恵子さん:シェイマスは社会との係わりとか、自分たちが生きることというのをすごく考えている。
次の曲はブルース・スプリングスティーンのカバー。ちなみに英輔さんはブルースが苦手だそうです(笑)
M3 Ghost of Tom Joad
英輔「女性の声だと暑苦しくなくていいなぁ!」(会場爆笑)
タッド「シェイマスが弦と笛の両方の達人だから、サウンドに厚みがあるね」
ここでゲストミュージシャンの長浜武明(バウロン)、大渕愛子さん(フィドル)。ソーラスのメンバーとオースティンのフェスで出会ったそうです。ハンツ・アラキさんのバンドメンバーとして。アイルランド音楽をやっていると本当に偶然が必然的におこる。ソーラスのウィニー、イーモン、ミックとホテルで会って、すぐセッションに。彼らはとにかくすごく飲む。ウイニーはセッションのリーダーでイケイケだった。
ここでタッドからソーラスが全面的に参加したDancing on the dangerous Groundのサントラや、シェイマスが出演したサム・アミドンの映画を紹介。シェイマスは映画音楽の製作などにも積極的に活動している。
大渕さんよりウィニーのフィドルの魅力。とにかくパワフルな演奏。出回っている映像だと怖そうにみえるウィニー(ミック・ジャガーに似てる、と恵子さん/会場爆笑)だけど、しゃべるとキュート。演奏法はトリプレットの連発で、とにかくゴリゴリ。
タッドより、彼女はクラシックの素養もある。ボストンにはバークリーとウィニーが学んだNew England Conservatoryがあって、近年、クルキッド・スティルとかそこから出てくる連中が多い。
恵子さんより、姉御肌のウィニーは前の来日の時、足を折ってギプスをしていたが、それでも演奏してた。アイリッシュのバンドの中にいる女性は姉御肌が多い。ダーヴィッシュのキャシーとか。
M4 High, Wilde and Handsome
長浜さんと大渕さんの演奏のあと休憩へ〜 第2部はシャムロック・シティの話になります。後半戦へ続く。
PS
5/12 0:45時点で、多少五十嵐正さんから訂正が入ったところを訂正しました。五十嵐さん、ありがとう〜!