成功は筋肉である 続き

ちょっと前にここに書いた「成功は筋肉である」というブログが好評なので、ちょっと続き…というか補足的な事を書いてみたいと思う。

実は「成功は筋肉」な人は、いわゆる普通の凡人なのである、ということを補足しておきたいと思うのだ。

この世の中、たいていの人は普通の人であって、本当に才能がある人は限られている。私たちはほとんどは、そこそこの得意分野を持ち、それを大事にあたためて、延ばして、そこそこの成功の中で生活していかないといけない。

逆に言ってしまえば、凡人の場合、成功は筋肉系に持って行かないとダメなんだ、ということを言いたいのだ。

成功がものすごいラッキーのもとにもたらされたとしよう。でも、自分の努力によってもたらしたのではないラッキーは、たいていその場限りだ。

成功がものすごい才能のもとにもたされたとしよう。例えばものすごく歌が上手い、楽器が上手い、みたいなラッキーのもとに生まれたとしよう。でも、そういうのは… だいたいは自分の才能に自分の方がつぶされてしまう。そうやってだめになったミュージシャンをはじめとする、いわゆる「天才」は、何人も見ている。あのポール・ブレイディですら、自分の才能をもてあまし、いつもそれと戦っていて、それはそれは大変そうだ。彼を見ていると、つくづく自分は才能のない普通の人でほんとに良かった、といつも思う。

その点、そこそこの人間は楽である。小さなチャレンジを目の前に見つけて、絶対にいけると思ったところで実行に移す。そうやって一つずつ適格にこなしながら、成功を筋肉系にもっていかないと、結局は自分の人生を自分でコントロールできない。自分でコントロールできない成功は、引き寄せることも難しいし、万が一、人生に一度か二度そういうラッキーがあったとして、そういう成功が、例えば向こうから歩いてくるのひたすら待ってっている、という事にしかならない。成功は自分で作らないといけない。

で、これが面白いもんで、実は自分がのぞんでない成功って、実はちっとも面白くないんだよね! 今はともかく90年代後半から2005年くらいにかけて、ウチはほんとにたくさんのCDをリリースした。でもって,滅多にあることではなかったが、そのうち数枚のCDは、思ったより売れるという結果を私にもらたしてくれた。

これは簡単に言ってみれば「成功」なんだけど、でも全然それじゃ意味ないのだ。まったく意味がない。私が見つけて、「これは絶対にいい!」と思ったものが当たらないと、まーーーったく意味がないわけ。

これ、分かんないだろうなー。いつだったかOLやってる友達にそれを言ったら、彼女はそれが理解できなかった。でも、それは仕方ないんだよね。商売やっている人は、お金が儲かる事がいいんでしょ、としか思えられないようなのだ。いや、違う。商売というのは「自分の思い通りになる」それが面白いのだ。だから自分がいいと思ったものが受け入れられないと、まったく意味がないんだよ。自分が押してないものが予定外に売れたりすると、ホントおもしろくないんだよ。

例えばヴェーセンなんて、最初に出した「トリオ」なんぞは、タワーの新宿に最初5枚入れるのもホントに苦労した。でも当時担当だったS原さんに泣きついて無理矢理いれてもらったんだよね。そしたら次からは20枚初回入るようになった。そうやって少しずつ少しずつお客を増やしていった。

そういう筋肉系の成功であれば、それは確固たる何かとして続いていく。真面目に今あることを大切に、1つ1つを丁寧にやっていれば絶対に続くのだ。

だから今,自分はうまく実力が発揮できていないと悩む若者には、私はホントに声をかえてあげたいのだ。絶対大丈夫、って。

私に勇気を与えてくれたたくさんのミュージシャンに感謝。ヴェーセンなんか、まさにその筆頭です。



今年、秋に来日します。詳細は夏…かな。kanの時に日程くらいは発表しようと思ってます。