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2014年7月27日日曜日

佐々木俊尚「自分でつくるセーフティネット」を読みました

これはまたまた良い本に出会った。読めば元気が出る。皆さんにもお薦め!

この本を紹介する前に、まずこの本の著者の佐々木さんが数日前に紹介していたこのYahoo知恵袋のリンクからご紹介したいと思います。

少し前の投稿らしいのですが…

弱者を抹殺する。不謹慎な質問のようですが…

質問者は自然界は弱肉強食なのに、なぜ人間社会では弱者を助けないといけのでしょうか、という質問を投げかけているんだけど、この回答があまりにすばらししぎる!

ここでは理想論とか感情論を抜きに生物学的な理由から、なぜ弱者を助けていかなくてはいけないのか、という事を見事に説明しています。

人間が自然界で生き残るには「適応」が大事、そして人間は社会的生物だということを説明した上で、生き残るためには多様性のある社会の方が強いことも説明し、我々全員が弱者であることを認識し弱者を活かす事がホモサピエンスとしての生存戦略だとと言っているわけです。

素晴らしいよね。ちなみにこの本全体を貫いているのも、これと似たような哲学です。「自分でつくるセーフティネット」

とにかくインターネットの普及で、今の世界は総透明社会になった、と。紹介されているサイバーエージェントの藤田晋社長が自分のブログに書いていることを私もここで紹介すると、「ネットはごまかしのきかない丸裸のメディア」…だと。

「ネットでは性格悪いけど、実際会うといい人っていますよね」「ネットでいい人そうに見えるけど、実施には悪どい人もいますよね」と話すプロデューサーに対して藤田社長は「それは絶対にないよ」と断言をした、というのです。ネットでは印象が悪かった人が、会うと良い人だった…というのなら、実はリアルの方を疑った方がいい、と。

これ、すっごく共感しませんか? 実はネットってすっごくいろんなことがバレている。自分の周りの友達の投稿など1つ1つ眺めてみると分かりますよね。実はインターネットって、すごくよく性格が出るメディアだと思うわけです。

そこに、ましてやFacebookやTwitterなどのSNSまで至れば友人関係も対人関係も、あっという間に全部見えてくる。これは怖いことだと言う人もいるけど、また同時に素晴らしい事でもある、と。

昔は人間の信用は肩書きでした。どんな会社に勤めているのか。名刺にはどんな肩書きが書かれているのか… でも佐々木さんは、これって考えようによっては、そっちの方が怖いのでは、と指摘しています。

これは私みたいに小さいながら、一応自分なりに自分の事業を続けてきた者にとっては計り知れないメリットがある事です。MUSIC PLANTの野崎? あぁ?みたいな人でも、ググって見ればだいたい何をやっている事務所だか分かるはずです。このブログだってそうです。毎日逃げも隠れもせず、こうやって仕事をしているのが分かるからお客さんが安心してチケットを買ってくれているのだと思う。そのメリットたるや計りしれない。これが私がブログを何日も放置し、Twitterに人の悪口や不満ばかり書いているような人間だったら、どうでしょう。つまり佐々木さんも言うとおり、今は肩書きではなく中身で勝負できる時代になった、と。これはホントに素晴らしいと思う。

最近は個人情報流失うんぬんも話題になってますが、それについても言及されています。これもね… いろいろ考えるんですが例えば北欧の国はだいたい国民全員が背番号制になってて、調べれば個人の収入から何まですべて分かるようになっている。学校へ上がったといえば、資料がどこからか自動的に送られてくる… ま、そのヘんは私も詳しく知っているわけではないので、また今度改めてしっかり勉強してから紹介するとして… 個人情報漏洩とか言って、知らないところから広告が送られてくるという怖さよりも、実はそれより怖いのは実は切り捨てられる「黙殺社会」の方だ、と佐々木さんは書いています。「あなたには興味ないですから今後情報は渡しません」と言われる方が怖い、と。

今、ホントにマスコミがヒステリックですよね。殺人事件や凶悪犯罪とか、統計を見れば明らかに件数は減っているのにマスコミがヒステリックに報道するから、世の中がものすごく悪くなっているように思っている人が多い。人に対する文句もそうです。偉そうにマスコミが「何様?」みたいな調子で文句を言うから、1億人全員が自分が何をやるわけでもないのに人のやる事に文句を言うことだけは一人前になっちゃっている。それにデフレが加わって、本当に日本の社会はちんまりしてしまった。

それよりも世の中はいいニュースがたくさんある。ホント私が東京の町でお財布を何度も無くしても何度も戻ってくる事の方を報道してほしい、と思いますよ。この世はもっといいところだというのも覚えておかないといけない。例えばネットで病気を公開したら、差別どころかみんなが情報をくれて助けてくれる、へんな治療に騙されないようにできる、とか。旅をしていると書けば自宅のセキュリティうんぬんよりも旅先での有益な情報が貰える事の方がメリットが大きい、とか。私も自分が家を留守にする時はALSOKの外出警備をかけたらもう必要以上に自宅を心配する事は意味がないと思っているんです。やることやらないで無防備になるのは違うとは思うけど、やることやったら、それ以上心配するだけ時間の無駄なんですよ。普通お財布が落ちていたとして普通の人だったら届けますよね? 私だったら届けます。カフェやレストランだったらお店の人に、駅だったら駅の人に渡す、もしくは警察に届ける… 世の中にそれほど常識からはずれた人っていないと思う。楽観的かしら? でも私はそういう世界に生きていいたいんですよね。それによって自分が痛い目にあったり、万が一死ぬようなことがあったとしても、それはもうしょうがないと思うんです。ま、佐々木さんの本ではここまでのことは言ってないですけどね。

また例えばネット上で首相に文句を言うのもいいだろう。でも「あいつ頭悪い」「バカ」とか「死ね」とか、そういう物の言い方は…意味がないと思うんですよね。そもそも実生活と同じで悪意にみちた発言は、言われている対象ではなく、言った本人の方の評価を下げることになります。文句を言うのであれば、もう少し理路整然と、もしくはユーモアを交えて、言い方を考えて言うべきであると私も思います。(あ、また「べき」とか言っちゃった/笑)

そんな、いろいろ不安満載の世の中で、実は自分を守るのは、普段から世の中の役にたつように発信していくこと。

これ、私も相当実感している事です。例えば、今、新規の打ち合わせに行くとして、事前に相手の事をググったり、ホームページやブログを確認しないというビジネスマンはほとんどいません。

以前は日本の社会はすごく閉じられたムラ社会(佐々木さん「箱」という言い方をしていますが)だった、と。音楽業界もそうです。すごく閉じられた、一部の、業界にすべりこめたラッキーな人たちだけのものでした。洋楽業界なんて、まさにそれだったかも。誰々に会った、誰々を知ってる。そんなことだけで業界を生き残ってきた人がたくさんいた。でも今はそれがまったく違う。箱なんかありません。誰も安全ではない。ましてや音楽業界、特に洋楽周りなんてお先まっ暗、危険際まわりない場所なんです。

一方で、裁判員裁判において、懲罰が厳罰化しちゃっているのも、この「箱の外の人間には厳しい」「見知らぬ他人に対してはすごく残酷になれる」という日本人の性格がある、と佐々木さんは指摘しています。これ、私もすごく心配に思っているところです。

今や社会が不安になって、会社に属していても、業界に属していても、いつリストラされるか分からない、いつドロップアウトされるか分からない……そんな状況下では、箱の外の人につらくあたったところで、まるで意味がない、と。生存戦略として正しいのは、見知らぬ他人にたいしても寛容になる、ということ。いろんな人に理解をしめそう、と。自分を守る方法はそれしかない、と。それこそが自分でつくるセーフティネットなのだ、と。

うーん、やっぱりいいな。佐々木さんの本は何冊か読んでますが、毎回ポジティブで元気づけられます。

大変な時代だ、と言う人は多いけど、何はともあれ、今この時代を楽しむ事が重要だと思うし、世の中の役にたつことで自分の生き残り戦略になると言うことを多くの人が実践したら、これはこの先めちゃくちゃ良い世の中になっていくに違いないと思うわけです。とにかく頑張りましょう。私も頑張るし、なるべく人の役にたちたいなぁ、と思います。