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2014年9月15日月曜日

あれこれ思うことを書いてみた


スポーツ観戦に関わる多くのビジネスモデルが弱くなって来ている、というのは普段スポーツ観戦をまったくしない私にも充分すぎるほど聴こえてきている。私が子供のころ、TVのゴールデンタイムにはプロ野球ばかりが流れていた。が、世界のスタンダードにおいて多くのスポーツ番組が有料放送へ流れる中、日本は明らかにそれに遅れをとっている。一方で、スポーツを「やる」人が増えているというも実感している事の一つだ。自分もそうだし自分の周りでもそうだ。先日読んだ「広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい」でもランニング人口の増加を「横並びの心」と説明し詳細に解説していた。

音楽ビジネスの崩壊が叫ばれてだいぶたつが、音楽においても同じ。やる人が増えて、聞く人が少なくなってきている。インターネットが音楽ビジネスモデルをダメにした、とか、人はお金を使いたがらなくなった…と言う前に、音楽を仕事にする人間は、そういう世界の流れを感じ取らないといけないと思う。

でも「受け身でいるより、自分でやる方を選ぶ方がいい」って、世の中の傾向としては、すごくいい事だよね?

そもそも私はサラリーマンの連中は認めていない。いや違うな。サラリーマンでも自分の企画を持っている人は偉いと思う。組織の中で自分のやりたい事をやるのは大変だからだ。そう、だから、給料がどこから出ているかは別として、とにかくみんな自分の事業や企画をやってみろよ、くらいは思っている。1億全員が自分の事業をやるようになれば、おそらく私の嫌いな原発や死刑は日本からなくなるだろう。そして自分は何もやらないのに人のやる事に簡単に文句つけるという悪い習性は消えてなくなるだろう。自分でやらないから人は人の苦労が想像できない。日本においては、それはまさに病的なほどだ。そういえば日本は先進国の中でももっとも自営業者やフリーランスが少ない国の一つなんだよな。

でも、「やる」人口が少しずつ増えてきて「自分でやる方向」に世の中がゆっくりだけど動き始めているのだと思う。それは素晴らしい事だと思う。

一方、プロとして活躍しているミュージシャンにはつらい時代となった。そんな中、U2のアルバムがiTunesを使って、何億人にかに配信された。それについてウチのポール・ブレイディがこんな発言している。Bob Lfsetz先生もこのように発言しておられた。U2の行動は、次に続く世代のことを考えていないと非難されても仕方がない。音楽を作る権利は、スポンサーに拾われたLuckyなバンドだけのもの? 音楽ビジネスは、そうやって旧来のタニマチ制度に戻っていくのだろうか。

ボノよ、こんなことで世の中をびっくりさせたいなら、音楽そのものでびっくりさせてくれよ、と私も思った。U2のアルバムはもう何年も買っていない。無料でもらっても聞かないものは聞かない。でも残念ながら音楽業界はおそらくそういうタニマチ制度に向っていくだろう、と考えさせられる出来事だった。

話がちょっと飛ぶが、スティーブ・ジョブズの伝記本はkindleに入れてあるので、時々開いて途中から読み始めたりしている。先日「アップルはコントロールフリークすぎる」という記述を見つけ、ちょっとハッとした。ユーザーの便利さを追求しているアップル製品だが、確かに以前のコンピューターと違って、中味をあけて開いてみることなどが一切できないなど、ユーザーの製品体験をすべて管理しようという意識が流れているのは誰でも感じ取ることが出来る。

アップルのコントロールフリークには困ったもんだが…それが心地よい時もある。例えば自分が時間を使いたくない事、自分がどうでもいいと思っている事についてはアップルに任せてしまいたい。例えば何でも薄いのがかっこいいとか、コンピューターのマウスがかっこいいとか、文字が綺麗だとか、私にはあまり興味がない。(ただウインドウズの文字をテレビのニュース番組で見かけると、世間はまだこんな汚い文字のコンピュータを使っているのか、とびっくりすることがある)

特にOS X以降は、コンピュータを使っていても、その内側で何が行われているのかさっぱり分らなくなってしまった。私はOX9が好きだった。OS9は自分でも、なんとなくいろんなことを分っていた。というか分る、と少なくとも思わせてくれていた。その距離感が良かった。でも今、こうしてOSXになってしまえば、もう一体何がコンピューターの中で行われているのか、私にはさっぱり分らない。

でも、ま、いいや、別にそんなこと分らなくても。こんな事に時間使わなくても、頭のいい人にこれについては考えてもらえればいいや、と。私が時間を使わなくちゃいけないのは、このコンピュータの中味ではない。これを使ってどうやってホームページを作り、SNSを運営し、お客さんに私のやりたい事を届けるか、だ。私は私の仕事をやらなくちゃ、と私はそんな風に思っていた。

で、それが本来のスティーブのメッセージだと私は感じるんだよね。スティーブは「オレがこっちの面倒な事はやるから、お前はその分自分の仕事を一所懸命やれよ」と言っているように感じたのである。「そうやって皆が頑張れば、世の中はきっと良くなるよ!」って。

それにしても世間の共感を得ることは難しい。こんなに便利なiPhoneやiPadにすら文句を言う人は多い。そして、正直あまりのコントロールフリークは嫌われる。視聴者や読者は広告、というだけでもう極端にそれを嫌がる。タイアップ記事とかネイティブ広告とか新しい広告形態が叫ばれているが、それが広告であれば、記事内容が良くてもやはり受け手には嫌われるだろう。分らないようにして発信して、それが広告だと後からバレれば、もっと嫌われる。お金で共感を買う、ということはこのようにとても難しい。

よくFBやYou Tubeで流れる広告を極端に嫌い、排除しようとすることに熱心な人がいるが、私にとっては広告だと分らないコントロールの方がよっぽど恐い。Twitterだって、Facebookだって、ただで使わせてもらっているんだから広告くらい我慢しろよ、と思うんだが。

話がそれた…本当に人の共感を得るのは難しい。そしてスティーブが生きてたら、いったい誰を無料配信するのかな、と思う。そういうの考えるのは、ちょっと楽しい。アップルの味方をして全体を見れば、確かにU2は微妙にナイスな選択だと思う。万が一、スティーブが生きていたとしても、その相手はU2だったろうな、と納得する。その点、アップルにブレはない。スティーブが本当に尊敬するボブ・ディランは、スティーブ自身も「ボブに対してそんな失礼なことはできない」と言うだろうし、実際オファーしたとしてもディランの方で断ってくるだろう。

ここにこめられたアップルのメッセージは何だ? そして世間はこれをどう取るのか? リスナーから選ぶ自由を奪うと取られてしまうのか…。無料なんだから、別にいいじゃないか、デジタルデータなんだから聞かずに持っていたとしても負担はないんだし。でも何だか「いらなきゃ捨てれば?」ってのが見えるのも、また音楽ファンをイラつかせる原因かもしれない。

さて。楽器やる人にこのバンドは売れると思うんだよね。そんなこともちょっと考えている。11月に来日するヴェーセン。楽器やる人なら、このアンサンブルがただごとではないのは、すぐ分るだろう。でも楽器やらない人にとっては、おそらくニッケルハルパの気持ちのよい主旋律しか聴こえてこないんじゃないか、と思う。それはそれで良いと思う。



PS
バラカン・モーニングは今月一杯で終了ということになった。ヴェーセンのこの映像もバラカン・モーニングに出演したあと恵比寿で収録したもの。本当に多くのアーティストがお世話になりました。ありがとうございました。

PPS
ボノの発言も貼っとこ…ここ

PPS
さっきまでTBSラジオのlifeのポッドキャスト聞きながら仕事してたんだけど、それによるとスポーツ観戦人口は、実は増えているんだって! 球場に行く人は実は増えてる。ただそれをメディアを還さなくなっただけで。つまり旧来のビジネスモデルが崩壊している、ということらしいです。なるほどねぇ…

PPPS
やっぱり来たね。嫌なら捨てろ、って…

PPPPS
そしてアップルも捨てる方法を告知してる… 日本語版はまだ出て来てないみたいだけど。