映画「ジャージー・ボーイズ」やっと見ました! これは最高に素晴らしい!

いやーいやーいやーいやーいやー ホントに良かった。こんな長い映画なのにあっという間に終わった感がある。

感想は… ここにある内本順一さんの感想が素晴らしいので、それを読んでください。私もまったく同感です。この映画はもうほんとに素晴らしい。もう夢中になってみちゃった。音楽ファンでこの映画に心を動かされない人はいないと思う。

フォーシーズンズとかいって、何か知っているわけではない。知っている曲は「シェリー」くらいで、あとはとにかくすべて「Bye bye Baby」も「Can't take my eyes off you」もオリジナルではなくカバーで知ってたくらい。素晴らしいとされるフォルセットヴォイスも別に私の好みでもない。

なんだろう…俳優がことのほか魅力がある、というわけでもない。フランキー・ヴァリ役の子とか、言ってしまえば薄い。人間的魅力があるのはワルのトミーの方だ。ちょっとエレファンツの木村さんにも似ているスイートなマスクのトミーは、でも木村さんと正反対でホントにどうしようもない奴。でもこういう人こそ魅力的なんだよね。そして彼はバンドのエネルギーでもあると言える。曲を作る天才肌で真面目のボブ・ゴーディオなんか真面目すぎて、ちゃんとしててある意味面白くない奴なんだけど…

それにしてもグループが出来て、成功して、そんな話は、ホントにどんなバンドでもどんなグループでもホントに面白い。そしてバンドってなんでこうやって1人1人違うタイプの人間が集まるんだろう。だから私はバンドが大好きだ。順風満帆に見える時ほど、実は内側はぐっちゃぐっちゃで…それが彼らの輝きをさらに濃いものにしている。

そりゃー、一件平和そうに見えるウチの連中だってそうだ。いつだって「今日音楽活動をやめました」って連絡もらっても驚かないよ、私は。そのくらいみんな危うい場所にいる。でもそれが、いいんだよね。

元々この話はミュージカルの方がヒットしていてそれをイーストウッドが映画化したそうだ。ミュージカル風の演出もクサくならずかなり自然に入ってきた。こんな楽しいエンディングも。普通だったらクサいかもしれないけど、全然問題なかった。楽しかったよー、ホント。



しかしこの曲「最後のマイウェイ」の人の曲かと思ってたよ。クロード・フランソワ(クロクロ)。



それにしてもクロクロもそうだけどさ、レコード会社の黄金時代。映画の冒頭に流れる、そしてエンディングにおいても、光輝くワーナーのロゴがまぶしいっ!(笑)そういや、いつだったかワーナーが売りに出されていて、それが40億ほどだというのを聞き、えっ、「ホテルカリフォルニア」も「ファンタスティック・マック」もあわせて、そんな安いの??…と思ったものだが。(間違いだったらすみません。この情報どこで見たんだっけなぁ…今や裏とる術なし…)

ポップス・キラキラ時代。こんな時代はもうやってこないのかな。でもそれはいいことかもしれない。一部のレコード会社やラジオ局に牛耳られてた時代は終わった。音楽の素晴らしさは映画中にフランキー・ヴァリが言うとおり、音楽自体のきらめきの中にある。残念ながらヒット曲を追い求めるうちにそういう音楽のきらめきをキープすることは本当に難しくなる。ハーモニーがハモりあった瞬間、とフランキーは言うが、分る! その、音楽がスパークする、あの感じ!! あの感じはまさにヴェーセンのコンサートでも感じられるわけだけど!!!

しかし、こういうヒットを作る仕事というのは、ある意味常軌を逸している。ウチみたいに低空飛行で好きなことだけやってられるのが一番幸せなのかも。でも多くの人をこんなに一度に楽しませる、って、また別のアドレナリンを分泌させる何かが隠されているのかもしれないなぁ。私には分らないけど。そしてバンドは、グループは、音楽はいつもこんなに素晴らしい魅力に溢れている。あと2回くらい見たいと思った。