スピリチュアル・グリーンランド3:最初のグリーンランド語で歌うバンドのドキュメンタリー

こんなドキュメンタリー映画発見。70年代に3枚のアルバムを出したグリーンランド語で歌う最初のバンド、SUME。これは面白そう!!



当然のことながらバリバリの70年代ですから彼らの歌詞も相当ポリティカルだったらしいのだけど、そもそもグリーンランド語には「Oppression(圧力)」とか「Revolution(革命)」という言葉すらなかったそうだから、すごい。

つまりそういう概念もないくらい牧歌的で穏やかな国だったわけ。

ところが、1つのロック・バンドの影響でグリーンランドの、特に対デンマークの誇りを取り戻そう、っていう動きに火がついてしまった、というわけですよ。そもそもロックっていう概念も最初はなかったんじゃないかな。それが、こうやって1つの国の運命を変えてしまったわけだ。グリーンランドって自治権が認められたのは79年らしい。なるほどねぇ…とおもう。このドキュメンタリー映画、賞レースは逃したもののベルリンでかかったらしい。見たい!

確かにあの一帯ってホント、ヘンなんだよね。つまりデンマークがあの辺の島をぐるっとすべて統治していたんだけど、上手く独立できたのはアイスランドだけで、フェローとグリーンランドはまだデンマーク領として残されている。

でもね、実は今回のナヌークとニーヴ・ニールセンの来日はデンマークの皇太子の来日にあわせてのイベントなんですよ。それってすごいと思いませんか? 乱暴な例えだけど日本の皇太子がどっか海外に行って、そこで沖縄やアイヌの文化を紹介するって事に近いもんね。それってすごいと思う。アイヌといえば、本当は時間が許せば、日本のオキさんなんかとも共演とか対談してほしかったよなぁ、グリーンランド人。

このドキュメンタリー、すでにDVDになっているので、なんとかみたいのだが、AmazonUKでも売っておらず…ググってみたら、ナヌークのエルスナー兄弟のお家がやってる楽器&レコード屋で売ってるのを発見。買うから持ってきてくれ、って頼もうかな。でもちゃんと英語のサブタイトル入ってるのかな…

それにしても確かにこのバンドはかっこいい。ドキュメンタリー映画のトレイラーの中で元メンバーは「17歳と20歳の僕らがこんなに世界を変えることができるとはおもわなかった」と答えているが、本当に音楽が世界をかえた一例。時代がそうだったから、と言ってしまえばそれまでだけど。



音楽で世界が変わる、このドキュメンタリーを思い出すね。エストニアの「Singing Revolution」



さて、このSUMEというバンドは、もうとっくにおっさん化しているのだけど、今は若い2組が頑張っています。ナヌーク、そしてニーヴ・ニールセン&ザ・ディア・チルドレン、グリーンランドから奇跡の来日決定。公演はなんと無料! ただし事前登録制です。ご来場くださる方は、こちらで登録を。