ユーロヴィジョンでのペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト |
やっと観たよー やっと観た。フィンランドが生んだ知的障害者によるパンク・バンド、ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァトのドキュメンタリー映画「パンク・シンドローム」
すごい話題になってたんだけど、なかなか見に行く時間がなかった。フィンランドものだから、忙しくても行かなくちゃと思ってたのに。で、やっとEU映画祭で見て来ました。すみません、もう遅いくらいです。
もう言えることといったら、やっぱりバンドは素晴らしい、ってこと。障がい者うんぬんとか、さすがフィンランドとか、そういう感想は他にまかせる。それよりも私なりの感想を端的に言ってしまえば「やっぱりバンドは最高」って、そういう事なのだ。
なんでバンドって個性的な連中が集まるんだろう。バンドの中の男の子たちって1人として同じキャラクターじゃない。なんでだろう! ほんとにみんな個性的で素敵なのだ。
縫い目が気になってしょうがない言葉にも障害のあるギタリストのペルッティ。感激したり悔しかったり幸せだったり悲しかったりで、もう、すぐ泣いちゃう!(笑)コンサート前にもすっごくテンパっちゃう。すごくアーティスティックな人。いるいる、こういうミュージシャン!!
ヴォーカルを勤めるカリは自分がフロントだということに自覚もある。彼女もいるぞ! そして映画の中で彼らは婚約もする。ちょっと自意識過剰で自分はもてていると思っている。うん、いるいる、こういうミュージシャン!
ドラムはまだ年も相当若いと見られるトニ。素朴で優しい感じ。みんなが喧嘩しているのを不安げに見つめる。あぁ、いるいる、こういう素朴な感じのドラマー!
ホントにそんな風に最高に魅力的なメンバーが集まったのが、このバンドなのだ。ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト! あぁ、ホントに彼らは魅力的すぎる。
音楽について評価すると私はパンクとかまったく詳しくないので、なんとも言えないのだが、例えばヴォーカルのカリが怒りに任せてリハーサルスタジオで歌った歌のあまりの迫力には本当に絶句してしまった。ちょっとあれは滅多に聞けないロック・ヴォーカルである。さりげないシーンなのだが、あそこの場面は必聴である。
先日会ったMusic Finlandのお偉いさんの話によえば、彼らは海外ツアーも希望しており、サミは英語も堪能でジョークもいかしてるから海外メディアの受けもいいのだそうだ。うーん、いつか日本に来ないかなぁ!! いや、自分で積極的に係るべきか!? 時間があれば、そうしたい!! いやホントに!
そして、私にとって職業柄、興味津々だったのが、献身的で地味なマネージャーさんの姿。絶対に出しゃばらないんだけど、ハンブルグに行けば皆を観光に連れていったり、ギターソロの出だしなどを分かりやすく教えてあげたり… それがちっともわざとらしくない。すごく自然な感じ。彼はホームのスタッフでもあるのか。メンバーに子供の作り方を問われビデオを貸してあげる。そしてメンバーからはめちゃくちゃ愛されている。いいなぁ!! あぁいうバンドとの信頼関係。すごく理想の感じ。そして、なんか、こう…余裕があるんだよね。さすがフィンランド。本当に素晴らしいと思う。
そして、この映画には後日談があって、このバンドはユーロヴィジョンにもフィンランド代表として出演した。いやー、優勝してもらいたかったなぁ!! 確かセミ・ファイナルまで残ったんじゃなかったけ。演奏の方は、あいかわらずマイペースで変わらない感じがホントにいい! ほんとに素敵なバンドだ! このクリップはユーロヴィジョンの様子。
EU映画祭も来週までで、もうこの映画はかからないのだけど、どこかで見かけたらぜひ観てほしいし、DVDが出たら、ぜひ買ってほしい。このバンドを映画にしたスタッフの皆さんに最大のリスペクト!