角幡唯介「探検家の憂鬱」を読みました

まだまだグリーンランド研究に余念がない私。あいかわらず読んでます。今回はこれ。

ネット検索していたら、この人が探検家で今もグリーンランドに滞在していることを知った。
私より10歳年下で、今現在の話だから、植村直己よりもっと実感がわく。

すごく面白いし、すいすい読ませる。調べたら川内有緒と一緒の新田次郎賞をゲットしているらしい。へぇー。

それにしても、なぜ自分は冒険をするか…ということを、あれこれ掘り下げていて、これがホントに面白い。雪崩で死にかけたこと、太平洋をバルーンで横断しようとした神田さんの話、存在しなかった震災の記憶(秀逸)、そして富士山に昇る一般の人々の話。

しかしなんというか文章がブログタッチで、ライターをやっている友人たちが、ブログをやらない理由に「ブログを書くと、普段の文章もそんな風なスタイルなっちゃうから」と言うのは、こういう事か、とも思ったりした。ちょっとしたことを回りくどく面白く言う感じ…とか(笑)。

でもこの著者のちゃんとした冒険紀を読んでないから、これだけではジャッジできない。本人も普段の探検紀には書けない自分のウダウダを(笑)思い切りこの本では書けてよかった、としている。最後の「イスラム国事件に対して思うこと」は、ものすごく共感した。

というわけで、彼のちゃんとした冒険紀はもうゲットしてあるので、楽しみに読むか、到着したカズオ・イシグロ本を先に読むか悩ましいところだ。



PS
数日後、「アグルーカの行方」読み始めたけど、すっごい迫力! ブログっぽいチャラい文章とか言ってすみません。すごいです、これ。

PPS
「アグルーカ」読み終わった。感想はここ。すごい本だった!!