今、ウチの事務所はツアーの合間なんだけど、ハラールの準備ばかりか、来年のプランニングも超佳境になってきて、もうなんだか脳みそフル回転なのである。私の頭を遠くから見たら、白いユゲが登っているかもしれない。
そんな中、たまたま昨日と今日と続けて「能」に行ってきた。「能」も「歌舞伎」も外人つれての観光くらいでしか普段は行かないんだけど、おもしろかったね。っていうか、これらを見ることで、新しい面白いアイディアがたくさん浮かんだと思う。いいぞ!(笑)
1本目の能は北区名物、飛鳥山薪能(たきぎのう)。ウチの地元だ。このエリアに引っ越してきた頃から一度見てみたいと思っていたのだが、秋はさすがに自分のツアーが多く、今の今まで行けなかった。が、今年は御大帰国の翌々日にも2本目の薪能公演があることを発見し、チケットを買って楽しみにしていたのだ。
ところが、なんと朝から無情の雨…。それによって公演は飛鳥山ではなく北とぴあのさくらホールで行われることになったのだった。ホントは能自体よりもロケーションと会場の雰囲気や運営の様子が見たかったのに。でもホールとはいえ、一応LED仕様の薪がステージに上るので、雰囲気はかなりスペシャル。それにしても、すごいなぁ。さすがに歴史ある飛鳥山の薪能。おそろいのジャパーを着たスタッフの数も多いし、ちょっとしたロビーの演出も、能舞台からホールに変更になった際のチケットの振替の素早さも、さすがだと思った。昨日今日始まった企画じゃ、こうは行かないよね。ちなみに能自体は無形文化財にもなっている山形の「黒川能」。プログラムも人気の「附子(ぶす)」と「石橋(しゃっきょう)」でした。
そして今日は今日でシアターカイにて「現代能」。イエーツと彼の運命の女性、モード・ゴンとの物語を能アレンジした「イェイツと不死の泉」。いやー 面白かった。能とイエーツって、ちょっといろいろ知りたいテーマなのよね。でもって、ストーリー自体がかなり面白い。イエーツは奥さんが神秘主義大好きな、ちょっと行っちゃった人だったってのは知ってたけど、こういう別の女性も存在してたなんて知らなかったわぁ! そして「人生とは絶対に手に入れられないものを欲しがりつづける、どうしようもないもの(超訳)」みたいな彼の言葉が沁みる、沁みる。はい、はい、まだツアーロスから立ち直れてませんよ、私ゃ。
残念ながらこの現代能,今回は2回で上演終わり。来年は海外展開を目指しているようなんだけど、果たしてどうなるんだろう。それなのにものすごい完成度。もったいない。で、入場料1,000円っていったいどういうこと?と思う。ちなみに同じシアターカイでは来週ノルウェーの劇団がやってきてイプセンをやる。こちらもたったの1,000円。是非見に行ってください。
そして夜はお友達の在日外国人の方の在日ウン周年パーティ…というか、行ったらライブだった! もしかしたら公表してもいいんだろうけど、招待されてない人もいたんだろうから、誰のパーティだったかは言わないでおく。で、全然知らなかったんだけど、なんと1年くらい前から彼女はジャズヴォーカル習っていたんだって。びっくりだよ。「My Favourite Things」や「Close to you」、ジャズのスタンダードなど楽しく聞かせていただいた後、最後に歌った中島みゆきがとっても泣けた。「糸」って曲。いい曲だね。私は中島みゆきはアルバム「寒水魚」までは全部聞いていた古いファンなんだけど、最近の曲はよく知らない。だから、この曲も知らなかった。それでもなんとなく聞いたことがあるかもしれない、と思った。
会場に集まったお友達とかの雰囲気もすごく良い。特に友人と同じ国から日本に来て、長く日本に住んでいるという女性の方二人は自分の国の伝統歌を聞いてポロポロ泣いてらした。あと子育てを共にしたママ友さんのグループが良かったなー。みんな子供を立派に育てあげて自信に溢れている感じで…。この世で一番強いのは、あぁいう女性たちかもしれない、と思った。
それにしても、友達を見れば、その人が分かる…じゃないけど、パーティ会場で会った皆さん、とっても素敵だった。そして、音楽っていいな、こうして仲間みんなで時間を共有できるっていいな…と思ったのでした。普段行ってるコンサートとかじゃ、こんな風にはとても思わないだろう。帰りがてら友達が「プロの野崎さんにこんなものを聞かせてしまって」みたいなことを言うから「いやいや、そんなことない、すごく大事なものを教えてもらった気がする」とお伝えしたのでした。イヤ、ホントだよ。
それで、この「糸」って歌、私は全然知らなかったんだけど、こういうヒットをしている曲らしい。こんな話を聞くとちょっと嬉しくなっちゃうよね。
しかしインスピレーションって、普段とは違う人と会って話すことで刺激されるんだな、とちょっと思った。今、いろんな企画が山積みになってて、あれこれ自分で考えるのはもちろん、人にもたくさん相談しているんだけど、どうもいいアイディアが浮かんでこない。でも普段行かない場所に行ったり、普段と違うことをしたりすることで、アイディアは初めて湧くものだ…というのを最近どっかで読んだ…、っていうか「ボケ防止」のネタだったかな…とにかくそうやって脳に刺激を与えないとダメだ、って話。いつもと同じことをやっていたんじゃ、ダメなんだ。いつもと同じ仲間と話してたんじゃ、ダメなんだ、という事。
能を見たり、友達の歌を自分でも口ずさみながら聞いてたりすると、自分の普段使わない何かが刺激されるのか、面白いアイディアがどんどん浮かんできた。帰りの電車はひたすらノートにあれこれ書きまくった。
結局のところ自分の仕事から私は離れることが出来ない。いつだったかドラマの脚本を書く人が、いつもセリフのことばかり考えている、って言ってたけど、私も結局のところ似たようなもん。が、それは幸せなことだと今は思っている。御大と御大のマネージャーからねぎらいのメールをもらって、ちょっと泣けた。
そんな中、たまたま昨日と今日と続けて「能」に行ってきた。「能」も「歌舞伎」も外人つれての観光くらいでしか普段は行かないんだけど、おもしろかったね。っていうか、これらを見ることで、新しい面白いアイディアがたくさん浮かんだと思う。いいぞ!(笑)
1本目の能は北区名物、飛鳥山薪能(たきぎのう)。ウチの地元だ。このエリアに引っ越してきた頃から一度見てみたいと思っていたのだが、秋はさすがに自分のツアーが多く、今の今まで行けなかった。が、今年は御大帰国の翌々日にも2本目の薪能公演があることを発見し、チケットを買って楽しみにしていたのだ。
ところが、なんと朝から無情の雨…。それによって公演は飛鳥山ではなく北とぴあのさくらホールで行われることになったのだった。ホントは能自体よりもロケーションと会場の雰囲気や運営の様子が見たかったのに。でもホールとはいえ、一応LED仕様の薪がステージに上るので、雰囲気はかなりスペシャル。それにしても、すごいなぁ。さすがに歴史ある飛鳥山の薪能。おそろいのジャパーを着たスタッフの数も多いし、ちょっとしたロビーの演出も、能舞台からホールに変更になった際のチケットの振替の素早さも、さすがだと思った。昨日今日始まった企画じゃ、こうは行かないよね。ちなみに能自体は無形文化財にもなっている山形の「黒川能」。プログラムも人気の「附子(ぶす)」と「石橋(しゃっきょう)」でした。
そして今日は今日でシアターカイにて「現代能」。イエーツと彼の運命の女性、モード・ゴンとの物語を能アレンジした「イェイツと不死の泉」。いやー 面白かった。能とイエーツって、ちょっといろいろ知りたいテーマなのよね。でもって、ストーリー自体がかなり面白い。イエーツは奥さんが神秘主義大好きな、ちょっと行っちゃった人だったってのは知ってたけど、こういう別の女性も存在してたなんて知らなかったわぁ! そして「人生とは絶対に手に入れられないものを欲しがりつづける、どうしようもないもの(超訳)」みたいな彼の言葉が沁みる、沁みる。はい、はい、まだツアーロスから立ち直れてませんよ、私ゃ。
残念ながらこの現代能,今回は2回で上演終わり。来年は海外展開を目指しているようなんだけど、果たしてどうなるんだろう。それなのにものすごい完成度。もったいない。で、入場料1,000円っていったいどういうこと?と思う。ちなみに同じシアターカイでは来週ノルウェーの劇団がやってきてイプセンをやる。こちらもたったの1,000円。是非見に行ってください。
会場に集まったお友達とかの雰囲気もすごく良い。特に友人と同じ国から日本に来て、長く日本に住んでいるという女性の方二人は自分の国の伝統歌を聞いてポロポロ泣いてらした。あと子育てを共にしたママ友さんのグループが良かったなー。みんな子供を立派に育てあげて自信に溢れている感じで…。この世で一番強いのは、あぁいう女性たちかもしれない、と思った。
それにしても、友達を見れば、その人が分かる…じゃないけど、パーティ会場で会った皆さん、とっても素敵だった。そして、音楽っていいな、こうして仲間みんなで時間を共有できるっていいな…と思ったのでした。普段行ってるコンサートとかじゃ、こんな風にはとても思わないだろう。帰りがてら友達が「プロの野崎さんにこんなものを聞かせてしまって」みたいなことを言うから「いやいや、そんなことない、すごく大事なものを教えてもらった気がする」とお伝えしたのでした。イヤ、ホントだよ。
それで、この「糸」って歌、私は全然知らなかったんだけど、こういうヒットをしている曲らしい。こんな話を聞くとちょっと嬉しくなっちゃうよね。
しかしインスピレーションって、普段とは違う人と会って話すことで刺激されるんだな、とちょっと思った。今、いろんな企画が山積みになってて、あれこれ自分で考えるのはもちろん、人にもたくさん相談しているんだけど、どうもいいアイディアが浮かんでこない。でも普段行かない場所に行ったり、普段と違うことをしたりすることで、アイディアは初めて湧くものだ…というのを最近どっかで読んだ…、っていうか「ボケ防止」のネタだったかな…とにかくそうやって脳に刺激を与えないとダメだ、って話。いつもと同じことをやっていたんじゃ、ダメなんだ。いつもと同じ仲間と話してたんじゃ、ダメなんだ、という事。
能を見たり、友達の歌を自分でも口ずさみながら聞いてたりすると、自分の普段使わない何かが刺激されるのか、面白いアイディアがどんどん浮かんできた。帰りの電車はひたすらノートにあれこれ書きまくった。
結局のところ自分の仕事から私は離れることが出来ない。いつだったかドラマの脚本を書く人が、いつもセリフのことばかり考えている、って言ってたけど、私も結局のところ似たようなもん。が、それは幸せなことだと今は思っている。御大と御大のマネージャーからねぎらいのメールをもらって、ちょっと泣けた。