A Beginner's Guide to ケルティック・クリスマス2015 Vol. 1

今年も楽しみなケルティック・クリスマスの季節がやってきました。ホントにホントに毎年12月が楽しみ! 今日長い打ち合わせが行われ、私も自分がどこを担当するか分り、もう今からとってもワクワクしています〜 あぁ、もう待てないよー 早くみんなに会いたい!

これから数回にわたって私なりの今年の「ケル・クリ」の見所などを紹介していけたらと思います。なるべく普段アイルランド音楽を聞かない人にも分りやすいように、頑張って紹介していこうと思います。

まず今年のヘッドライナーはアルタンが勤めます。アルタンは、アイルランド北西部ドニゴールに生まれドニゴールに伝わる歌を歌い演奏するグループです。現在、現役で活躍するアイリッシュ・バンドの最高峰といって間違いないでしょう。アイリッシュ・ミュージックの楽しさ、力強さ、優しさ、ぬくもり… アイルランド音楽に多くの人が期待するすべてがここにあります。フロント・ウーマン、マレード・ニ・ウィニーの沁み入るようなヴォーカルと、スリリングでスピーディーなインスト曲が看板です。

バンド名はドニゴールに実在する湖の名前から付けられました。当初バンドはマレード(フィドル/ヴォーカル)と、彼女の夫のフランキー・ケネディ(フルート)のデュオとしてスタートしました。二人で制作したアルバムの2作目「アルタン」(88年)に参加したバック・バンドがメンバーとして加わり、以降「アルタン」というバンドとして正式に活躍するようになります。

特に93年に発表した「アイランド・エンジェル」はアイリッシュ・ミュージックの最高峰という声も高い圧倒的な名作です。私もアイルランド音楽の10枚を選ぶとしたら、これは絶対に入る!と断言できます。ところが、このアルバムのレコーディングの時、すでにフランキーは自分が癌におかされ、もうあまり長くは生きられないことを知っていました。いや、もう知っていたからこそ、こんな殺気迫る、ものすごい作品が出来たのかもしれません。とにかくこのアルバムから溢れ出す力強さとパワーたるや圧倒的でした。

フランキーが亡くなり、誰もがもうアルタンは終わりなんじゃないか、と思っていました。が、ここで発表されたのが「最初の10年」というタイトルの付けられたベスト盤だったのです。フランキーは具合が悪い時でもモレートに頑張ってツアーを続けるよう励ましてくれていたのです。

そしてこのタイミングでアルタンはメジャーレーベル、ヴァージンと契約をし6作目の「ブラック・ウォーター」を発表することになるのです。そしてバンドが健在であり、その活動にみじんの揺るぎもないことを証明してみせました。97年、フランキーはもういなかったものの待望の初来日が実現されます。この曲を聞くとこの頃のアルタンを思い出しますねー。



バンドはその後、2000年、2004年、2005年、2009年と来日しており、今回久々(6年ぶり!)の来日となります。嬉しすぎる!!

さてそんなアルタンの、私が特に大好きなポール・ブレイディもヴォーカルで参加しているこのトラックを紹介しましょう。マレードが娘役なんだけど、お父さん役のポールが出て来るところ(1:15くらい)とか、何度聞いてもゾクゾクします。



最後にインスト曲も紹介しとこ。アメリカのニュースかなんかに出た時の映像。マレードってボウ(弓)をすっごく短く持つんですよね。こんな持ち方する人、初めてみました(笑) そして使う範囲がすごく短い。狭い範囲を忙しく上下するボウ…(笑) フィドラーが複数いるのに二人でボウイングをあわせないのもアイリッシュ風。



アルタンのケルティック・クリスマス・ツアーの日程は、こんな感じ。

12/2(水)ケルティック・クリスマス セッションパーティ
12/4(金)伊丹アイフォニックホール
12/5(土)ケルティック・クリスマス
12/6(日)アルタン祭り 練馬文化センター

詳細はプランクトンさんのホームページをご覧ください。次回はダーヴィッシュをご紹介します。