ハラール、ありがとう! ホントに幸せなツアーでした〜

ハラールにご馳走になっちゃった豪華ディナー
ハラールたちが帰国したのが火曜日。で、今日はもう土曜日になっちゃった。

ありがたいことに彼らが帰国してから超忙しく、やることもたくさんあって、ミーティングやら、試写やら、ご飯会やら、何やらでずっと外出してたから、ブログをじっくり書く時間がなかった。

…っていうのは言い訳だな。ホントはそうじゃない。ブログは書こうと思えば、どんなに忙しくても書けるのだから。ホントはこのツアーの余韻をちょっと楽しんでいたかったから放置しておいたんだ。普段はツアーは終わったらとっとと忘れて次に行く……じゃないと辛すぎる…という気分になるのだが、とにかく今回は余韻を楽しみたかった。こんな気持ちになるのも久しぶりだ。

でもここに今回のツアーを一応総括しておこうと思う。じゃないと、このままぼんやりしたまま忘れちゃうから。最近自分の意志とは係らず、ホントにすぐ忘れるんだ。で、ツアー1本やると前のツアーのことは完全に忘れてしまう事が多い。このあとスヴェングの大きなツアーに向けてプロダクションミーティングがガンガン続けば、それであっという間にハラールのツアーも忘却の彼方だろう。でもそれはツアー終わってからのツアーロスを克服するための、1つの生き残り方法だったりもする。

このツアーは、なんかいつまでも浸っていたい、ずっとこのツアーのことを考えていたい、そんな幸せなツアーだった。なんかこういうの久しぶりだったように思う。こんな気分になることは滅多にない。

それにしても今年はグリーンランドから始まって、グレンの家族ツアー、ペッテリ、ウォリス… そこまでは、まぁ良かったのだけど、4週間という驚異的長さのフレアーク・グローバルオーケストラのツアーと、最高に濃いポール・ブレイディのツアー。なんだか終わってぐったり…みたいな、そんなツアーも多かった。というか、そういう変則ツアーこそ、印象に大きく残る部分が大きい。

でもって、ハラールのツアーが始まってみれば、私にとってはホントにこういう普通サイズの普段の私サイズのツアーが一番いいな、と感じるのだった。結局のところ普段の感じ、いつもの感じが、一番私のサイズにあっている、ということなのである。普段いかに恵まれているか、って事なのである。そこをしっかり認識しないと。私はすでに自分が一番幸せだと感じることが出来る、一番幸せな場所に立っているのだということを。とにかく今回はハラール本人からもらったものがとてつもなく大きかった。

いろいろ反省はある。ツアーの日程表を見れば、ほんとは都心でちゃんとした公演をやりたかった。確かに洋館とか、お寺とか、美術館とか……素敵な場所の公演が揃えたつもりだよ。チラシを見せれば、いろんな人から「かっこいい、インテリなツアーですね」と言われる。でもよーく見る人が見れば、いわゆる東京での大きな公演というのを作る余裕がなかった、というのはバレると思う。うーん、やっぱり日曜日に無理してやれば良かったのかな。でも、こういうNO PA(音響機材なし)の公演で良かったよね。3人の息づかいまでが聴こえてきそうで、お寺も洋館も美術館も、仏像も巨大な絵画も、すべてがハラールの音楽を聴いているようだった。ミッケルもスネもハラールのフィドルに対して「絶対に余計なことしない」というスタンスが良かった。すべてが音楽に捧さげられている感じ。あの感じが、すごく好感を持てた。私は初めてハラールの音楽を聴いているような気持ちになった。

それにしてもデンマーク人って国民性もあるんだろうか。ホントに素敵な人たちだった。普段ツアーが終わると辛くて、早く忘れたいと思うのだけど、今回はなるべく長くこの余韻に浸っていたくて、ブログを書くのがこんなに遅れてしまった。ありがとう。ハラール、ミッケル、スネ。そしてお客さんもありがとうございました。あの幸せな空気を感じられたのは、一生の思い出だよね。なんだかそんなふうに音楽の素晴らしさをひしひしと感じた。

プランクトンの川島恵子社長がご飯をご馳走しにやってきてくれて、そのときに係ったみんなが「この公演が出来て良かったね」って気持ちになることが大事、って言ってたけど、ホントにそうだと思う。ホントにこれが出来てよかった。しかし恵子さん、ちょっとの短い時間だったのに、するどいよなぁ。とにかくあの3人と仕事してると、「ホントに今日の公演は良かった。作ってくれてありがとう」って気持ちがビンビンくるから、ホントに私も幸せな気持ちになれる。

そういや、建長寺の高井総長も同じ。ステージが高い人はいきなり本質を捕らえる。そこだと思う。知識とかあれこれ振りかざして、人のやることにあれこれコメントする人は、自分じゃ何もしてないのに……とか、普段のごとく人のやることに文句を言うのはもう辞めよう。私はそういうレベルで生きてはいけない。ハラールみたいに、たくさんの人に優しい気持ちで接して、少しは優しい人間にならないと。私たちが生きている世界はタフでろくでもないことばかりが起きるが、自分が優しい気持ちをたもっていれば大丈夫。なんか1歩突き抜けた気がする。そして、いつもここに書くように、あれこれ気になるのは、暇な証拠。自分のできることをしっかり続けるのだ。それしかない。…とかいいつつ、私も普段のレベルにたぶん、すぐ押し戻されてしまうんだろうけどな。今は、とっても優しい気持ちです。

ハラール、次の来日はプランクトンさんになるのか、またウチになるのかは分らないけど、どっちになろうが、それは小さなことだ。私はずっとハラールを応援するし、ハラールも必ず日本に戻って来る。ありがとう、ハラール。なんか今回、初めてハラールのことを発見したような気持ちになった。モーテンとのデュオもすごく良かったけど、今回はじめてハラールの音楽を聞いたような気がした。1人も取りこぼさず会場の一体感を作るハラールにいろんなことを教えてもらった。

普段こういう動画もツアー終わったら、とっとと削除しちゃうんだけど、せっかく字幕もつけたんだし、しばらく置いておこう。