スヴェング、ありがとう〜

ヒルパ、またね!
というわけで、一応今回もちゃんと総括しておこうかな。

いや〜今回も楽しかったし、スヴェングのみんなはホントに素敵でした。今回のツアー、スヴェングじゃなかったら絶対に無理だったし、桑山さんじゃなかったら絶対にダメだった。

不思議なもので、2010年に民音のプロデューサーさんが小さなライブハウスでのスヴェングの公演を観に来てくれていて、それが6年後(!)にこうやって実現したんです。種はまいておくもんだよね…

当初このプロジェクトがスタートして、民音のお客さんに分かりやすくするために日本人を入れようということになった時、アコーディオンの桑山哲也さんにお願いしようと提案したのは、もちろん私だったんだけど、ホントに私ったら、自分で言うのもなんだけど、ミュージシャンを選ぶ事だけは絶対に間違わないよね!(自画自賛)こういうのってキャスティングで結果は決まっちゃうんですよ。だからホントに桑山さんにお願いして良かったと思っています。

桑山さんと私は実はすごーーく長くって、自慢しちゃうと最初に会ったのはたぶん25年くらい前、私がキングレコードで、パトリック・ヌュジェと仕事をしていた頃。「パトリックのところに北海道からすごい天才少年が来た! 元暴走族でね…」と関係者の中で超話題になっていたのです。始めて直接お会いしたのは、おそらく今は無き渋谷の「じゃんじゃん」の楽屋。紹介された時、桑ちゃんはアコを持って座っていて、私を見上げるように上目使いでこちらを向いたので、私は心の中で「あら、可愛い♡」と思ったのでした。(うん、やっぱりあの時くらいのサイズに痩せた方がいいよ、桑ちゃん…)

あの頃、あの周辺にいた人で、もうすっかり業界から消えちゃった人もいるけど、桑ちゃんはそれからあれよあれよと出世して今や超売れっ子に。もう「桑ちゃん」とか呼べない!? そして私もなんとか生き残って、こうやってプロジェクトが一緒に出来るなんて、ホントすごすぎる。始めて会った時、誰が今のこの状況を想像しただろう!!

そしてコンサート見てくれた人なら分かると思うけど、桑山さんが民音のお客さんとスヴェングをつないでくれたんです。私なんか桑ちゃんに比べたらてんで子供で、ホントに今回は勉強になった。やっぱり成功している人は努力しているし、違う。桑山さん、本当に本当にありがとうございました。これ、絶対に桑山さんじゃなかったらこんなに成功しなかった。ありがとう、ありがとう、本当にありがとう。

今後は桑ちゃんにフィンランドに飛んでもらったり、またもっと共演を作ったり、もっといろいろ一緒にやりたい。すでにスヴェングの間では「アカプルコの月」をレコーディグしようという話も持ち上がっています。

そしてスヴェング…。過去4回の来日公演は、自分で作って結構ハードなツアーだったけど、今回民音さんに拾ってもらってホントに良かったね。なんか大きなステージで演奏する皆をみていたら、最初の代官山の100人くらいのライブハウスから、よくもまぁ、ここまで来たなぁと妙に感慨深かった。いろいろ思うことはあるけど、こういうのを世間では「成功」と呼ぶのかもしれないなと、ふと思った。まったく日本では無名のバンドが中野サンプラザまで来れたんだから、やっぱりすごい。そりゃーそれは民音さんの動員力あってこその結果なんだけど、それにしても彼らの音楽をこの数の人たちに聞いてもらえたことは圧倒的な事実で、それはホントにすごいと思った。

そしてこの時点で思うのは、最初の頃からスヴェングの公演を即決で買ってくれてた武蔵野文化事業団さんや、ブッキングに協力してくれたハーモニーフィールズの小巌さんは、やっぱりすごかったよね、という事だ。みんな先見の目があった。そしてあんな小さなツアーから今回は総勢約12,000人のお客さんですよ。ホントびっくり。

リーダーのヨウコ先生は相変わらずだったけど、今回は今までにまして、バンドに対しての愛とパワーが凄かった。特に昨年のシベリウス・プロジェクトから、ヨーロッパでスヴェングの人気は急激に高まって来ている。ここ3年くらい前からついた新しい女性マネージャーがすごく良いみたいで、それがメンバーのゆとり、演奏にも現れている。

日本はなぜか2回目のツアーから私がバンドと直でずっとやっているので、その彼女とはまだ私も会ったことがないのだが、メンバーによると彼女はすごくポジティブで楽しい人なんだそうで、今のこの音楽業界、ホントに厳しいから、そういうポジティブな人はいいよね、なんて話でみんなで盛り上がった。

そして、今度その女性マネージャーも交えて、次の私のヨーロッパ出張時に某所で全員で集ってスヴェング・サミットをやることも決定してしまった。うーん、将来も重いな、こりゃ(笑)。

今、私はあと10年か15年くらいかけて自分の仕事の後始末をするべくあれこれ考えている。スヴェングは、今回のツアーが大成功に終わったし日本デビューから10年くらいの間にもう5回も来日してるし、それは外タレとしてはかなり上出来だろうから、もうこれでいいかとも思っていた。でもこの感じじゃ、まだまだ私も引退できないではないか(笑)

毎晩コンサートが終わると、スヴェングを今後どうしていくか、次はどんなレコーディングにするべきかとか、どんなマーケティングが適切で効果的なのか… もうヨーコ先生をはじめとして彼ら全員ものすっごく真面目で真剣で、なんかすごくポジティブなエネルギーをもらった。私も実は真面目なのが大好き。音楽はどうあるべきか、とか。ミュージシャンはどうなのかとか、あれこれ話すのホントに好き。どこで何くったとか、くだらない話はおもしろくないのだ。スヴェングみたいに仕事に真面目なバンドは他ではいないかも。とにかく仕事終わりの飲みの時間帯でも、彼らはずっとそんなことばかり話していたんだよね…

しかしまぁ、久々の日本だったよ。3年半ぶり。それは彼らにとっては長く感じられるものだったらしい。ベース・ハーモニカのパシは私がヘルシンキに行くと空港に迎えに来てくれたり、食事をご馳走してくれたりするんだけど、そんなパシにもちゃんと今回お礼が出来てほんとに良かった。私は自分が向こうに出張に行っても、仕事やオファーできる具体的な何かがないかぎり、誰かを自分から呼び出すことはしない。だからダブリン空港とかでも迎えに来てもらう事は滅多にないのに、ホントにパシは私がヘルシンキに行くことを発見すると、だいたい会いに来てくれる。そういうのって、なんか申し訳なくってね… でも今回、それにもお返しすることが出来たと思う。本当に良かった。パシは相変わらず優しくて素敵なので、もちろん日本のおばちゃんに一番モテていた。紳士で素敵なパシ。民音の偉い人の前に出してもまったく問題ない(笑)。そういう意味でも今回はパシの存在が本当に助かった。

ゲーロもあいかわらずのマイペースぶりが笑えた。やっぱり彼はすっごいミュージシャンで、素晴らしいアーティストだと思う。特に最後の2公演におけるゲーロのインプロは最高に素晴らしかった。なんというか、ソロパートになると、ものすごいところからバンドの演奏の中にジャンプ・インして「あらあら、どこ行っちゃうんでしょー」みたいなソロが展開される。そして、結果綺麗にキメちゃうところとか… ああいうの、ホント天才だよ。最近私は自分は伝統音楽よりもジャズが好きなんじゃないかと思う。ホントにゲーロの演奏は素晴らしかった。でもご飯を食べる時に、みんなで食べ物を取り分ける時とか、いつもゲーロは出遅れて生命力が足りないんじゃないかとちょっと心配になる時がある。ホント笑えるんだよね、ゲーロは。

そしてエーロ。エーロは私はホントにホントにホントに大好きな人なんです。好きっていうのは、ミュージシャンとしてももちろんだけど、男性としてもね! あぁいう、男らしくてかっこいい人って、私はホントに大好き。おおらかで細かいことにはこだわらない。可愛くて、ちょっと抜けてる。そういやちょっと最近マイブームの探検家に似てるかも。かっこよくって、男らしくって、食べっぷりが良くって! 私はそんなエーロといつでも一緒にいたい。あぁ、エーロ、早く離婚してくれないかなぁ! でも今回の公演では「ニーロのポルスカ」でさんざんエーロの結婚式の写真をスクリーンに映してお客さんに見せちゃったしね。エーロが離婚したら、私は一番に押し掛けちゃいたいと思っているんだけど、スヴェングの仕事しているうちは、残念ながら無理だわな。申し訳ないけど、この仕事の方が自分の気持ちなんぞよりも全然大事だわ… 商品に手をつけるわけにはいかない。

最後になりましたが、スヴェングを4年ぶりに呼んでくれて、こんなにたくさんのお客さんを集めてくれた民音の皆さんにもホントにホントに感謝いたします。そしてステージのスタッフの皆さんにも。またもや大変お世話になりました。ありがとうございました。

さーて、次は自分のプロジェクトに戻るぞ。大プロダクションの醍醐味はすごいが、小さな自分の王国はやっぱり何を置いても格別です。これが私の本来の居場所だと、いつも強く思う。3月のティモもすぐだし、5月のフルックも。とにかく頑張らなくちゃー! ありがとう、スヴェング。また呼ぶからね〜 待っててね!

本日夜24時、北とぴあケルト祭の詳細発表です。ホームページ作りがまだ終わらない、やばい。頑張る!!!!!!