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2016年3月17日木曜日

めっちゃ、めっちゃ、めっちゃ良かったよ!!!!「SONG OF LAHORE」

いや〜っ、ホントにホントにホントに良かったよ、この映画。夏公開なんで、まだだいぶ先だけど、公開になったら皆さんも絶対に見に行って! 試写で拝見しました。ありがとうございます。「SONG OF LAHORE(邦題未定)」

パキスタンの伝統音楽オーケストラが、サッチャル・スタジオという音楽スタジオを拠点に活動を細々と続けていた。ある日、デイヴ・ブルーベックの「Take Five」のカバーし、そのクリップをYou Tubeに載せたところ、100万アクセスを越える大ヒットに。それがBBCのニュースに取り上げられ、最終的にはニューヨークのリンカーン・センターでウィントン・マリサリスと共演するという……音楽バンドのサクセス物語。

ま、こう書くと「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」とか、コンゴのホームレスのミュージシャンたちの「ベンダ・ビリリ」とか、無印良品が呼んだ廃材から楽器を作って演奏する「カテウラ・オーケストラ」とか、思い浮かべる人いるだろうけど、いや、いや、いや、いや!!! そのテの中で、この作品はもっとも面白く素晴らしい作品だと思う。とにかく素晴らしかった。絶対に見に行った方がいいですよ。

無駄な映像や無駄な台詞一切なし。とにかくテンポが良く、笑いもあり、ちょうどいい長さの82分。なんと女性のドキュメンタリー監督なんだって。たくさんのすぐれたドキュメンタリーを制作している人で、2012年にはタイム誌で「世界でもっとも影響力のある100人」に選ばれているシャルミーン・ウベード=チナーイ監督。(それなのに日本語でググっても何も出てこなかった)

パキスタンって、昔はすごく文化の豊かな土地だった。インド映画の音楽みたいに映画産業に密接して音楽も、とてもさかんだった。それがタリバンによって音楽が禁止となり、文化がどんどんどんどん縮小し続ける中、ミュージシャンはみんな食べていけなくなってしまったのだ。

そして、この「Take Five」だ。あのブルーベック自ら「私が今まで聞いた中でもっとも面白くもっとも異なるTake Five」と認める彼らの演奏なのだ。

ミュージシャンたちのセリフがすごくいい。ドキュメンタリーだから、台本があるわけじゃないのに、すごいね。これは相当な量を撮影してるんだと思う。だからこんなに良いカットが撮れたのだ。おそらくこのグループがYou Tubeでヒットする以前から、監督はこのグループのことをずっと撮ってたんだね。そして最後の15分くらいでは音楽もたっぷり聞ける。

心に残ったセイフ:すみません、メモらなかったので記憶を頼りに書いてますが、「人は自分が信じるものの中に神の存在を見いだす」みたいなセリフ。グループのリーダーの彼の言葉だった。イスラム教を説明する時にそんな説明をしていて、それが私の中にスッと入ってきた。それが音楽なんだ、とも。

そしてもう1つが同じ彼のセリフだったと思う。アメリカ進出にあたって「パキスタン人はテロリストではなく芸術家だっていうのを見せてやるんだ」っての。いいでしょ! いいでしょ! もう涙でちゃうよ。

そして最後は御大ウイントン・マルサリスの「ジャズはあらゆる音楽を受け入れてきた。それは虐げられた者の音楽だからだ」みたいなセリフ。あぁ、御大、かっこいいよ!! もう響きまくり!!!!!

「音楽っていいね!」って、当たり前だけどそんなことを思い出させてくれる素晴らしい映画だった。

そうそう、ツアー前に張り切っていろいろ詰め込みすぎてスーツケースが異様にデカくなってしまったメンバーや、ニューヨークに連れて行ってもらえないヴァイオリンの連中とか、そんな「外国ツアー面白あるある」シーンも続出。あぁ、もうっ! ミュージシャンって、すべてが可愛すぎる!

そして演奏面においては、フルートの彼がめっちゃ上手いのよ。加えてパーカッションの2人がいいんだ。1号/2号みたいな感じで!! 彼らの、どんな状況にも応じないドーンとした感じが、すっごくいい。顔の大きなおじさんなんか眼光するどく4頭身くらいなんだけど、とにかく安定感抜群で、ゾクゾクしちゃう。

そして、ウィントン・マルサリス御大も、もう言うことなし。彼らが準備してきた楽譜のことを「うむ…different」とか言っちゃって…あぁ、いちいち笑える。いやいや、リハーサル・シーンなんか、ほんとに緊迫ものなんだけど、御大すごい。御大すごいよ!

こちらがトレイラー。英語字幕しかついてないけど…是非見て見て。



そしてこれが話題のそのTake Five!



そしてこちらがBBCのニュースで紹介されたもの。

とにかくこれは良い映画だわ。ヒット間違いないわ。まだ日本の配給先さんのホームページも出来てないみたい。でも東京はユーロスペース(渋谷)だって。

なおCDの方は、すでにしっかりサラーム海上さんの解説で売ってますよ。こちらへどうぞ〜