飲食店経営について、佐々木俊尚さんの朝キュレ・ツイートで紹介された記事が話題になっていた。すごくよく書けている。是非リンク先の記事を読んでみて。
音楽業界も似たようなもんだけど、飲食店経営も経営者が相当無理して続けてんだろうな、というお店が多い。みんな好きだから無理して起業する。そして多少大変でも続ける。閉店する理由は金銭的なこと。それさえ問題なく続けば、たぶんみんな延々と事業を続けていくのだろう。飲食店経営は表現活動にも似ている。音楽事務所経営も一緒かな。
こんなツイートも…
以前ここでもご紹介したと思うが、アイルランド料理研究家の松井ゆみ子さんのお父様が長く勤務されたメーカーを辞めるときに「受賞経歴もなく、ヒットもなく、無事に退職できました」みたいな内容の案内ハガキをいただき、かっこいいなぁ、と思ったもんです。
事業は何もなく普通に長く、ながーく続けるのがいい。若いときはヒットが出るのがかっこいいのだと思っていた。しかしそのためにはかなりの歪みや無理が要求される。いや、ヒットを否定しているわけではないですよ。今でもヒットがウチにやってきてくれるのであれば、「カモン!」である(笑)でも無理をしてまでヒットを見つければ、その代償は必ずどっかでやってくる。だから何もなく平坦なのがいい。
この意見にもうなずき。
ウチのバンドも一緒だ。ウチのバンドの中には、ちょっと切り口がオモろいバンドもいるから、テレビに出てみれば、みたいなことを言われることが多い。「あのテレビにお宅のあれも出たらヒットするんじゃない?」
うむ。テレビねぇ…もしかしたらテレビ制作者のもとに日参したら、ウチみたいな弱小事務所にもテレビが取れるのかもしれない。でもそこまでして、それをしないのは、テレビを見て飛びつく人たちは、瞬間風速でしかないからだ。ものすごい苦労してテレビに出しても、現場も死ぬほど大変で……結果、テレビに出たとしても、それは瞬間風速でしかなく。テレビをみて自分の生き方選んでる人が、ウチのバンドをたまたまTVで見たとしても、そのあとに彼らが興味を持つのは、テレビで次に紹介されるバンドだからである。そういうのはウチのバンドには必要ないのだ。そういう継続しない興味は。
…なんてね。これはテレビが取れないものの「ひがみ」と思ってもらっても結構(笑)自分のペースで続けて,そして自分の生活と事業が成り立つのが一番。テレビや、媒体や、他の誰かに左右される人生は必要ないんだよ。
あ、これフェス参加にも言えるかも。ちょっとウチの公演が成功すると、すぐ「フジロックだ!」「サマソニに売り込んでみれば」みたいなアドバイスくれる人いるが(笑)フェスで出会ったお客は結局長くは続かない。フェスで話題になって消えてった「フェスだけ盛り上がり1発外タレ」のなんと多いことか。そういう例は巨万とある。やっぱりちゃんとした場所で、90分なりの公演のチケットをしっかり買って見てくれた人に、最高のライブを届けてこそ、お客さんが長くながぁ〜く着いてきてくれるのだ。
あ、でもフェスのプロデューサーの皆さん、ウチのアーティストもどうぞよろしくです!(笑)いらないって言ってるわけじゃありません。自分の筋肉ないのに、飛び道具用意しても結果出せない、ってのを言ってるんです。
…というのはさておき、実際、こういうざっくり言って「クライアントもの」って、向こうから話が来ないといい結果にならないのよ。私がやれることは営業ファイルもって、売り込みに走り回ることよりも、フェスや、文化施設の担当者の目にも止まるような、超おもしろいものを自ら発信し続けることだけだ。
これも考えさせられた。
某企業さんの写真ロケ(in ダブリン)で急遽町中で椅子が必要になったことがあった。メアリーの事務所兼CD店が近かったので、みんなでそこに寄ってロケ用の椅子を急遽借りたのだが… そのとき、同行していた代理店の偉いおじさんが、さっとその場でCDを買ってくれたのだ。CDは10ユーロくらいだったし、ちょっとしたもんだったけど、すごく嬉しかった。別に椅子の1つや2つ、私とあそこの事務所の仲だったら、ぱっと借りることなんてヘでもない。でも、あぁいう気を使ってくえる感覚はホントに大人なら持ってないとダメだな、と感動したもんだ。もう10年も前の話だけど…Oさん、元気でいらっしゃるかなぁ!
飲食店経営も、音楽事務所経営も一緒だよね。すべて目の前のお客さんの期待に値するものを提供し、信頼できるお客さんの信頼を維持する。やるべきことはそれだけだ。武道館や1,000人単位のホールを埋めるってんなら、あれこれ必要だろうが、そうじゃない限り,今の規模がいい。今のままが一番いい。
話題の人気店って予約取りにくいし一度行くと満足しておわりになる。好きな店は定期的に通うことがお店にとっても自分にとっても大切。/「予約の取れない店」が3年で閉店に追い込まれる理由 https://t.co/9ehvgho7K7— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2016年5月25日
音楽業界も似たようなもんだけど、飲食店経営も経営者が相当無理して続けてんだろうな、というお店が多い。みんな好きだから無理して起業する。そして多少大変でも続ける。閉店する理由は金銭的なこと。それさえ問題なく続けば、たぶんみんな延々と事業を続けていくのだろう。飲食店経営は表現活動にも似ている。音楽事務所経営も一緒かな。
こんなツイートも…
料理屋にとってはため息の出るようなお話。実際回りでも5年10年と続く店がいかに少ないか。 私ン処は行列ができることもなかったし、予約は普通に取れる店ですが、90年細々と続いている。。。理由は誰かに教えていただきたい。 @sasakitoshinao 3年で閉店に追い込まれる— 板前 (@benichi2215) 2016年5月26日
以前ここでもご紹介したと思うが、アイルランド料理研究家の松井ゆみ子さんのお父様が長く勤務されたメーカーを辞めるときに「受賞経歴もなく、ヒットもなく、無事に退職できました」みたいな内容の案内ハガキをいただき、かっこいいなぁ、と思ったもんです。
事業は何もなく普通に長く、ながーく続けるのがいい。若いときはヒットが出るのがかっこいいのだと思っていた。しかしそのためにはかなりの歪みや無理が要求される。いや、ヒットを否定しているわけではないですよ。今でもヒットがウチにやってきてくれるのであれば、「カモン!」である(笑)でも無理をしてまでヒットを見つければ、その代償は必ずどっかでやってくる。だから何もなく平坦なのがいい。
この意見にもうなずき。
@sasakitoshinao 飲食店経営の経験から申し上げると、話題の店へ色々行ってみたいという人は、その店を気に入ったかに関係なく、リピートより別の話題店へ行くことを選ぶ印象です。そういう層は料理などの写真を撮ることを好み、食事をしながらほかの飲食店の話をするのを好みます。— hisaya shiraki (@ekibasyanezu) 2016年5月26日
ウチのバンドも一緒だ。ウチのバンドの中には、ちょっと切り口がオモろいバンドもいるから、テレビに出てみれば、みたいなことを言われることが多い。「あのテレビにお宅のあれも出たらヒットするんじゃない?」
うむ。テレビねぇ…もしかしたらテレビ制作者のもとに日参したら、ウチみたいな弱小事務所にもテレビが取れるのかもしれない。でもそこまでして、それをしないのは、テレビを見て飛びつく人たちは、瞬間風速でしかないからだ。ものすごい苦労してテレビに出しても、現場も死ぬほど大変で……結果、テレビに出たとしても、それは瞬間風速でしかなく。テレビをみて自分の生き方選んでる人が、ウチのバンドをたまたまTVで見たとしても、そのあとに彼らが興味を持つのは、テレビで次に紹介されるバンドだからである。そういうのはウチのバンドには必要ないのだ。そういう継続しない興味は。
…なんてね。これはテレビが取れないものの「ひがみ」と思ってもらっても結構(笑)自分のペースで続けて,そして自分の生活と事業が成り立つのが一番。テレビや、媒体や、他の誰かに左右される人生は必要ないんだよ。
あ、これフェス参加にも言えるかも。ちょっとウチの公演が成功すると、すぐ「フジロックだ!」「サマソニに売り込んでみれば」みたいなアドバイスくれる人いるが(笑)フェスで出会ったお客は結局長くは続かない。フェスで話題になって消えてった「フェスだけ盛り上がり1発外タレ」のなんと多いことか。そういう例は巨万とある。やっぱりちゃんとした場所で、90分なりの公演のチケットをしっかり買って見てくれた人に、最高のライブを届けてこそ、お客さんが長くながぁ〜く着いてきてくれるのだ。
あ、でもフェスのプロデューサーの皆さん、ウチのアーティストもどうぞよろしくです!(笑)いらないって言ってるわけじゃありません。自分の筋肉ないのに、飛び道具用意しても結果出せない、ってのを言ってるんです。
…というのはさておき、実際、こういうざっくり言って「クライアントもの」って、向こうから話が来ないといい結果にならないのよ。私がやれることは営業ファイルもって、売り込みに走り回ることよりも、フェスや、文化施設の担当者の目にも止まるような、超おもしろいものを自ら発信し続けることだけだ。
これも考えさせられた。
@sasakitoshinao 父が薬店を昭和の時にやってました。当時、小学生だった私。「どんな小さな店に一回でも入ったら、どんな小さなものでも、買ってくるんだぞ。たとえ、道を聞きに入っても、ガムなど買ってきなさい。それが、お店への礼儀だぞ」という言葉。父の思いと通じるような。— ふく (@fukukurulife) 2016年5月25日
某企業さんの写真ロケ(in ダブリン)で急遽町中で椅子が必要になったことがあった。メアリーの事務所兼CD店が近かったので、みんなでそこに寄ってロケ用の椅子を急遽借りたのだが… そのとき、同行していた代理店の偉いおじさんが、さっとその場でCDを買ってくれたのだ。CDは10ユーロくらいだったし、ちょっとしたもんだったけど、すごく嬉しかった。別に椅子の1つや2つ、私とあそこの事務所の仲だったら、ぱっと借りることなんてヘでもない。でも、あぁいう気を使ってくえる感覚はホントに大人なら持ってないとダメだな、と感動したもんだ。もう10年も前の話だけど…Oさん、元気でいらっしゃるかなぁ!
飲食店経営も、音楽事務所経営も一緒だよね。すべて目の前のお客さんの期待に値するものを提供し、信頼できるお客さんの信頼を維持する。やるべきことはそれだけだ。武道館や1,000人単位のホールを埋めるってんなら、あれこれ必要だろうが、そうじゃない限り,今の規模がいい。今のままが一番いい。