頑張っているように見せるだけで、なぜか他人を傷つける?

SNSって難しいですよね。私はすべてのSNSは基本仕事と思ってやっているから、見ている人からは「お忙しそうですね」「頑張ってますね」とか言われる。そりゃ、そうだ。ここは仕事の宣伝の場だもん。頑張ってるところを見せなくちゃ、やってる意味ないじゃん。自分の事業にマイナスなこと書いて、なんのメリットがあるというのか。とはいえ,時々ブログに弱音を吐いちゃうけど…でも基本的にはいいところ見せなくっちゃ、誰もウチのアーティストを応援してくれないよ。

先日来日した某ミュージシャンなんかも、すごくSNSの運営が上手なのだけど、彼も言っていた。SNSなんて所詮ゲームなんだよ、と。この商売、本来はお客さんが、その音楽を好きかというシンプルな事に尽きるのだ。インターネット上の情報発信やSNSなんて単なる余興にすぎない。が、その余興が、今、おどろくほど世の中をルールしている、というのも事実であろう。ちょっとビックリしてしまうほどに。

確かに1,000人や10,000人集めるようなコンサートであれば話は別だと思うが、ウチがやっているような小さな公演は、SNSやインターネット上の情報が、動員を大きく左右する。SNSやブログをマメに更新していれば、それだけで仕事をしているように見られる。

でもって、最近知ったのだが、世の中には人が頑張っているのを見るだけで、落込む人もいるらしいのだ。何か発言すれば、ましては何か行動すれば、誰かを傷つけずには居られない…というのは自分でも分かっている事実だが「人が頑張っている」のを見るだけで、落込むって、いったいどういう事? であれば、SNSなんて見なけりゃいいのにとも思うんだけど。

確かに人が頑張るのを見るのが好きな人と嫌いな人がいるのは、理解ができる。私はどちらかというと前者だ。頑張っている人を見ると自分も頑張らなくちゃ、と思う。だからなるべく頑張っている人に会うようにもしている。でも多くの人は実は後者だということらしいのだ。そしてどちらかというと、他人が不幸な方が自分は元気が出る、という事らしいのだ。

ますます人が傷つくことを考えていたら、いつまでたっても何も出来やしない、というのを再認識する。何を言っても、どんな行動をしても、必ず誰かが傷つく。私は単に自分が頑張っているのをアピールしているだけ。だってそれが仕事だから。誰もあなたを相手に発信なんかしてなんかいないのに、ネガティブに捕らえる人は何でもネガティブに受け取ってしまう。しかもそれがインターネットというヴァーチャルな空間であるからなおさらに。

「SNSで暗ぁ〜い人が、実際会ってみたら普通の明るい人だ、というのは時々あるパターンだが、その場合は現実の姿の方を疑った方がいい…」というのをどこかで読んだ。本質的なものは、実は実像ではなく、ネット上の方に正しく反映されるらしい。私もそれは確かにそうかもしれない、と思う。つまり人間の本質は、妬み、ひがみ、悪意なのだ、と。それはインターネットのせいじゃない。たまたまインターネットで、人間の本当の姿が明かされただけなのだ。

が、SNSを見ている皆さん、他の人間が何かしているのを見てひがむ必要なんて1つもないですよ。冒頭にも書いたようにSNSなんて全部ゲームなのだ。ブログがほぼ毎日更新されて、SNSが更新されれば、それだけで何か盛り上がっているように見えるでしょう。が、そんな事よりも、ウチのお客さんには是非現実、実態を見てほしい。ウチで作る公演,良かったでしょ。この前のフルックとビル・ジョーンズも良かったでしょ。そこが大事なの。結局THE MUSIC PLANTが持ってる財産なんて本当にそれだけなんですよ。

あとヴェーセンのコンサートは毎回絶対に素晴らしいでしょ? 事実はそれだけ。だからそれを見て、って事なんですよ。



ヴェーセンも来日するTHE MUSIC PLANT20周年公演の詳細はこちら。この素晴らしい音楽を体験しに来てね。