読んだ…超ベストセラー。あっという間に読めちゃった。全然長いと感じさせない。それにしても久しぶりに読んだよ、フィクション。
最近はずっとノン・フィクションの迫力に圧倒されていたので、「お話し」ってのは、こんなに読むのが楽なもんか、と思って読んだ。これで長編なのか… あっという間に読んじゃったけど。
本屋に行くたびにこれが平積みされているので、気にはなっていた。俄然興味がわいたのは「羊と鋼の森」とは、ピアノのことなのだというのを知ってからだ。
まず職業で悩む人には読んでもらいたいかな。コツコツ行くしかない主人公。こういう初々しい職業意識みたいなものには、心を動かさずにはいられないだろう。これから就職する大学生にも絶対に読んでほしい。「好きなことを仕事にせよ」みたいなことは私も時々書くが、この本は、それをもっと優しく、やんわりと教えてくえるような気がした。本当にいろんなことを考えさせられる。職業とは「手がすっとのびてしまうような道ばたの花」って言ってたのは,誰だったっけか。そういう人間の直感的なものは実はすごく正しい。これが自分の何かだと思ったら、迷わずその路を行ってほしい。それは50歳のおばさんが若い人たちに言えるアドバイスだ。主人公とピアノの出会いも、本当に素敵だ。
とにかくこの本には綺麗な記述が多すぎる。ピアノに出会ってから、主人公は世界の美しいものを発見できるようになる。そこで出て来るおばあちゃんが作ってくれる「ミルク紅茶」の表現とか。あと音楽とは何か…ってのが、あちこちに出て来るんだけど、いろいろ感動させられたね。世界にはちょっとした周波数があって、それが共鳴するときに音楽が降りて来る、みたいな記述とか。(すみません、ちょっとうろ覚え)
あとピアノの調律師という職業に対する、主人公の、グルグルと考え悩む様子も良かった。コンサートホールの調律師と、家庭で弾かれているピアノの調律師の違いとか、調律師とはどうあるべきか(あ、また「べき」とか言っちゃった。この本そんな風には言っていません)とか… それぞれ個性的な調律師が集る事務所の様子とか。
世界的レベルの腕を持ちながら,地元に止まりそこで仕事をするベテラン調律師とか(社長が、それを素晴らしい事だ、と言うのがホントに素敵だった)。とにかく細部をじっくりと味わいたくなるような本だった。
いや、私も50になったから言えるけど、悩みコツコツする人は、いつか必ず自信を手に入れられるよ。だから大丈夫。
しかし綺麗な本だったよなぁ。もう一度読んで、綺麗なところをすべて書き出したいくらいだ。
本当に本は面白い。最近は音楽も素晴らしい作品が多いが、本のパワフルさは本当に最近すごいと思っている。出来る事なら早く仕事を引退して1日中,本を読んですごしていたい、と思うのだった。
PS
ちょっと書き出してみた。
「この仕事に,正しいかどうかという基準はありません。正しいという言葉には気をつけた方がいい」
「ピアノに出会うまで美しいものに気づかずにいた。知らなかった、というのとは少し違う」
(「僕」の人生で一番だめだった日に先輩が「僕」に向って)「きっとここから始るんですよ」
最近はずっとノン・フィクションの迫力に圧倒されていたので、「お話し」ってのは、こんなに読むのが楽なもんか、と思って読んだ。これで長編なのか… あっという間に読んじゃったけど。
本屋に行くたびにこれが平積みされているので、気にはなっていた。俄然興味がわいたのは「羊と鋼の森」とは、ピアノのことなのだというのを知ってからだ。
まず職業で悩む人には読んでもらいたいかな。コツコツ行くしかない主人公。こういう初々しい職業意識みたいなものには、心を動かさずにはいられないだろう。これから就職する大学生にも絶対に読んでほしい。「好きなことを仕事にせよ」みたいなことは私も時々書くが、この本は、それをもっと優しく、やんわりと教えてくえるような気がした。本当にいろんなことを考えさせられる。職業とは「手がすっとのびてしまうような道ばたの花」って言ってたのは,誰だったっけか。そういう人間の直感的なものは実はすごく正しい。これが自分の何かだと思ったら、迷わずその路を行ってほしい。それは50歳のおばさんが若い人たちに言えるアドバイスだ。主人公とピアノの出会いも、本当に素敵だ。
とにかくこの本には綺麗な記述が多すぎる。ピアノに出会ってから、主人公は世界の美しいものを発見できるようになる。そこで出て来るおばあちゃんが作ってくれる「ミルク紅茶」の表現とか。あと音楽とは何か…ってのが、あちこちに出て来るんだけど、いろいろ感動させられたね。世界にはちょっとした周波数があって、それが共鳴するときに音楽が降りて来る、みたいな記述とか。(すみません、ちょっとうろ覚え)
あとピアノの調律師という職業に対する、主人公の、グルグルと考え悩む様子も良かった。コンサートホールの調律師と、家庭で弾かれているピアノの調律師の違いとか、調律師とはどうあるべきか(あ、また「べき」とか言っちゃった。この本そんな風には言っていません)とか… それぞれ個性的な調律師が集る事務所の様子とか。
世界的レベルの腕を持ちながら,地元に止まりそこで仕事をするベテラン調律師とか(社長が、それを素晴らしい事だ、と言うのがホントに素敵だった)。とにかく細部をじっくりと味わいたくなるような本だった。
いや、私も50になったから言えるけど、悩みコツコツする人は、いつか必ず自信を手に入れられるよ。だから大丈夫。
しかし綺麗な本だったよなぁ。もう一度読んで、綺麗なところをすべて書き出したいくらいだ。
本当に本は面白い。最近は音楽も素晴らしい作品が多いが、本のパワフルさは本当に最近すごいと思っている。出来る事なら早く仕事を引退して1日中,本を読んですごしていたい、と思うのだった。
PS
ちょっと書き出してみた。
「この仕事に,正しいかどうかという基準はありません。正しいという言葉には気をつけた方がいい」
「ピアノに出会うまで美しいものに気づかずにいた。知らなかった、というのとは少し違う」
(「僕」の人生で一番だめだった日に先輩が「僕」に向って)「きっとここから始るんですよ」