マッケンジー・ファンク「地球を売り物にする人たち」を読みました


タイトルに惹かれて速攻買った。帯のコメントもいい。「北極が解ければ、もっと儲かる」そうなのだ。地球温暖化で、氷の下から出て来る出て来る石油や鉱物類が。そして、いよいよ開通する北西航路。今、グリーンランドは、そんな理由で、かなり注目されている。かなり分厚い本なのと、時間がないので最初の章とグリーンランドのところだけ読んだ。

驚愕なのは…と言うか読む前から分かってた事なのだが「もう温暖化は止められない」という前提で物事が(ビジネスが)進んでいることだ。お金持ちで資本を持っていて頭のいい人たちは「温暖化の影響は必ず来る」と断言している。それはもう絶対なのだ。もうそこから未来を考えて行くしかないのだ。っていうか,今、もうすでに影響来まくってるし! 北極の氷が溶け、北海道はマイナス24度を記録した。もうすぐ地球は終る。最近じゃ南極のシーアイスにまで影響が出ているそうじゃないか。

グリーンランドの役人たちが、国民の声を聞くヒアリングをしている様子がレポートされる。それぞれの集落を訪ね国民の声を集めて行く作業に、作者は同行したようだ。とても興味深かったが、この本が書かれたのは、すでにかなり前。状況はまた更に進んでいるので、内容が古い。その点がちょっと不満かな。私が読むのが遅かった。

数ヶ月前、ついに北西航路をカナダの船が通過した。もう氷が溶けて普通の船が通れるようになったのだ。これから地球はどんどん変わる。そして資本を持った頭のいい連中は、そんな北極でまた1財産築き上げるのだ。


ナヌークが撮影したグリーンランド南部のこのエリアも、現在ウランが発見されて大変な騒ぎになっている。果たして発掘を進めるのか…自然を守るのか。地元の住民の意見も割れている。そんな自分の国に対するメッセージをこめて、映像はその問題の地で撮影された。

残念ながら、たとえすごい鉱物が出たとしてもグリーンランドにはそこに投下する資本がない。結局は大国にいいように振り回され、何も出なくなったところでポイと捨てられるのは目に見えている。が、経済活動が必須の現代において、また暮らしが厳しいグリーンランドにおいて、お金はいくらでも必要だ。一方で犬ぞりなど北に存在する旧来からのイヌイット文化は壊滅的な打撃を受けている。

ICE STATION是非注目してくださいね。
featuring ナヌーク、カート・ブロック、ピーター・バック、スコット・マッコイ、マイク・ミルズ、リンダ・ピットモン、スティーヴ・ウイン

2月7日 京都磔磔
2月9日、10日 渋谷WWW
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