まったく大変申し訳ございません。本来なら15歳くらいの時に読んでなきゃいけない本を50にしてやっと読みました。
気になってはいたんですよ。名著中の名著だし… あと子供の頃、私が東京に行くと行ったら(といっても、1人で東京に行っていたのだから高校にはなってたのかも)父親がこれを買ってこいといって、メモを渡してきた。そして買ってきたのがこの本だった。たぶん昔のヴァージョンだったんだろうが、子供ごころ(高校生ごころ)に「なんかすごそうな本だな」と思ったのだった。だからタイトルとか、やたら鮮明に覚えていた。
で、なんで急に思い立って、今さらこの本を読んだのかというと、たまたまお風呂で読む本がなく積ん読の棚をみたら、これが一番上に乗っかっていたからなのだ。もういつ買ったものだか記憶すらない。そのくらい長く積ん読されていた本。でもって、最近、わたしも極地とかそういうのに興味を持つようになって、人間のそういう極限状態ってのに興味がわいているんだ…。だから引き寄せられるように、積ん読本約100冊の中から、この本を手にとった。
読んでみれば,ポップな文体とは言えないものの、まったく読みにくくはない。そして長過ぎないのがいい。これは重要ですよ。いくら名著でも長過ぎると、やっぱり集中しないで終ってしまうことが多いんだ。そして…そして,この本は、いやはやなんとも…めっちゃパワフルな内容でした。内容がとにかくものすごい。すごい本ですよ、これ。若い時に読んでたら,「沈黙」と同じくらい、すごいショック受けてただろう。もちろん今,読んでもすごいけど。そして意外とあっという間に読み終えちゃうから、本を読むのが苦手な人も是非読んでみて。とにかく無駄な事は何一つ書いていない。そして出来れば,もう一度,今度は蛍光ペンを持って読みたいところだ。そのくらい研ぎすまされた本だった。
ダッハウの町は行ったことがある。ドイツの黒歴史の町。
ここには戦争の惨めさ、ナチの酷さが綴られているのだが、それ以上に人間の強さ,美しさ、凄さが、めっちゃパワフルに描かれているのだ。
人間は人生から問いかけられている。どんなにあなたが人生に絶望しようとも人生があなたに絶望することは決してない。うーん、パワフルなメッセージだ。
読んだ事ない人は、一応読んでおいた方がいいでしょうね。読まずに死んでしまうのは、ちょっと惜しい気がする。この本は、普通に平和の中にボケボケ生きている人にもカツをくれる。でも決して厳しくはない。そういう本ですわ、これ。全人類必読の書。すみません、オイラったら、今ごろ読んで。