やっと観ました。「ラ・ラ・ランド」
ネット上でこの作品が傑作か、駄作かという論争が起きていた最中に、自分もそれに参戦し、このブログのアクセス数を稼ぎたいと思っていたのだけれど、そんな時間はとてもじゃないけどなかったのだった…。ICE STATIONやってた時だったっけか? そして昨日やっと観た。
間違いなく気になる作品ではあったのだ。来週に予定されている久々の海外出張前に自分が乗る飛行機の機内放送で上映されているのを確認し、それで観ればいいやと思っていた。そしたら、某信頼出来る筋から「野崎さん、あれは大きなスクリーンで観ないと分らないですよ」と注意され、そうか、大きなスクリーンで観ないで文句を言うのも申し訳ないなと思い(早くも見る前から臨戦態勢)、しっかり映画館で観なくちゃと思っていたら、たまたま昨日予定されていた午後からのアポが午前中に急にリスケされ、都心で5時間くらい時間がドーンと空いちゃった日には(ウチの事務所は超不便な場所にあるため、こういう時、机に戻ろうとはならない)、映画でも観ようかということになり、ついに観てきたのだった。すみません、説明が長かったね(笑)
…でもそのくらい「わざわざ見たくて観に行ったのではありません」と言いたくなるような映画になることは、なんとなく予感していたのだ。何というか「こんな大ヒット作、わざわざお金払ってみませんよ」的なスタンスでいたかった。もともと天の邪鬼な私の性格。加えて割と私が信頼している筋から「駄作だ」的な声の方が大きかった。だから,私もそっちにならってみたかったのだ。でも一方で絶賛している友達は「もう●回みちゃった!」とこの作品を絶賛するのだから、本当に人の意見というのは面白い。ヒット作というのは、こういう作品のことを言うのだろうか。意見まっぷたつ!?みたいな。誰もがこの映画について語りたくなり、自分の立ち位置を確認したくなる。友達に会ったら「あなたはどう思った?」と確認したくなる。そんな作品であることは間違いない。
観てみたら、すぐ分かった。この映画、嫌いな人が嫌いだという理由は、とても分かりやすい。なぜって、この映画は主人公たちの気持ちがまるで描けていないからだ。それでも俳優たちの演技が素晴らしいから、かろうじてストーリーに気持ちは付いていくのだが、こんなに主人公に感情移入できない映画も珍しいくらいだと私なんぞは思う。(それとも私が冷たい人間なんだろうか)
それでも最後のオーディションのシーン(パリの伯母さんの話)あたりから、彼女の方にぐっと気持ちは傾く。あのシーンは良かった。でもその後の成功したあとの彼女の(ホントに素晴らしい演技。歩き方でどのくらい成功しているのかが分かる)の、あの醸し出す空気は妙に一貫していない…。というか、これでは女の人生や気持ちの変遷をきちんと描けていないのでは?と思ったのよ。
そして夢をかなえたあとの彼(…と言っていいと思う。でもおどろくほど多く人が彼女は成功したけど彼は失敗したと映画の内容を受け取っている事にも驚愕する)。そちらにも、一貫したものがまるでない。
加えて使われている音楽に何も新しいところはなく、ジャズがポップスだったころの古くさい感じ。今、メジャーにはないかもしれないけど、いろんなところにかっこいいジャズはいくらでもある。いったいこれいつの時代の話? 俳優たちのヴォーカルもけっしてピッチがビシッと決まった上手い歌というわけではなく、妙に古くさいものばかりだ。(が、それが素晴らしいという説もある。それも理解できる)
そんな主人公たちに「ジャズは死んだ」とか言わせちゃって、ケニーGがどうした、音楽はどうこうとか、これは本物のジャズなのとか語らせるわけだから、音楽を大切に思っている人たちが、この映画を観ていてカチンと来るのは、非常に理解できるのだ。
でも一方で、誰だったか忘れたが私のfacebookのウォールで「母をこの映画に連れて行ったら、ものすごく楽しめたらしく、とても喜ばれた」と言っていたのにも非常に頷ける。往年の映画作品は、こういうストーリーがシンプルで展開が分かりやすいものが多かった。また映画おタクでない私は分からないのだが、本作にはこの監督得意の過去の名作へのオマージュも多くちりばめられていると聞く。とにかく異様に分かりやすい映画であることは事実だ。
でもミュージカルという意味では「ジャージー・ボーイズ」の方が圧倒的に上。あぁ「ジャージー・ボーイズ」は本当にいい映画だったよなぁ!! また見たくなる。そうミュージカルは何度でも観たくなるのだ。
いずれにせよ間違いなく、この映画を見れば、人と語りたくなる。そして私も国際線に乗っていて頭使いたくない時に、機内放送でこれを再度見ちゃう可能性は高い。ついに「Mrs Doubtfire(ミセス・ダウト)」以外にも、機内放送のチャンネルに間違いなく入っていて、かつ頭使わず、途中から見てもストーリー覚えているくらい気楽にリピートできるものが出来たか?!と思う。
それにしても交通渋滞に始まり、交通渋滞で終る構成といい、話題になったワンカメのオープニングといい、話の展開などは本当に見事だと思う。それは認めざるをえないかもしれない。いや,逆にそういう器用なところが、嫌いな人にとっては、鼻につくのかもしれない。あぁ!! 先日のケン・ローチの作品と、なんと対局にあることよ!!!
それにしてもLAって、ホント好きじゃないわ…。私が今まで行った町で明らかに一番嫌いな町だ。3回くらい行っていると思うけど、おそらく二度と行かないだろう。私にはすべてが大味でハリボテのようにしか見えないヘンな町だ。ウェイトレスはみんな女優志望で、バーテンダーはみんな脚本家や監督志望だ。ポール・ブレイディの歌であったよな。そんなのが… それを思い出した。それがLA LA(Los Angeles) LANDなのだ。
ネット上でこの作品が傑作か、駄作かという論争が起きていた最中に、自分もそれに参戦し、このブログのアクセス数を稼ぎたいと思っていたのだけれど、そんな時間はとてもじゃないけどなかったのだった…。ICE STATIONやってた時だったっけか? そして昨日やっと観た。
間違いなく気になる作品ではあったのだ。来週に予定されている久々の海外出張前に自分が乗る飛行機の機内放送で上映されているのを確認し、それで観ればいいやと思っていた。そしたら、某信頼出来る筋から「野崎さん、あれは大きなスクリーンで観ないと分らないですよ」と注意され、そうか、大きなスクリーンで観ないで文句を言うのも申し訳ないなと思い(早くも見る前から臨戦態勢)、しっかり映画館で観なくちゃと思っていたら、たまたま昨日予定されていた午後からのアポが午前中に急にリスケされ、都心で5時間くらい時間がドーンと空いちゃった日には(ウチの事務所は超不便な場所にあるため、こういう時、机に戻ろうとはならない)、映画でも観ようかということになり、ついに観てきたのだった。すみません、説明が長かったね(笑)
…でもそのくらい「わざわざ見たくて観に行ったのではありません」と言いたくなるような映画になることは、なんとなく予感していたのだ。何というか「こんな大ヒット作、わざわざお金払ってみませんよ」的なスタンスでいたかった。もともと天の邪鬼な私の性格。加えて割と私が信頼している筋から「駄作だ」的な声の方が大きかった。だから,私もそっちにならってみたかったのだ。でも一方で絶賛している友達は「もう●回みちゃった!」とこの作品を絶賛するのだから、本当に人の意見というのは面白い。ヒット作というのは、こういう作品のことを言うのだろうか。意見まっぷたつ!?みたいな。誰もがこの映画について語りたくなり、自分の立ち位置を確認したくなる。友達に会ったら「あなたはどう思った?」と確認したくなる。そんな作品であることは間違いない。
観てみたら、すぐ分かった。この映画、嫌いな人が嫌いだという理由は、とても分かりやすい。なぜって、この映画は主人公たちの気持ちがまるで描けていないからだ。それでも俳優たちの演技が素晴らしいから、かろうじてストーリーに気持ちは付いていくのだが、こんなに主人公に感情移入できない映画も珍しいくらいだと私なんぞは思う。(それとも私が冷たい人間なんだろうか)
それでも最後のオーディションのシーン(パリの伯母さんの話)あたりから、彼女の方にぐっと気持ちは傾く。あのシーンは良かった。でもその後の成功したあとの彼女の(ホントに素晴らしい演技。歩き方でどのくらい成功しているのかが分かる)の、あの醸し出す空気は妙に一貫していない…。というか、これでは女の人生や気持ちの変遷をきちんと描けていないのでは?と思ったのよ。
そして夢をかなえたあとの彼(…と言っていいと思う。でもおどろくほど多く人が彼女は成功したけど彼は失敗したと映画の内容を受け取っている事にも驚愕する)。そちらにも、一貫したものがまるでない。
加えて使われている音楽に何も新しいところはなく、ジャズがポップスだったころの古くさい感じ。今、メジャーにはないかもしれないけど、いろんなところにかっこいいジャズはいくらでもある。いったいこれいつの時代の話? 俳優たちのヴォーカルもけっしてピッチがビシッと決まった上手い歌というわけではなく、妙に古くさいものばかりだ。(が、それが素晴らしいという説もある。それも理解できる)
そんな主人公たちに「ジャズは死んだ」とか言わせちゃって、ケニーGがどうした、音楽はどうこうとか、これは本物のジャズなのとか語らせるわけだから、音楽を大切に思っている人たちが、この映画を観ていてカチンと来るのは、非常に理解できるのだ。
でも一方で、誰だったか忘れたが私のfacebookのウォールで「母をこの映画に連れて行ったら、ものすごく楽しめたらしく、とても喜ばれた」と言っていたのにも非常に頷ける。往年の映画作品は、こういうストーリーがシンプルで展開が分かりやすいものが多かった。また映画おタクでない私は分からないのだが、本作にはこの監督得意の過去の名作へのオマージュも多くちりばめられていると聞く。とにかく異様に分かりやすい映画であることは事実だ。
でもミュージカルという意味では「ジャージー・ボーイズ」の方が圧倒的に上。あぁ「ジャージー・ボーイズ」は本当にいい映画だったよなぁ!! また見たくなる。そうミュージカルは何度でも観たくなるのだ。
いずれにせよ間違いなく、この映画を見れば、人と語りたくなる。そして私も国際線に乗っていて頭使いたくない時に、機内放送でこれを再度見ちゃう可能性は高い。ついに「Mrs Doubtfire(ミセス・ダウト)」以外にも、機内放送のチャンネルに間違いなく入っていて、かつ頭使わず、途中から見てもストーリー覚えているくらい気楽にリピートできるものが出来たか?!と思う。
それにしても交通渋滞に始まり、交通渋滞で終る構成といい、話題になったワンカメのオープニングといい、話の展開などは本当に見事だと思う。それは認めざるをえないかもしれない。いや,逆にそういう器用なところが、嫌いな人にとっては、鼻につくのかもしれない。あぁ!! 先日のケン・ローチの作品と、なんと対局にあることよ!!!
それにしてもLAって、ホント好きじゃないわ…。私が今まで行った町で明らかに一番嫌いな町だ。3回くらい行っていると思うけど、おそらく二度と行かないだろう。私にはすべてが大味でハリボテのようにしか見えないヘンな町だ。ウェイトレスはみんな女優志望で、バーテンダーはみんな脚本家や監督志望だ。ポール・ブレイディの歌であったよな。そんなのが… それを思い出した。それがLA LA(Los Angeles) LANDなのだ。