今朝は有名なロック・シンガーの自殺のニュースが飛び回り、業界内を暗雲がたれこめているのだが…。うーん、ステージで輝く人ほど影というか暗黒面も濃いのだわな…きっと。しかし41歳だったとか。家族もお子さんもいたのだという。残された家族、関係者の気持ちを思うに、察してあまりあるものがあるわ… 私が何を知っているわけではないが、ご冥福をお祈りいたします。これとか読むと泣けてくるね。Well, I do...
そして才能に恵まれている人は、その才能を活かし続けていかなければ,いや上手く行かし続けていくことが出来たとしても、あっという間にそんなダークサイドの捕われてしまう。
さて映画「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」を観ました。文化村の映画館にて。文化村って、今でも熊川哲也さんが芸術監督なのだっけか? バレエものが優遇されているよね。文化村でバレエ映画、ともなればヒット間違いなしだと思うが、これもそういう展開らしい。平日昼間の映画館はけっこう混んでいた。
ドキュメンタリーなのだけど、この天才ダンサー:ポルーニンはヌレエフの再来と言われていたのだという。ヌレエフ…って誰?というバレエ音痴なわたくし…。ググったらこんなのが出て来た。跳躍が高い!! 軸が決まってる! すごい。
この方は1930年代生まれのロシアの方なのだそうだが、映画の主人公であるポルーニンはウクライナ出身。現在英国のロイヤル・バレエに最年少でプリンシパルとなり、人気のピークで電撃退団。それが2012年。天才ゆえの苦悩を描く…というそういう映画。しかし普段はあまりバレエ映画とか観ない私であるが、なんでこの映画に興味を持ったかというと、この映像が強烈に焼き付いていたからなのだった。
アイルランドから出て来て世界的ヒットとなりグラミーにもノミネートされたHozier(ホージアとカナ書きされているが、私はホジエと呼んでる)の大ヒット曲「Take Me To The Church」の、この映像は見た時は衝撃だった。アイルランドでも結構なニュースになっていた。すごいなぁ!と。だからこの映画/ダンサーにも興味を持ったのであった。Hozierは、もともとはアヌーナにも在籍してたんだよ。知ってた? 自慢じゃないけど、私はこのブログで彼のことをすでに2014年の春には紹介してる。
なのでこのすごいダンス・クリップの裏話が知りたかったのだ。いったいどういう経緯でこのクリップを彼は作ったのだろうか、と。平日の、アポの時間が変更になり、ぽっかりあいた都心での3時間を埋めるのは映画に限る。ほんとは恵比寿でやってるアイスランドものを観ようと思っていたのだが、急遽文化村へ。
果たして映画は面白かったけど、正直ドキュメンタリーとしてのパンチには、ちょっと欠けるかな…と思った。ただ彼の踊りは最高に素晴らしいですよ。それを観るだけでも価値があります。でもこの「Take me〜」よりも、古典踊っているときの「凛々しさ」みたいなのが良かったかな… ま、素人意見ですが。
それにしてもまたこの映画でこれほどフィーチャーされているHozierだが、今だに日本ではDLの販売だけのようである。映画はヒットしているようだが、それだけではダメなんだ。うーん、音楽業界は厳しい。
さて肝心の映画だが、正直テレビで観るドキュメンタリーなら問題なかったが、映画にするのにはちょっと説得力にかけるかも? もちろん彼のファンであれば、もうよだれものの内容でしょうけど。
そして宣伝用のパンフレットに並ぶ、いつもの有名人の映画に対するコメント。あれこれ読みましたが,今回は有吉京子さんのコメントが良かったな。「ああ…もっと彼の踊りを見ていたい1分1秒でも長く…!」っていうのに共感かな。ダンスそのものが素晴らしく、とにかくそれを観ていたかった。
…と、まぁ、天才に対し世間は厳しいのだ。そして美味しいところだけいただき(この場合はダンスだけ賞賛し)彼のひととなりにはあまり興味がない。でもそういう好奇の視線にさらされながら、いやさらされるからこそ本人はダークサイドに落ちていってしまうのだな…と。そんなことも考えたのでした。
しかし才能に恵まれた人が、例えば「踊ること」『演奏すること」「演じること」以上に何かを必要としている、というのは非常に理解できる。そうやって、彼等は自分の才能と戦っている。「〜のために」と思わないと踊れない。そういう芸術家の弱さ=美しさなのだ。
いや〜よく出来た予告編だと思う。キャッチや写真の選び方もホントに上手い。アップリンクさん、さすがだわ…。
そしてちょっとググってみたら、彼の取材滞在記が出て来た。こんなアーティで内面的な人なのに、こんなにプロモーションしないといけないのか!!!?とちょっと驚愕。っていうか、彼、朝のテレビで踊るのアリなんだ?! 映画の彼となんかだいぶ違うように見えるけど!? しかし…みんな、プロモーションすごいな… もっともこのくらいやらないとヒットは作れないのかもしれない。文化村=バレエ映画でさっくりヒット?じゃダメなんだ…。
PS
映画の前に入った文化村のカフェ。フレンチ・カフェでコースターにヘミングウェイの言葉というのも良いが… これ正しい? 詳しい方、教えて。間違っているとしたら天下の文化村がこれじゃいかんだろう…と思うのだが。
a way of ending the dayだよね、これ… pic.twitter.com/pWk2ZG1HcQ— 野崎洋子 (@mplantyoko) 2017年7月19日