トルコへ行っていて留守の間に届いていた本の中に、ドニー・アイカー著『死に山 世界一無気味な遭難事故≪ディアトロフ峠事件≫の真相』(河出書房新社)を発見、旅の荷物の片付けを中断して貪るように読んでしまった。こんなにスリリングで面白いミステリ・ノンフィクションを読んだのは久しぶり。— 高野秀行 (@daruma1021) 2018年9月3日
この本、非常に面白く読んだ。経験を積んだ登山パーティの異様な末路の謎は…ということに迫ってるんだけど、まさかこんなことがあるなんてという結末。/『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ https://t.co/RF5IiYGAdA pic.twitter.com/SBxUe5XsMC— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2018年9月8日
高野秀行さんがツイッターで絶賛されていたドニー・アイカー『死に山』(河出書房新社)読了。約60年前に謎の遭難死した学生パーティの視点とそれを捜査した人たちの視点と現代になって調査する著書の視点から真実に迫っていく構成がまるでミステリ小説のようで読み始めたらノンストップ。面白かった! pic.twitter.com/VTnBEPxnuK— 杉江由次 (@pride_of_urawa9) 2018年9月13日
信頼できる筋から大絶賛の嵐である『死に山』。やっと読みました。というか、ずいぶん前に買ってあったものを着手。読み始めたら止まらなくなった。2日で読了。いや〜 すばらしすぎる。
なんといってもこの本、装丁がいい。内容に忠実でヘンにポップで市場に媚びた装丁じゃないのが、いい。2,000円越えの値段は編集者がホントに嫌がるのだろうだけど売れる本というのは高くても売れるのだ。確かに細かい最後の年表や詳細な謝辞を飛ばしたら安く作れただろうに、それをしなかった。偉い!
デザインの細部に愛情が見られる。素晴らしい。
ページを開いてもとってもポップで雑誌を読んでいるようだ。写真も多い。
亡くなった9名と最後まで一緒だったメンバー。合計10名の若者たち。
冷戦下のロシア。トレッキング中に謎の死をとげた9人の若者たち。苦労を重ねた取材の果てに、50年代当時の科学では導くことのできなかった結論に著者はたどりつく。今までオカルトや、興味本位だけの都市伝説的に語られてきた事件に著者がしっかり向き合っているのが素晴らしい。ちゃんと現地へ行き、取材を重ね、ロシア人たちとのコミュニケーションに苦労を重ねていく。本にはトレッカーたちの視点、捜索隊の視点、著者の視点と3つの視点があり、それが臨場感を誘う最高の構成力。訳も分かりやすくスイスイ読める。
『死に山』感想をググるとタイトルが良くないとか(このタイトルが絶品なんじゃん! 分かってないな…)、結論がおもしろくないとか(大抵の場合、事実はそういうものなのです。派手なことなど1つもない)、3つの構成が読みにくいとか(あの構成が素晴らしいんじゃん!)分かってない文句が多すぎ。
確かにこの事件の謎の解明がこれで100%出来たのかというと、私にも分からない。でも、私は今はこの結論でいいと思うし、これを私は信じる。私はそれでいい。最後の28章は圧巻なのは、やはり著者が映像作家だからなのか? それにしても頑張ったね。
J-WAVE、BOOK BARの大倉先生も推薦!
本のトレイラー(著者登場)英語