ヴェーセン、アメリカ・ツアーの危機… うーん,頑張れ!! フォースを送る。

ミッケ!





昨晩、騒ぎになったヴェーセン。

もうすぐアメリカ・ツアーが始まるヴェーセンの、ヴィオラのミカエル・マリン(通称:ミッケ)のアメリカ・ビザが降りなかったという話です。びっくり。

上記のごとく英国の名門業界誌:fROOTSでおなじみのアンドリュー・クロンショー先生が速攻でミッケのメッセージを一般の方の英訳をもとに紹介していました。

「4月1日月曜日。ミカエル・マリンが、スウェーデンの伝統音楽グループ、ヴェーセンのツアーのためのビザ(労働許可証)がおりていない、ということをフェイスブックに書きました。ツアーは4月5日から始まります。他のウーロフとローゲルのビザは降りています。

ミカエルのビザは拒否されたこということではなく、悪名高いDS-5535 "Supplemental Questions for Visa Applicants"というフォームを書かなくてはいけない、ということなのです。トランプ政権下で「見えない壁」と言われたものです。もともとテロ組織が多く発見されるハイリスクな国から来た申請者に使われるものでした。最近では、予測できない方法で使われているようです。
質問の内容は広範囲に及ぶもので、過去15年間に渡る渡航歴、それぞれの経済状況などが問われており、最悪なことに申請には6ケ月から1年以上かかるものと言われています。


ミカエルは過去20年間、アメリカを問題なくツアーしており、彼だけがなぜこのフォームを書かないといけないのか,理由が与えられていません。彼がソーシャルメディアで活動的に左寄りの思想を表現していたりトランプに批判的なことを発言したのかもしれない。それは誰にも分かりません。

ミカエルと,彼のバンドメンバー、そしてスウェーデンの音楽輸出協会は、彼らが出来ると思われるすべてのことを行ないましたが、現状、DS-5535のカテゴリーに置かれたものに、これを打破する方法はありません。ミカエルは、これは彼が若い頃、旅したソビエト連邦の官僚たちの態度に似ている、と発言しています。

ウーロフとローゲルはいずれにしてもアメリカに飛び、この公演をキャンセルしないで行なうと決めた会場のみ演奏することになります。年内、ヴェーセンのツアーが再びアメリカで予定されていますが、こちらは完全にキャンセルになるかもしれません。そしてヴェーセンがアメリカに二度と戻らないということもありうるのです」

うーん、そうか… そうなのか?

と思っていたら、今朝になってヴェーセンのアメリカのレコード会社であるNorth Sideのロブ・サイモンズ社長のコメントが出たので、こちらを公式なものとして、紹介します。



「ヴェーセンの今週末から始まるカリフォルニアで行なわれる30周年のアメリカツアーですが、デュオとして演奏することになりそうです。ヴィオラのミカエルのビザ(労働許可)がまだ降りていません。彼のケースは、現在文書処理の途中にあり、分からない理由でどのくらい時間がかかるかが見えていません。これはとても我慢が出来ない事であり、不運なことですが、いくつかのポイントを指摘しますと…

(1)これは絶対に「拒否」された、という事ではありません。彼のビザは許可されるべきであるのですが、これがいつになるのかが分かりません。とはいっても、これは時間が問題の案件であります。彼らのビザの申請者として、今回の4月のツアーを通常よりも早めに申請すれば、妨げられた問題だったのかもしれません。

(2)"Administrative processing(管理処理)"は、2001年、911のあとにすぐ始まったもので、真実をお伝えすると、共和党/民主党にどちらにおいても一般的でした。

(3)30年以上、ヴェーセンはいろんな状況下で演奏してきました。中には不本意な演奏もあったかもしれませんが、この音楽をウーロフとローゲルのデュオとして演奏することは同じではありません。しかしこれが聴くにあたいする価値のあるものだということも間違いありません。 何年か前、ウーロフとミカエルがアメリカ北西部をデュオとして演奏したことがありました。これはローゲルの家族に緊急事態が発生したためです。今回はこれとは状況が違うということには、感謝しています。正確に言えることは、私たちが直面しているアメリカの就労ビザのプロセスと源泉徴収の仕組みは、アメリカの住人ではないが、その才能を分かち合うために、ここに来ようとしている人たちにとって励みにならない、ということです。アメリカに住んでいる私たちが、この事によって、いったいどれくらい恩恵を受けると言えるのでしょうか」

しかし、まぁ、人ごとではないですね。ビザの問題はホントにあります。小さなプロモーターの中にはビザを取らないで来日させて公演を行っているところもあるようですが、ウチは必ず取得してきました。お金も手間も確かにすごくかかるけど… それが海外から来てくれるミュージシャンに対する敬意というものですよ… っていうか、基本中の基本。そして確かに韓国系のエンタテイメントは取りにくい、って話も聴いたことがあります。あとブラジルはホントに不可能とか…

そしてアメリカでいろいろあるのも知っていました。今までもアメリカのビザが降りなくて、日本にいる私なんぞがバンドのために推薦状を書いたり、パブリシティのコピーを送ってあげたり…いろいろしたことがありますが… 

正直、日本は来なくてもね、彼らの生活やバンドの持続には関係ないだろうけど、アメリカがなくなったらホントウに困ります。アイルランドや北欧や、他のワールドミュージックもアメリカという移民の国の経済が支えている部分は本当に大きい。これは悔しいけど、認めないといけない。

なんとかならないでしょうか… もしかしたら署名運動とか始まるかも。そしたら皆さんにも協力いただくことになると思い、ここに書いておきます。

ミッケやウーロフやローゲル、そしてロブ社長の気持ちを思うに、ほんとに辛いです。みんなにフォースを送るよ。でも二人だけでも行くと決めたのは良かった。大変だろうけど… でも、そうそういつだっか、アメリカのツアー中に、ローゲルの家族のことで緊急帰国とかあったわな… あの時もホントにドキドキしたけど。あれは確か最後の2、3本だけだったし… 結局家族にも大事はなく、大丈夫だったからホッとしたんだけど…。

ツアーキャンセルは、ホントに辛い。関係者一同、みんな、すっごくプロモーションとか頑張ってたし、30周年のCDも出来ているわけだから… 取りあえず二人だけでも行った方がいいね。頑張れ、ヴェーセン。うーん、しかしこれは大きな問題だよな…

とはいえ、私の仕事は日本でCDをしっかり売って、彼らの活動を経済的に少しでも支えることだと思う。CD、たぶん明日明後日くらいにはここ到着だと思います。 この週末に発送予定。

なおロブ社長のホームページにて、新譜から3曲聞けます。「台風のざき」も聞けるよ。みんなでヴェーセンの3人にフォースを送ってください。





PS
そしてミッケのビザですが、そしてアメリカツアー終了後、降りたのでした… ありえないわ…