ピーター・バラカンさんによるマズルカ・フェスティバル・レポート


 「オリジナルのマズルカは、実にワイルドです。基本は三拍子だけど、アクセントの位置が変わったり、複雑なオブリガートが加わったりする。メロディは大抵、フィドルかアコーデオンによって奏でられるのですが、それも小節のラインをまたがっているため、聴いているとどこが拍子のアタマだったのか分からなくなるんですね。まるで変拍子のようにも聞こえる不思議な音楽で、それを聴きながらみんなが踊っているという(笑)。ヨーロッパのフォーク・ミュージックなので、踊りは基本的に男女1組です。ステップ自体はシンプルだけど、結構細かく動くんですよね。男女で腕を組み、クルクル回転しながら踊っている。僕も試してみましたが、難しすぎて断念しました(笑)。一体どうなっているんだろう? と、最初は驚きの連続でしたが、聞いているうちに段々ハマっていきます」

「ちょうど今年は日本とポーランドの国交樹立100周年で、そういう機会でもなければ農村マズルカのような音楽を得意とするミュージシャンの招聘は難しかったと思います。ポーランドは戦中、ナチス・ドイツに占領され、戦後はスターリンによって共産圏に取り込まれるなど、様々な試練がありました。今回、実際に行ってみて分かったのですが、ポーランド人は“自由”と“独立”を何よりも重んじる国民性なんです。冒頭も言ったように、6月28日から映画『COLD WAR あの歌、2つの心』も公開されますし、この機会にポーランドの文化についてたくさんの人たちに興味を持ってもらえたら嬉しいです」

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<ヤヌシュ・プルシノフスキ・コンパニャ来日公演>
6月8日(土)武蔵野文化会館小ホール SOLD OUT
6月9日(日)北とぴあポーランド&ショパン祭 with 高橋多佳子(当日精算受付中)
6月11日(火)名古屋 宗次ホール
6月12日(水)安来 アルテピア
6月13日(木)神戸 100BANホール
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