ニュージーランドからのニュース。最近ニュージーランドっていいなぁって思える話題が多いよね。おおらかでヨーロッパのゴタゴタもないしいろんな意味で豊かな国なんだろうなぁ…
【審議中に】ニュージーランド議会、議長が赤ちゃんを抱っこhttps://t.co/KWCh1dNAyy— ライブドアニュース (@livedoornews) August 22, 2019
育休後に初登院した議員の赤ちゃんを抱き、ミルクを与えながら議事を進めた。議長は自らベビーシッター役を買って出たという。 pic.twitter.com/WziJTz0GMI
このニュースを見て思い出したことがあるので、忘れないうちに書いておく。
まだ私がライブを作りはじめて間もないころ。南青山曼荼羅でブー・ヒュワディーンのコンサートをやっていた。その日、なんと赤ちゃん連れで公演を観にきたお客さんがいた。正直、事前連絡もなかったので、私はちょっとムッとした。私とブーは客席エリアの隅に座り公演前にあれやこれやと話ていたのだが、ふとカウンター近くをみると、赤ちゃんがいたのだ。今でこそウチの公演には子連れについて事前に報告してくれ、と注意書きが明確に書いてあるが、当時そういう表記があったかは記憶がはっきりしない。ギター弾き語りの、基本静かなライブに、ちょっと常識がないよな…と思ったが、それを私の隣に座っていて察したブーは、この日1曲めを歌う前に「この曲をそこにいる可愛い赤ちゃんに」と言ってコンサートを始めたのだった。ステージを降りてきてブーは私に言った。「いいアイディアだろ? そうすることであの子も親も他のお客もリラックスできる」と。
なるほど…と私は感心した。あの頃のブーは私の何年も先に行ってたよね(笑)。確かに他のお客だって自分がうるさく思ううんぬんよりは「なんだよ、出演者に失礼だろ」と言って怒ることが多いから、当のブーが最初にこう言えば、かなり会場内の空気は良くなる。
いや、難しい問題だよね。もちろんウチにも物音一つ立てにくいNO PA公演もあるし、万が一赤ちゃんが騒ぎ出した時、他のお客様に対する責任者が主催者(=私)にはある。そう、だいたいこういうクレームは歌っている本人からではなく、会場にいる他のお客から出るのだ。だいたいの場合においてウチの公演の場合、赤ちゃんはオッケー。ただし赤ちゃんにもチケットを買ってもらい(ここ落としどころとして非常に重要)、会場の隔離されたエリアにお通しするというケースがほとんどだ。幸いにも私がよく使うライブハウスにはだいたいそういうエリアがある。基本自由席という設定だから席を押さえるのは超VIPのゲストだけなのだけど、こういうケースにこそ、そういったエリア・席は活用させてもらわなくっちゃ。一方ホールや指定席の場合は出口に近いところを優先的に抑えるなど工夫はいくらでも可能だし、場合によっては親子席があるホールもある。つまり排除じゃなくて対処。そういう気持ちでやってきたつもりだ。だからお客さんにもゲリラ的に押しかけて入り口を突破するのではなく、なるべく協力してほしいと思う。それでも、今でも無断で赤ちゃん連れで入ってきてしまうお客は時々いるけどね…
が、昨日このニュージランド議会での記事を読んで、それにしてもブーのあれはなかなかスマートで良かったよなと思い出したのだった。まぁ、今、思えばさすがだわ。
余談だが、ライブハウスの会場で「あそこに座ってる赤ちゃんが耳栓してない」と言って私に文句を言ってきた音楽ライターさんもいた。主催者といえど、そこまでは責任持てないよ。親が抱いているのだし、そういうことは親の判断でしょう、と正直あきれたけど…。ま、クレームって本当にどこから上がるかわからない。かと思うと私の友人…単なる友人ですよ…学生時代の友人…業界人でもなんでもない…がコンサート会場にいて他のお客からの変なクレームを引き受けてしまい、主催者の友人だからと言って対応したんだかなんだか知らないけど困惑したことがある。しかもそれは1部と2部の短いインターバルの時。ほんと色々あるよ、ライブ会場では。ま、それはさておき…(あれ以来、単なる友人は公演には呼ばないことにした)
一番大事なのは会場内の一体感を作ることだ。排除じゃなくて、対処していくことで演奏者、聞く人たち、働いているスタッフ、関わっている人たちみんなをハッピーにする。主催者にはその責任がある。そういう意味ではライブ会場は一つの社会だと言えるよね…
ブー、元気かしら。前の来日時には会えなくて、お互い初台と渋谷にいたのに会えなかった。スカイプで話したら私がすごく痩せちゃったので心配してくれた。ブーは、どうやら最近住み慣れたケンブリッジシャーからグラスゴーに引っ越したみたいだ。
そのブーが作った小さな赤ちゃんが泣き止まなくて苦労するシングル・マザーの歌。「それは天使の忍耐力をも試すものだろう」
というわけで、赤ちゃん連れ公演。必ず事前にご相談ください。こちらもなるべく協力しますから。
PS
ところで今、「よだれかけ」のことを「スタイ」って呼ぶの、知ってました? 私はまったく知らなかった。しかもこの呼び名って英語ではなくスウェーデン語だそうですよ… 「あぶちゃん」と呼ぶ関東人も多かった「よだれかけ」だけど…
PPS
写真は昨日の朝食。ホットクックの具沢山味噌汁、焼きおにぎり、フルーツなど。
PPPS
BBCから動画も来たよ〜
BBCニュース - ニュージーランド議会の議長がベビーシッター 父親議員は審議に参加 https://t.co/toYsRKYnS9 pic.twitter.com/GEQcWjUW8x— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) August 23, 2019