ポーランド映画祭に行ってきました〜。こんな可愛いポストカードもあったよ。
で、オープニングの上映作品はこちら。
いや〜 パワフルな作品でした。『執事の人生』監督フィリプ・パヨン。45年にわたる激動の時代を生きた1つの家族の姿を描く映画。
まず上映前に解説がいっしゅん流れるのだけど、この映画の舞台であるポーランドのポメラニア地方という場所に住んでいる民族は、ドイツ人、ポーランド人、そしてこの映画の主役カシューブ人なのだそうです。(こういうこと知ってないと映画の意味がわからないよね。親切な解説だと思う)
カナダに移民が多く、また現在ポーランドに住んでいるカシューブの人口はおよそ50万人ほどだそう。ちなみにwikiの情報によればドイツのメルケル首相はおばあちゃんはカシューブ人だったそうですよ。
そして、この映画はなんと本当の物語をベースにしているそうなのですが、なかなかの大河ドラマっぷりです。そう、NHKとかがドラマにしそうな壮大なストーリー。出産とともに母親をなくした主人公は(父親は不在)、お金持ちの家の次男として養子にもらわれていきます。そして執事として働くようになる。許されない恋。いっしゅん映画『卒業』かと思わせるような結婚式のシーン。そしてみんながみんな戦争に翻弄される悲しい運命。
それにしてもポーランド映画って光がきれいなんだよなぁ。『COLD WAR』でも思ったけど、これもモノクロ作品でもいいかな、と思っちゃった。天気がいいのが(笑)逆に悲しさや悲惨さをあらわしているのかも。そして印象的なピアノ。あの楽器にに一番愛された国はポーランドかもしれない… なんてことを思ったのでした。
結構長い映画だったけど、とにかくストーリー展開がすごくて最後まであきさせない。そして最後まで見終わって、一番すごいのは実は最初ちょっと悪役っぽい立ち位置だった、あのお母さんだったのではないかと思ったり(笑)。家族って、よくも悪くもお母さんが決めるよね。
こちらエンディングに流れてた主題歌のプロモ映像。壮大なドラマの余韻たっぷりです。
オープニング前に関係者の皆さんの挨拶あり。
監修のイエジー・スコリモフスキ監督をはじめポーランド映画の巨匠たち、そして映画祭の実行委員である『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督の姿も。それにしてもポーランドの文化関係者・日本担当の皆さん、日本語が上手! 日本の外交官とかが海外でこういう事ができているか、はなはだ疑問だ。今回で8回を数えるというポーランド映画祭だが、本当にスタッフの皆さんの努力には頭がさがる。
というわけでポーランド映画祭。このあと2週間続くわけですが、あと何本見れるかな〜〜。なんとかあと2本くらいは… 絶対に… 『灰とダイヤモンド』をはじめとするワイダ監督の特集もあるし、ポーランド民主化30周年記念上映、日本・ポーランド国交樹立100周年上映、生演奏付きの上映や、ポーリッシュ・ジャズ随一のピアニスト・作曲家のコメダの特集などなど。ポーランド映画祭。詳細はこちらへ。