マーケットは作っていかなくちゃ


先日、信頼できる女友だちたちとのご飯で、若い子たちと働くとすごい刺激になるという話になったのだが、本当に心からそう思う。彼らは思わぬ感動を我々年寄りにあたえてくれるのだ。そして我々も「はっ」と目がさめる。「あっ、そうだった、そうだった…オレたちも頑張らなくちゃな」、と。

だいぶ前だが某出来る後輩と話をしていて、彼が「そもそも新しいバンドにマーケットなんてないじゃないですか。マーケットは作っていかないといけないじゃないですか」と熱く語っていたのが印象的だったので、忘れないようにここに自分用にメモっておく(笑)。うむ。ほんと良いこと言う。努力家の彼と話すと刺激になる。

まったくもってこのジャンルにはマーケットはない。最初のファン1人から…いや4人目くらいからかな(笑)…どんなジャンルにもマニアはいるので、それが3人と過程して…残りは自分たちで開拓していくしかない。1人ずつ、5人ずつ、10人ずつ、選挙運動のように。

いつだったか某音楽マニアの人と某コンサートプロモーターさんと3人で話をしていて、音楽マニアの彼が「誰々を呼んでくれたらチケットを買ってくれる人が絶対に2人はいる! 誰々読んでください!」と力説していたのが面白かった。面白かったというと失礼だ。だって彼は真剣に力説していたのだから。でも、それを聞いていた某コンサートプロモーターの方が「はははは、2人だって!」とゲラゲラと笑った。

…悪く取らないでほしい。この某プロモーターさんも彼が冗談で言っていると思って笑ったのだ。でも両人をよく知るわたしには双方の考えていることがしっかり読めてしまった。そして、ついに音楽マニアの彼はなんで自分が笑われたのか分かっていなかったようだ。

あなたを含む3人がチケットを買ってくれたとしても来日公演はなりたたないんです。

まったくもってマーケットは作らないと…。というか作っていく能力がないと、この仕事の意味がないと思うし、ひいては自分の存在意義がなくなってしまうと思う。

一方でマーケットがあるアーティストに対しては、単なるアーティストの取り合いにおちいるケースも多いように思う。パイの取り合いだったら、交渉能力とか政治力とかそういうのが得意な人がやればいいのであって、それはそれで、その部分の筋肉自慢ってことでいいのかもしれないけど、申し訳ないが、それはわたしの趣味じゃない。わたしが考える理想の音楽の仕事はまったく別物だ。交渉や政治が競うのなら、音楽ではなくもっと儲かる金融とかITの仕事をやった方がいいと思う。ブッキングした段階で勝敗が決まる、そういう世界なんてつまらないでしょう? まぁ、でもこの音楽業界のダメダメぶりを見るにつけ、冒頭の出来る後輩の彼じゃないけど、多くの業界人が自分でマーケットを作らないから、ダメなんだよなと思う。自業自得だ。みんながみんな他人が作った仕事に乗っかることしか考えていない。自分で努力することをさぼっている。

そんな中、自戒をこめてこのブログを書いているのだが、本当に今週のケルティック・クリスマスを始め多くのワールドミュージックを日本に紹介しているプランクトンさんは素晴らしいと思う。

そして自分も、自分の創造力やプロデュース能力を発揮できるワールドミュージックというジャンルに身を置いて良かったな、とつくづく思うのだ。

そんなわけで、今、なんというか、薄いケルト音楽ファンにもアピールする初心者企画というのを考えています。マニアの皆さんに支えられている企画ではなく、そういうのやっていかないと、いずれはこのジャンルもパイの取り合いにおちいるだけだから。新しいリスナーの皆さんを開拓していかないと。丁寧に1人ひとり説得していかないと。マーケットはあるもんじゃなく、作るもの。もっともこの「薄い企画」は、こんなニッチなブログを読んでいるようなコアでマニアの皆さんには「えーーーっっ?」みたいな企画かもしれないけれど(笑)。まぁ、でもお楽しみに。来年実行に移せるかなぁ…

さて、前出の尊敬する出来る後輩が発掘し、プランクトンさんが大プッシュしているバンドが、こいつら。かっこいいよ! 今日大阪公演。明日東京公演。絶対に見てね!

詳細はこちら

<We Banjo 3 来日公演2019>

12/4(水)梅田クラブクアトロ18:00開場/19:00開演
前売5,500円/当日6,000円(税込・全自由・整理番号順入場・ドリンク別) 

※当日入場口にてドリンク代600円をいただきます)

12/5(木)渋谷クラブクアトロ18:00開場/19:00開演
前売5,500円/当日6,000円(税込・全自由・整理番号順入場・ドリンク別) 

※当日入場口にてドリンク代600円をいただきます)

問・予約:プランクトン 03-3498-2881(平日11時~19時)