阿川佐和子『老人初心者の覚悟』を読みました。面白い!


いっやー 面白かった。瞬時で読んでしまった。これ、実は昨日買ったんです。途中まで読んでいる今とりかかってる本を脇において、こっちが先に読み終わってしまった。阿川さん…彼女の言葉を借りれば「アガワ」は本当に面白いね! いや〜面白い。ユーモアのセンスも抜群。テンポもいいから、あっという間に読めちゃう。

たまたま田端駅で入った本屋で購入して、電車の中でぱらぱらめくりながら読んでたら、そのままその日の夕飯時、そして布団の中で読んで、あっという間に終っちゃった。値段もたったの1,300円+税。こりゃ売れるわな。どっかの中年女性誌の連載をまとめたものだそうだが、とにかくポップだった。

女性のエッセイストというと、阿川さんと檀ふみさんは群を抜いて面白い。毎月来るカード雑誌に掲載のエッセイでもなんでも、とにかく読んでいる時間は楽しませてくれるし、わたしよりもちょっと上の世代の二人だけど本当に面白いんだ。林真理子とかも面白いけど、やっぱり100%共感できない。その点、彼女たちの文章は地に足がついているというか、いろんな価値観、笑いのツボ、すべてに共感できる。もちろん二人とも「親の七光」的な出方をしてきた人たちだけど、そこをそれでも「はいはい、私は七光です」と自ら認めて出てきた気負いのない感覚がいい。それにこれだけ長くやれているというのは彼女たちの実力だろう。

そもそも女は女を見る目に厳しいが、彼女たちは圧倒的に女性たちに支持されている。女が嫌うのは「ばか女」だ。頭のいい女性は、同性にもてるのだ。そして綺麗で頭のいい女の人は本当にかっこいい。

阿川さんが還暦すぎて結婚されたのにはびっくりした。現在66歳だっけ…  でもいつも可愛くて元気なところがいい。私の中で結婚されたらショックな人は仕事仲間の数人の女性と、阿川さんと「負け犬本」の酒井順子さんだった。そんなふうに一方的に彼女のことをいつも仲間みたいに思ってるんだ。壇さんは大きいけど阿川さんはチビで、148cmしかなくて、わたしと大きさは同じくらい。そんなところにも親近感を覚えている。そして結婚されて実際どういう生活をされてるんだろうなぁ、という興味があったから、読んでいてとても面白かった。

いや、読んで自分の生活が楽になるとか、仕事に活かせるとか、そういうことはまったくない。でもなんとなく読みたくなっちゃう。彼女の話を聞いていると心がなごむ。そんな気のおけない同性の友達みたいに、そばにいつもいてもらいたい、そういう存在だ。そして彼女のこういうエッセイを読むといつも思う。人は失敗談を語ってくれる人が好きなんだ、と。私もこのブログにもっと失敗談を書けば好感度アップ⤴︎⤴︎⤴︎になるんだろう(笑)と。そして「のざきさんって、もっと怖い人かと思ってた」と言われることも減るのだろう(爆)

そう、この本も彼女の失敗談で埋まっている。何年か前にヒットした『聞く力』もそうだけど。あの本は別に「聞く力」のことなんか語っちゃいない。そこが、彼女の作戦なのか、とにかく彼女は頭がいい。さすがだよね。文章も抜群にうまい。阿川をアガワとカタカナで書き、自虐ネタ満載。ゲラゲラ笑って楽しませてくれる、最高のエッセイでした。

ところでTSUTAYAって、ショッピングバック、廃止されたのね。会社が厳しいってのもあるかと思うけど、めっちゃ正しいと思う。応援しまーす!