オリンピックは勝たなくてもいい、でもウィルスとの戦いには負けるわけにはいかない



延期になった今だから言うわけではないが、オリンピックにはずっと反対だった。っていうか、私の周りにいる誰が賛成していたというのだろう?

ちょっと目をさまさないとな、と思った。

先日ラジオを聴いていたら、JOC委員会の山口香さんがこんな発言をしていた。

「オリンピックが世界平和を導くというのはあるけれど、平和であるからこそオリンピックができる、ということであって、それを今、噛み締めるべき」「オリンピックは参加することに意義があるし、負けてもそこに意味は見出せる。でもウィルスのとの戦いに人類は負けるわけにはいかないんです」思わずハッとなる。彼女の言葉はWake Up Callだ。目が覚めた。

一方で柔道の山下泰裕さんは、密室で委員会をやろうとしている。なんかそれって酒の席でしか何も意見が言えない使えない…(以下自粛) ここで委員会が密室となることに反対したのも

 ・小谷実可子(シンクロナイズドスイミング88年ソウル五輪銅メダリスト)
 ・高橋尚子(マラソン00年シドニー五輪金メダリスト)
 ・山口香(柔道84年世界選手権金メダリスト)
 ・山崎浩子(新体操ロサンゼルス五輪代表)

の4人だそうだ。普段から委員会でも積極的に発言している女性たちだと言う。こちらの記事参照。

かっこよすぎるよ!!! ほんと女性アスリートは、男らしくて(笑)かっこいいよなぁ! 

山口さんの発言がすべての流れを変えたと思う。オリンピックのニュースやウィルスのニュースをすべて追いかけているわけではないけど、彼女の発言から延期の方向にすべてが流れていったと私は考える。もっとも彼女にはそんな気負いもなく、とてもナチュラルだ。そしてそこからオリンピックの延期が発表になり、都知事のあの会見に速攻でつながった。それが実際のところ日本を救ったのかもしれない。もっとも、私のウィルス関連のニュースには詳しくなく、それはあとから歴史が判断することだろう。

とにかく昨晩ラジオで聞いた彼女の発言はすごく自然体で、すごくよかった。ここでしばらく聞けるので、ぜひ。


もちろん都知事は、オリンピックに気をつかいまくって出遅れたわけだけど、延期が発表されたとたん、速攻でこういう会見をしたのは評価できるとおもった。彼女はそもそも私の大嫌いなN本会議だし、右よりの政治家であるが、ボリス・ジョンソンと同じで決めるときにはそれなりのリーダーシップを発揮する人だと思う。受け答えも真剣で、ちゃんとあれこれ理解した上で自分の言葉で語り、質問に答える。それに横浜や首都圏の知事が続いた。知事の「春にやるならマラソンは東京で」って、笑ったけど、まぁ、そういうことよね…まだ言ってるのか、って感じだけどさ。でも彼女と一部の東京都民にとってはそれは重要なことなのだろう。

もちろん「経済が大事」ということもあるだろう。でも経済のことは、人間の知己でこの後なんらかの方法で減らしたりすることはできる。それよりも今はウィルスとの戦いに勝たないといけない。それを強調し、危機感を持って、自分の発言に責任を持って、こんな風にあやうい日本を救っていくのは、女性たちではないだろうかと改めて思う。

とはいえ、この週末も平気で外食したり、海外に行こうとしたりしている人には驚きだ。人によって、こんなに温度差が出てしまうものなのか。

それにしても政府には基本指針しめしてくれませんかね、と本当に思う。最悪、お金のことは場合によっては後からでいいから。昔、英語を習っていく上で「外国人はあまりSorryと言いません、Sorryというとお金払って賠償しなくちゃいけなくなるから」って教えられたことあるけど(アイルランド人なんていつもSorryって言ってるよね)、いや、あのとき命令したじゃない、補償しろ、とか、そういうことではなくて、ヨーロッパの国々みたいに具体的な数字をあげて、この人数以下なら催行してよし、この人数はやめてくれ、みたいなはっきりした指針を少なくともあげてほしい。いや、もちろんそういう「命令」には補償はつきまのなんだけど、それを今は100歩譲って、それはいったん棚上げしてでも「方針」がほしい。だって政府は偉い人あつめて情報やデータを収集しているわけだから。それ、税金使ってやってるんでしょ?って思う。ほんと100歩譲って補償については、また後でゆっくり練ってくれればいいから…

まぁ、でもおかげ様でこの業界(というか、私自身)横のつながりには恵まれているし、自分のイベントまで時間があったので、いろいろ仲間で話し合ったり、他の同じ業種の人たちがどうこの状況に対応しているかは少なくとも確認することができるし、それが非常に助かっている。入り口に消毒液おくといいのかとか、参加者の名簿ととのえると何かあったときに対応できるのねとか、お客様に案内する文章とか他の人のをテンプレートにしていたり…  参考にできる集合知が集まりつつある。

それにしても、最近のイベントに関わる人うんぬんだけど、なんか当事者でもないのに余計な発言をする人にちょっとイラっとくる。いや、同情で言ってくれているんだろうけどさ。ケルト市の延期コメントもそういう嫌味な意味をふくませて書いたんだけど、通じたかなぁ。それはすべて私の責任なんですから、外野は余計なこと言わないでくれ、っていう(笑)

ほんと街角インタビューや素人に「選手の人たちかわいそう」とか、余計なこと言わせないでくれ、と思う。選手は実際は、もっと冷静に見ていると思う。このラジオの山口さんみたいに。こういう理不尽なことは規模の大小はあれど、いくらでもある。なんちゃら組織委員会にこんな理不尽なことされたとか、先輩のパワハラうんぬんとか、明かされないセクハラや暴力とかいろいろ言いたいことは普段から山のようにあると思う。でもそれもあっての稼業なのだ…すべて。

一方でライブハウスの経営者やミュージシャン本人、スタッフ本人など、当事者の声はきちんと直接取材して丁寧に届けてくれよ、と思う。アスリートは、音楽業界は、もっとちゃんとした覚悟で、みんなプライドを持って仕事をしている。それに勝手に感情移入して、本当に必要なことは何かということを必死で探っている私たちの邪魔をしないでくれ、と思う。マスコミも素人にインタビューするのではなく、こういう当事者の、オリンピックであれば選手の声をしっかり伝えるべきだ。彼・彼女たちの苦悩は昨日今日始まったものではない。というか、そもそもスポーツ界のことを私が何を知っているというのだろう。スポーツ界の本人たちに聞いてください。だれもぼーーーっとして、この不運を嘆いているだけではないと思う。

と、ここまで書いたのだが、女ってほんと振り幅がすごいよね。一方で、意味もないのに誰かの妻というだけで、こんなことをしている女もいるわけで…(以下自粛) すみません、Twitterならともかく、何かと残るブログにはこういう話はしたくなかったのだけど、書いておきました。

アイルランドの厚生大臣(保険大臣?)が、ちょっと素敵、という話で直子ガイドさんと盛り上がり〜(笑)33歳なんだって。素敵だわぁ〜


しかしどっかの市長が言ってたけど(笑)、ほんと逃げ切ることだけしか考えてない爺さんたちに政治を任せてるとろくなことない。

それにしても、この状況下、あれこれ記事を読んだけど、これが一番重要かなと思う。すごく重要なことを言っている。

1970年代に人類が天然痘を打ち負かすことができたのは、すべての国のすべての人が天然痘の予防接種を受けたからだ。たとえ1国でも国民に予防接種を受けさせることを怠っていたら、人類全体を危機に陥れていただろう。天然痘ウイルスがどこかに存在して変化を続けていたら、いつでもあらゆる場所に拡がりうるからだ」

感染症を打ち負かすためには、人々は科学の専門家を信頼し、国民は公的機関を信頼し、各国は互いを信頼する必要がある。この数年間、無責任な政治家たちが、科学や公的機関や国際協力に対する信頼を、故意に損なってきた。その結果、今や私たちは、協調的でグローバルな対応を奨励し、組織し、資金を出すグローバルな指導者が不在の状態で、今回の危機に直面している」

今回の危機の現段階では、決定的な戦いは人類そのものの中で起こる。もしこの感染症の大流行が人間の間の不和と不信を募らせるなら、それはこのウイルスにとって最大の勝利となるだろう。人間どうしが争えば、ウイルスは倍増する。対照的に、もしこの大流行からより緊密な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなることだろう」
今回のことは、いろんな人の反応をみていると、本当にリトマス試験紙だよなぁと思っているのだが、アイルランドがアイルランドらしくて本当に愛しい(笑)アイルランドのこういうところ、本当に大好き。直子ガイドさんのブログより。それを伝え続けている直子さんの功績も大きい。ありがとうございます。