それぞれのロックダウン


海外に比べて比較的ゆるい緊急事態宣言下の東京。写真は最近こだわっている混ぜご飯。南瓜、しらす、玄米です。まいう。

私も小池都知事の会見を見た3月25日の夜以降、まったく公共の交通機関を使って出かけていなかったのだが、一昨日、済ませねばならない用事があったので赤羽まで行ってみた。久しぶりに外に出るわけだが、バスに乗るのもドキドキだ。とにかくどこにも触らないように、自分の顔にも極力触れないように気をつけないと。シュールな映画でも見ているみたいで、とにかくすべてに現実味がない。マスクは大嫌いだが、この事態なので、自分を守るというよりは周りの人への礼儀のために手作りのマスクをして出かける。富士山噴火に備えて備蓄してあったちゃんとしたマスクもあるのだが、今、手作りじゃないマスクしてると、それこそ買いだめた人みたいでかっこ悪いじゃないですか。それに、ちゃんとしたマスクはもっとシリアスな状況になった時、それこそ取っておかねばならいかもしれないから…。手作り布マスクは効果はわからないが、顔をさわらないということについては、注意が行くので良いような気がする。

久しぶりに行った赤羽は閑散としていた。平日の昼間だからかな、と思ったけど、よく考えたら普段私が出かける時も平日の昼間なので(人混みはもともと大嫌い)やっぱり小売店が閉まると効果があるのだな、と思った。食べ物屋以外は、無印良品もユニクロもみんな閉まっている。無印良品で久々にレトルトのカレーでも買おうと思ってたのにがっかりだが、これが正しいのだ。とはいえ、開いている店はちょっとした混雑状態で、カルディなんかは結構混んでいた。私も気の利いた輸入食材を買い、レジに並ぶと床にはソーシャル・ディスタンスのテープを貼ってあるのだが、気がつかないおばさんとかに後ろから密着されると「きっ」と後ろをむいて睨んだりしてしまう。それで、おばさんも「あっ、そうか」って感じで、一歩下がる。まだまだこの状況には馴染めない。

しかしこういう「開けている店は繁盛」「閉めた店は収入ゼロ」みたいなことで世の中の分断を引き起こさないか、そっちも心配。開けている店も相当なリスクを払って運営しているのは間違いないのだが、どういう状況になるのだろうか。

久々の外食と称しモスバーガーでお昼を食べたのだが、それもなんだかドキドキだった。店員さんが渡してくれるトレイは綺麗なんだろうか? テーブルの上の紙ナプキンはこのまま1日おきっぱなしになっているんだろうか? あれこれ考えてしまって、どうも落ち着かない。テイクアウトして荒川土手で食べた方がいいわな、これなら…。帰りはいつも買うインドのテイクアウト屋が休みだったので、権兵衛のおにぎりを買い、バスに乗るのもいやになってタクシーで帰宅しちゃった。結局45分くらいしか赤羽にいなかったと思う。いつもなら行くとウインドウ・ショッピングしたり、お茶したり2、3時間はゆっくりしてくるんだけど…。

とはいえ、ちょっとだけでも外に出た事で、良い気分転換になった。なんとか注意しながら2週間に一回くらいは外に出たいとは思う。これ、ほんと長引きそうだもの。

それにしてもSNSで友人たちの動向を確認するが、コロナ対策も人によっていろいろだ。正直、ニュース追いかけててもよくわからないし、どれが正確な報道で、どれがどういう統計なのか理解できないので、あくまで個人的な印象なのだが、週末の人出は押さえられているけど、仕事に行く人はどうしても止められないといった状況なのではないかと想像する? そして日本のリモートワーク化をサボってきたツケが、ハンコが必要だとか上司の許可が必要だというコンサバな考え方とともに、とうとう国民の命にまで影響を与える結果になってるのだなぁと、半ば呆れるのだった。本当に変化を受け入れるのが苦手な日本人。そんな東京に私も住んでいる。

まぁ、でも仕方ないのかな。人はどんな人生でも自分なりの誇りを持って、その人の価値観でなんとか生きているのだから。与えられた人生の中で、なんとか自分の尊厳を保とうと必死なのだ。…とイシグロの本にいつも書いてあるじゃないか。私なんて、まずはみんなで協力して生き延びなきゃ、意味ないんじゃないの?と思っちゃうんだけどさ。

それぞれの人がこの状況下でいろんな「自分ルール」を作って、なんとか生活をたもっている。でも時々「今、渋谷にいます」とか、「六本木ヒルズにいます」なんてつぶやく人もいたりで、大丈夫かよ、おいおい…と思ったりしている。

そして興味深いのは、人によって「もう自分は感染している」という仮定で生活している人と、絶対に他人からもらいたくないと思ってビクビク生活している人と2種類に分けられることだ。これもこれでなかなか興味深い現象だ。私はできれば前者でありたいと思うのだが、実際はどうなんだろう。インフルにもなったことすらない自分だが、早く検査が気軽にできるようなシステムが構築されればいいよなぁと思う。そして「コロナについてはあなたは大丈夫です」みたいな認定書が発行されて、そういう人はもう自由に外に出てもいい、っていう風にならないかなと思ったりもしている。もうこれからの時代はウィルスと一緒に生きていくしかないんだよ、と。

それにしても自分の部屋の中に果たしてコロナがいるのか、いないのか。これも興味深い。コロナは200万(400だったかな?)で感染するのだそうで、家にウィルスがすでにいるのだとしたら増殖しないように努力する必要がある。なにせ奴らは倍倍で増えていくのだから。とはいえ、やれることと言ったら、せいぜい帰宅したらドアノブを消毒ティッシュで拭く、上着を脱いで部屋の内部には持ち込まず玄関にかける、トイレに行ったらちゃんと手をあらう、食べる前に手をあらう、料理の前に手を洗う…その程度か。マウスやキーボード、タブレットやiPhoneを1日一回消毒ティッシュで拭く…。まぁ、このくらいが私にとっては限度だよ。(→なおこの表記については下記のPSも参照ください)

もともと私はこういう事に対してはおおらかな方で、勝間式ロジカルクッキング覚えてから野菜も洗わないで食べてたし(今は、一応、袋の外に出ているものは洗ってまーす)、床におちたお菓子も拾って食べてたし、トイレに言っても指先くらいしか手を洗わないぐらいズボラだったのであるのだが…。神経質な人の神経はこの状況下で察っしてあまりあるものがあるわ。皆さん、精神的にも参っているのではないか。

精神的に煮詰らない事もすごく大事で、荒川土手に車や自転車で来れる友達に来てもらって、天気がよく風も穏やかな日に外でおにぎり食べるくらいしてもいいかなぁ、と思ったり…。屋外だったら大丈夫じゃないか? どうなんだろう。

Zoom飲み会とやらもやってみたが、なんか自分が主催するとちょっとしたバーのチーママになったみたいで楽しかった。終わったあと、参加した皆さんのURLをリンクで送って、フォローアップ。せっかくだから人脈が広がるきっかけになってくれたらいいなぁと思ったりもする。こういう時のホスト役というのはなかなか興味深い。みんなを楽しませて帰すのが重要なので「司会のコツ」も重要だ。でも気を使うのも面倒だしなぁ。結局、2、3人でやるのが一番良いのかも? 先日は1日に2組のテレビ電話をこなしたら、気づかないうちにかなり興奮したのか、珍しく寝付くのに時間がかかってしまった。まぁ、そんな日もあるさ。

まぁ、何はともあれ私はほぼいつものとおり。ツアーのない時、打ち合わせのない日はずっとこんな感じで暮らしてきた。もう15年以上やってきたブログをほぼ毎日更新し、今ある雑用をこなし、将来のプランを考え、明日はどうなろうとりんごの種をまくしかない。

いろいろあるけど、これから先どうなろうとも、それが東京の運命なのだろう。

自分的にはつい最近まできつかったラジオ体操が最近ほとんど無理なくできるようになったり、階段が自分の部屋のある4階から郵便受けのある2階までちょっときついながらも上り下りができるようになったことが嬉しい。体力が戻ってきたかな? もっとも前のとおりまで復活するには、まだまだ時間がかかりそうだ。

さて、そんなわけで出かけた赤羽から帰宅したら通販で購入したアイリスオーヤマの高圧洗浄機が届いていて狂喜乱舞。使ってみたらすごく感動。のちほどレポート書きます。

ウチの近所には都内東側で一番うまいといわれている伊藤ラーメンがある。この研ぎ澄まされた一杯を、また元気で食べられることを願いつつ(ちなみにこの状況下ですが、オープンはしているようです)。お父さんといつも元気もいい素敵な外国人のウェイトレスのお姉さん、どうかご無事で。

そしてこの状況下で頑張る医療関係者の皆さん、生活インフラをささえる皆さんには、本当に頭がさがる。私たちは彼らに余計な迷惑をかけないためにも、とりあえず言われたことには従うのみだ。自分にできることは少ない。でもとにかく迷惑かけないようにしないとね。

今日も頑張っていきましょう〜


福岡センセ。興味深い。



PS(2020年4月16日16:00追記)
コロナウィルスの生存期間ですが、NHKのサイトによりますと銅の表面では4時間、ボール紙の表面では24時間たつと生存しているウイルスは検出できませんでしたが、ステンレスでは48時間(!)、プラスチックの表面では72時間(!)にわたり、ウイルスが大幅に減少しながらも生存することが確認されたということです」とのことです。こちらのサイトも参考にしてみてください。コロナのことを書くのは難しいですな… 指摘してくださった友人に感謝。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/detail/