「バンドにエイド」アーティスト紹介:カトリオーナ・マッケイ


今日はスコットランドのハープ奏者カトリオーナ・マッケイ(ハープ)のトラックを紹介したいと思う。ケルトの伝統音楽界で一番かっこいい女性インストルメンタリストは、間違いなく彼女だと思うんだ。ほんとだよ。ここだけの話、このCDの中で、この曲が一番好き。他のアーティストには内緒だよ。今回、プランクトンさんの音源なのに、このプロジェクトが言い訳となって、自分のところのCDにこの曲を入れられたのは奇跡だと思っている。本当に嬉しい。

写真探したけど、こんなのしかなかった。カトリオーナは後ろ姿。これは何時ごろだろ。デンマークのハラール・ハウゴーとモーテン・ホイロップと来日したカトリオーナ&クリス。


こちらは清水寺に行った時の写真。これも後ろ姿。黄色い長いマフラーはプランクトン勤務のNさん。グレイのフードをかぶっているのがカトリん。赤い傘の方の後ろにクリスも見える。

 

カトリオーナは、ヴェーセンのウーロフと一緒にこんなデュオもやっている。いい演奏でしょう?(二人のCDはこちらで販売しております


彼女の音楽は本当に素晴らしいね。もちろんメインメロディをはるときのセンスのよさも最高だけど、伴奏に回るときのコード感、そしてちょっとした妙なフレーズ、もうすべてが最高にかっこいいんだ。

彼女自身もなんというかごちゃごちゃ言わない男らしい性格で(笑)美人で女の私からみてもとても魅力的な女性だ。

そして彼女のペンによる最高の楽曲「白鳥号LK243」。それを今回の「バンドにエイド」のCDに収録できたのだけど、なんとこの曲、かなり日本でも有名(一部で)だったらしい。私も最近まで知らなかったのだけど…

まずはこのギターカルテットによるカトリオーナのカバーを聞いてください。有名な方々なのかしら。すごくいいよねぇ!!


そしてこのギターカルテットの影響なのか、大学のギターサークルの子たちがカバーしているのをたくさん見つけた!!




 

す、すごくないか! こんなにカバーされているよ。本人は知っているんだろうか? いいや、レコーディングでもされて固定化されない限りはなかなか作曲家本人にこれを知る術はないし、カトりんの性格だとあれこれ自分の名前や曲タイトルでぐぐったりもしないだろう。もしかしたら知らないかもしれない。

それにしても学生さん、みんな素晴らしい。でもって、是非ぜひ、この曲の本家本元の演奏も聞いてほしいよ。カトりんの演奏はすごいよ。

今回「バンドにエイド」を作るにあたって、プランクトンさんに2曲ほどサブ・ライセンスしてもらおうと思った中で、もちろんこのトラックを速攻でご指名した私なのでした。だってこの曲大好きなんだもん!! そしてプランクトンのK松くんを通してご本人からも速攻オッケーがおり晴れて収録できることになった。やったぁ!

本人もこの曲気に入っていると見えて三回くらいレコーディングしているんだけど、その中でも最近のものはアルバム『Starfish』に収録されている。それを今回ライセンスさせていただきた。

「バンドにエイド」のね、CDを作る時にマスタリングをしたんですよ。これだけ多くの、いろんな時期のいろんなレコーディングだから、まずは音量とか音質とかをある程度整えていかないといけない。かつ曲ごとに演奏者がまるで違うから、曲間は少し長めに取ってください、と私がマスタリングのエンジニアの石橋さんにお願いしたのでした。で、石橋さんが私が曲間チェックのための1個の大きな長いサウンドファイルを作ってくれて(まぁ、今やCDで聞く人も少ないだろうけど、この辺はCD制作ならではかも)、それを私はiPhoneに入れて荒川土手を散歩する時によく聞いてる。

荒川土手は単調で、私はほぼ毎日変わらないコースを歩く。そうすると同じファイルを同じタイミングでかけてるから、同じ曲のところで同じ景色になる。そしていつもこの曲が流れてくると泣けちゃうんだ。それはこの曲が流れるタイミングで一番景色が綺麗なところを歩くことになるせいかもしれないけど。いつもここでアイルランド音楽のことを思い、苦労しているミュージシャンのことを思い、そしてだいたいは自分の不思議な人生を思い(オレってナルシストかも? いやだなぁ…自分が大好きなのは認めるけど)泣けてきちゃうんだ。

とにかくこの曲が大好きだ。いつまでも、いつまでも海に浮いていたくなる。最初はガット弦のハープだけの演奏なのだが、そこにふわっと2ラウンド目で入ってくるストリングス。ここに来ると本当に泣きたくなるんだ。これはCDでちゃんとした音量で聴かないとわからないと思う。周りは海で、もう何も見えない。そしてヴァイオリンがセカンドメロディで入ってくるところも、ものすごく綺麗。ヴァイオリンの音色をハープの低音が「どんぶらこ、どんぶらこ」って支えているのが、すごくいい。

ボートはゆっくり進む。

そして3ラウンドでボートは加速していく。フィドルがボートを引っ張る。カトりんのハープはバックに回るのだが、みんなでスピード感はありながらも、ゆらゆら、ゆらゆら夕陽に向かって船は進んでいくんだ。もう、ずっとずっと海に浮いていたい。そしてまたオレは、シェットランドの海を思い、このクラウドファンディングの先行きを心配し、勝手に何かに思い入れて涙ぐむのだ。時々人間には泣くことが必要だ。この曲は悲しくないのに、なぜか泣ける。

カトりん本人についてもう一つ。美人でかっこいいのだが、スコットランドなまりがすごく可愛いのがいい。下の映像をどうぞ。「ボートの先端に座っているとなぁ⤴︎ このさぁーハープのボックスのところがさー⤴︎ ボートの先っぽみたいでぇー⤴︎」。なんでカトりん、茨城弁(もしくは東北弁)しゃべってんだろ(爆)

彼女はスコットランドはスコットランドでもすごく地味なダンディー⤴︎という街の出身だ。ダンディー⤴︎すごいな。リッキー・ロス(ディーコン・ブルー)もゲイリー・クラーク(ダニー・ウィルソン)もダンディー⤴︎の出身。小さい街だろうに、3人も知り合いがいる!

というわけで、カトリオーナの素敵な曲も収録された「バンドにエイド」。どうぞよろしくお願いいたします。