また土曜日です。
さてちょっと前から始まっているプランクトンさんのCDキャンペーン。100タイトル。どれを選んでいいのかまったく分からないという方、あと1枚どうやって選ぼうかと悩んでいる方、プランクトンさんの「おせっかい小姑」である野崎による推薦盤をご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、サム・リー。
サム・リー『グラウンド・オブ・イッツ・オウン』
サムの登場は衝撃的だった。っていうか、彼が出てくるちょっと前から少しずつ「ダサい」と思われてきたイングランドのトラッド勢に新風が吹き出したのだった。このプロモ映像。めっちゃかっこいいでしょ?
当時私もイングランド勢には注目していて、ジム・モレイというシンガーに夢中になって、彼のマネージャーとは別のアーティストで実績もあったことから、一時は来日も検討した。でも彼はライブが弱かった。うちは小さくてもライブを売りにできるアーティストを売ることが得意だったから、そこで私は迷って計画を断念しちゃったのだ。今となっては無理してやったほうが良かったのかなとも思う。でも、時には「やらない勇気」というのも必要なんだよ。だからこれはこれで後悔はない。
なので、同じイングランドのサムをプランクトンさんが売り出して、とてもうらやましかったのを覚えている。アヌーナとやったコンサートがとても素晴らしかった。なんかサムは立ち姿からして全然他の連中と違うのであった。ダンサーなんだよね、彼。だから姿勢がいい。イングランドのインテリってのも良かった。お育ちの良さがなんか現れている。イギリスは本当に「お育ち」がよくわかる国だ。
いずれにしてもこの世代はすごい。彼らの手にかかるとダサかった伝統音楽が急にキラキラと輝き出してしまう。このあとイングランド勢はといえば、ジムの妹のジャッキー・オーツとか、最近ブロンテのアルバムを出して盛り上がっているアンサクスとか、素晴らしいアーティストたちを輩出するようになった。(しかし女の子たち、みんな太ってしまうのは、イングリッシュブレックファーストの所以か!?)
とはいえ、ほんと先のジムなんか今だにまったく日本では無名。サム以外は日本で明確な実績が残せていないのが、残念だが、うーん、でもシーンが充実しているのは素晴らしい。まずはそこからだよね。なんとか、また無名の新人でも来日できるような環境に戻らないかなぁ、とは思う。
しかし、この辺の新しいアイテムとなると、妙にいろいろ記憶も生生しいですな(笑)。というわけで、みなさん、プランクトンさんのCDフェア。迷ったらこの1枚がお勧めです。もう品切れになっているアイテムもあるので、みんな急げ!
ところでサムが来日した時に、ルナサのマネージャーでもあるトム・シャーロック氏によるこの本をあげたのよね。私が持ってるより、サムが持ってた方が、この本のためにも良いと思って。もし役にたってたら嬉しいな。
それにしても伝統音楽ってすごいよ。こうやって形を変えて、歌は生き残っていくのかなぁ、と、今でもシーンの中にいると思います。よく伝統音楽の歌手が言うようにSongs are more important than singers。そうやって次の世代へ手渡されていく。まさにLiving Tradition。