「バンドにエイド」CD2枚¥4,000、6枚¥10,000のお得なコース(3)


このアルバムはギターのドナ・ヘナシー参加の最後のアルバム。このアルバムを出す以前から、そして今でもルナサはライヴの興奮をいかにCDに収録するかということで苦労してきた。そうしてできたのがこの作品だ。音はライブだが、観客の音を削除しているので、スタジオ盤に聞こえる。そしてライブの「熱さ」を収録するのに成功した稀有な作品だ。

ルナサはドナがいた時といない時とではまったくサウンドが違う。ドナは最高のギタリストだった。以前マーティン・ヘイズが言ってたけど、ほんとちょっとしたことなんだけど、同じスタイルのギタリストは何人かいるのにドナだけ圧倒的に違うものがあるんだよね。ほんとちょっとしたことが大きく違うんだ。ただそれがリスナーに通じていたかどうかはまったく不明。というのもドナと新人のアコーディオンのダミアンのデュオを来日させた時、チケット売るのにほんとに苦労したから。ま、でもそんなもんよね。

このアルバムを出す前からドナはルナサをやめたがっていた。毎日のように続く過酷なツアー。当時のルナサは年間150本とか、そういうツアーをやるバンドだった。今でこそピークを秋と3月に持ってきて、夏のフェスティバルシーズン以外は割とゆったりした活動だと思うが、それにしても大変な職業だとは思う。ドナはツアーが性格にあわず、ほんとに辛い思いをしていた。音楽は好きだけど、ツアーはいやだ。もっとガールフレンドと一緒にいたい。それはすごく当たり前のことだった。

このアルバムが出た当時ルナサはアメリカの今は倒産した悪徳レコード会社と揉めにもめていた。私も巻き込まれてルナサのマネージャーのスチュワートとは毎日のようにメールをしていたのだが、当時のことを思うとよく自分でも耐えられたよなぁと思う。アメリカの悪徳レコード会社をひっかけようと私とマネージャーが仕込んだトラップを本気にして余計なことをあれこれ言い出す日本のルナサ・ファン(ファンなのか?)みたいな人もいて、今でこそネット上で匿名の人物が根も葉もないことを言えば問題になるが、当時はインターネット黎明期で言ったもん勝ちみたいな空気があった。あれから何年たった今でも私がバンドと一緒にいるところを見れば、その人も自分の誤解だったと理解してくれていることを希望するけど…  まぁ、何年も前の話だし、もうアイルランドの音楽とか聴いてないかもな。ま、いいや(笑)

私にしてみればバンドの100%味方になることは当然のことだったのだけど、例えばヨーロッパのレコ社やルナサの関係者がアメリカ側についたのはちょっとあきれた。もっともこの騒動のおかげで私とバンドの人間関係はものすごく強固なもののになった。そして当時バンドを離れたがっていたドナを追加で2年引き止めたのは、あの騒動だったと思う。ドナとしても、長くともにしたバンドが一番きつい時期にバンドを離れるわけにはいかなかった。

そしてルナサは次なる大傑作「Se」を新しいギタリストを迎えて制作するわけだ。その「Se」からは大好きな「Absent Friends / Ivory Lady」を今回の「バンドにエイド」のCDに収録している。

それにしてもルナサは典型的なツアーバンドだから、ツアーがなくなって大変なことになっていると思う。「バンドにエイド」のCDで、10万彼らに送金できたとしても、メンバー5名とマネージャーで6名だから、みんなにお小遣いにしかならないだろうけど、いつもツアーに理解がある奥様やガールフレンドに何か素敵なプレゼントでもしてあげられればとは思う(笑) ほんとこういう仕事って家族の理解がなかったら絶対に続けられない。

ルナサは…というか、ルナサもあと1回は絶対に絶対に呼ぼうと思っているバンドだ。私が引退するまでにもう1回。というか、引退してからも何度も来てほしい。まだまだ彼らにできることはたくさんある。

「バンドにエイド」のCDと、このCD。あわてCD2枚とカレンダーで¥4,000 ぜひご利用ください。他にも合計6枚で¥8,000、合計6枚で¥10,000というコースもあり。お申し込みはこちらへどうぞ。チョイスには当時のアメリカ版(ルナサと喧嘩してたレコ社じゃなくて新しいCompass RecordsというところからのCDです)と、うちが作った日本盤がある。アメリカ盤は3パネルのデジパック仕様。日本盤は解説付。どちらでも好きな方をお選びください。