昔の映画を見ています:『羊たちの沈黙』からアンソニー・ホプキンスあれこれ


なんだか無性に『羊たちの沈黙』が見たくなり、オンラインではどうやらU-NEXTというやつでしか見られないことがわかったので、一ヶ月だけと思って契約してみた。そこでやっと見れたよ。ちなみにNetFlixも一瞬で解約してしまった私だけど、これも飽きるまでは続けてみようかなぁ、とも思う。

それにしても『羊たちの沈黙』は最高だ。ほんと好きな映画5本と聞かれれば、必ず入れてた名画。ジョナサン・デミってやっぱりすごい監督で、ロビン・ヒッチコックも撮ったりしているからすごく近く感じるんだけど(『ストアフロント・ヒッチコック』はもちろんロビンが出演していえる『レイチェルの結婚』とかもよかった)、いやー 何度見てもこれは傑作だわ。

いつだったか映画評論家の人が(町山さんだったかな…)演出でやたらクラリス役のジョディ・フォスターの小柄さが強調されてる、って評してたのを見かけたけど確かに今、改めて注意深くみてみると、彼女がすごく大きな警官たちに囲まれていたり、エレベーターの中で大柄な男性研修生たちに囲まれる中で一人だけチビだったり、すごく興味深い。確かにフェミニズム的な視点から眺めるのも面白い。デミ監督はその後のメリル・ストリープの母ちゃんロッカー映画とか、『レイチェルの結婚』とか女性が主人公の映画が素晴らしいよね。

しかしジョディ・フォスター、いいよなぁ。なんといっても声がいいし、演技もとても素晴らしい。デミ監督は、それ以前の彼女の役柄がリアルな彼女とあまりにかけ離れたものが多かったため、この映画でリアルな彼女を出そうという意図もあったらしい…というのをどこかで読んだ。うん、それが成功したよね。

こちらは30年後の二人の会話。

それにしても『羊たちの沈黙』におけるアンソニー・ホプキンスも圧巻だ。このあとの『ハンニバル』は明らかな駄作だったし、一方の『レッドドラゴン』はかなり好きだったけど、やっぱりデミ監督の最初のこれにはかなわない。これが一番。あぁ、もうこの映画のすべてが好き! 

アンソニー・ホプキンスは、改めて過去の名作『エレファント・マン』も見たんだけど、これも本当に素晴らしい。とはいえデヴィッド・リンチのこの名作で印象に残ったのはアンソニー・ホプキンスよりも、あのロミオとジュリエットのシーン。そこで涙、涙。いやー、素晴らしい。本当にパワフルな映画です。

ハンニバル・レクターも素晴らしいキャラクターだったけど、アンソニー・ホプキンスが一番しっくりはまったのは、やっぱり『日の名残り』の執事役だろう。これは原作の本も最高に好きな一冊だし、本の中で一番好きだったシーンが映画では表現されてなかったのでイマイチ不満だったけど、映画は何度見てもなかなかの傑作だ。エマ・トンプソンも最高に良い。

そういや、あのミス・ケントン役はメリル・ストリープが狙っていて落ちた数少ないキャスティングの一つだったらしいのだけど、うーん、彼女なら完璧な英国人役を演じれただろうが、やっぱりゴリゴリの英国人女優じゃないとダメだよね。となると、エマ・トンプソンは最高だった。彼女もすごく魅力的な女優さんだし、インタビュー映像とか見てても、ものすごく面白い、楽しい女性だ。素敵。

まぁ、何はともあれこのテの英国ものは私がほんとに弱いのだ。英語の発音を聞いているだけでも映画に二重丸を付けたくなってしまう…。そしてお屋敷はアメリカ人のスーパーマンに買われていくという、あの配役の妙が好き(笑)