海外からの帰国者隔離ホテル=幽霊ホテルへの差し入れ方法

オミクロン株の出現で、急遽海外に出張していたサラーム海上さんが、ホテル隔離となった。Twitterのタイムラインを眺めてみれば、普段から食べているものが良いものだけに隔離弁当があまりに悲しすぎる。

というわけで、いつもお世話になっている野崎は、少しでも氏の力になりたいという気持ちで、隔離ホテルまで物資と届けに行ってきました…  というか、本当は単に好奇心だけだったかも。なんというか社会科見学みたいなもんで、どんな感じなのか興味があったんですよね(笑)

ブログに書いていいですか?と言うとサラーム氏も「僕もネタにしますから」とか言う(笑)さすが。

ちょうど横浜に行く用事(昨日のブログに書いたエメルのコンサート)があったので、羽田は横浜への通り道というわけでエメルの公演前に羽田によることにしました。

まずは東京駅でショッピングをしてから羽田へ。

なにせ普段から良いものを食べているサラーム氏なので、トマトときゅうりとレタスがほしいとツイートしていたけど、近所のスーパーで買ったものではなく、プチトマトは木箱入りのとかの、すごいやつがあればウケると思って。

しかしせっかく大丸の地下まできたのにトマトはなんだか普通のしかない。レタスもこれでいいのか…と思いつつ普通のサニーレタスを購入。

袋入りの「すぐ食べれます」的ベビーリーフみたいなもんの方がよくないか…と思いつつ、いや、レタスとベビーリーフの方がよければベビーリーフと具体的につぶやくだろうし、とにかくレタスを買い物かごへ。

買ってはみたものの、これじゃなんか地味。ふと見るといちごと柿が美味しそうだったので、それも追加。サラーム氏は翌日には出所となるのはわかっていたので、あまり量があってもなぁ。

大丸のレジのおばさん、差し入れなんです、というと丁寧に値段をマジックで消したりしてくれる。いいなぁ、デパートは。いちごは大袈裟に包んでくれたので「あんまり頑丈にパッケージしてくれても、検査が入るので」と伝えて、少し簡易にしてもらう。

生鮮売り場のレジを出て、ついでにちらっと目に入ったバケットも購入。ここはやっぱり切れているやつが便利かな。サラームさんの好きなヴィロンじゃなくてメゾンカイザーだけど、ま、いいっか。(東京駅の丸の内側まで回るのが面倒だったので… すみません)

そして久しぶりに浜松町からモノレールにのって羽田へ向かったのでした。

氏が隔離されているホテルは氏によるとヴィラフォンテーヌ羽田。もう昨晩出所されたようだから、バラしてもいいよね。新しく出来たピカピカの新築巨大ホテルなのだけど、なにせまだオープン前なのでGoogle Mapにも出てこない。

また海外から帰ってきて汚染された人々(失礼)を隔離するという空気感もあって、めっちゃ怪しいのだ。感染症の隔離病棟って、こういうことなのか。なんか暗い… 幽霊ホテルか?

一方当該ホテルのホームページに行くと「オープンが延期になった」というウインドウが出てきて、ホテルの完成予想図みたいなイラストが出てくる。

ホテルの完成イラストやら何やら情報を組み合わせると、おそらくここじゃないかな…という場所もGoogle Mapで特定できることができた。

加えて掲載されているホテルの電話番号に電話してみると「こちらホテルの事務室でして、隔離に関してはこちらへ」と別の番号を案内される。

そこに電話して問い合わせると差し入れは冷蔵食品などはNG。また受け渡しは最低でも3時間、日々刻々と変わるので確実なことは言えないが、なるべく当日中に本人に渡るよう努力はする、とお姉さんに案内をされる。(これらの電話はすべてスムーズにつながりました)

また空港からホテルまでの通常の経路は閉鎖されており通れない点を了承してくれ、とも案内される。そりゃ、そうだよね。「じゃ、空港駅からタクシーですよね」というと「それがベストです」とも。

なるほど。

とはいえなんといっても幽霊ホテル。まだまだ不安感がぬぐいきれないので、検索をあれこれかけてみる。差し入れを家族や友人に頼んだ、という人たちがブログにレポートしているのが多少あがってきていて、それを読むと空港駅は閑散としていてタクシーがおらず捕まえられないのだそうだ。

その人の家族はホテルまで徒歩で15分以上、重い荷物をもって歩いた…らしい。まぁ、私は歩くのは嫌いじゃないからいいけど。

それならば…と、私はここは賢く1つ前の天空橋で降りて、そこからタクろうか。最悪でもそこから歩いて17分程度っぽいし、と決意。

と、当日天空橋で降りると、羽田なんちゃらシティというのが出来てZEPP羽田とかで盛り上がっていた割には、ここも人っ子ひとりおらずタクシープールはあれどタクシーは一台も止まっていない。

あぁ、なんかイギリスやアイルランドとか、ヨーロッパのいけてない田舎行くとこんなんなんだよなぁと思うが、しかしここはそれでも東京。タクシーアプリでタクシーを呼ぶと1台なんとか確保できた。

タクシーの運ちゃんもヴィラフォンテーヌはわからないらしく、仕方ないのでとにかくGoogleマップのそれらしき建物まで行ってもらう。行くと建物自体には大きくヴィラフォンテーヌの文字が。ここだ!

が、入り口がどこかわからない。仕方ないのでタクシーで建物の回ってもらうと、観光バスが2台止まり警備員がいるのを発見!! イエス! ここだ、ここだ!

とはいえ車はホテルのタクシー寄せエリアにも入ることが禁止されており、このまま公道の隅に寄せて待っていてくれと伝えたのだけど、高齢の運ちゃんは、めっちゃ不安&嫌そうなので、また呼べばいいかととにかく解放してあげることにした。

タクシーを降りて警備員さんに話しかけると、あの人が担当ですと言われたのは普通のバイトのお姉さんみたいな人。特にIDもぶら下げておらず、きちんとした格好もしておらず、普通のバイトっぽい。でもやたらとヘコヘコし、やはり差し入れに来たらしい家族数名に囲まれている。

私はてっきり、この状況下、紙好き・管理好きの日本政府のオペレーションなのだから、「差し入れ窓口」みたいなテーブルが外に出ており、そこに受付の人が二人くらい防寒具を着て座っているのをイメージしていたので、まったくの拍子抜け。

そしてこちらの連絡先や、こちらの身分証明、中身を書面で申請する等の手続きもあると思っていたので、そういった指示もまったくなく、まったくの期待はずれ。せっかくID持ってきたのに!

お姉さんは、市販のひ弱そうな黄色いガムテにマジックを持ち、私に届け先である氏の部屋番号を聞いただけで、私の名前はおろか氏のフルネームも確認することなく、私の大丸の紙袋はそのまま引き取られていったのだった。すでにお姉さんの細い腕にはそういった紙袋が、4、5個ぶらさがっていた。

こんなんでいーの????! 

…と心の中で叫びつつ、お姉さんに「おつかれ様ですね」「たいへんでしょう?」と労いの声をかける。

お姉さんはヘコヘコしながらホテルの内部へと消えていった。ちなみにホテルの内部はロビーであろうとも、外来者が入ることは許されていないようだった。

せっかく来たのにあっけないなぁ、と拍子抜けの帰り道。まぁ幽霊ホテルだから仕方がない。サラーム氏の窓を探して手をふってみようかと思ったけど、やめた。

目の前には国際ターミナルの駅が見える。事前に読んでいたブログによると駐車場をぐるっと巡回して15分と書かれていたので、どうなのかな…と歩き始めて、ふと見たら、いつもツアーの時、団体のバスをつけるバスターミナルが見えるじゃないですか、目の前に!!

えっっ、なーーんだ?! わたしは確かにこの幽霊ホテルは空港直結だけれども、通常の通路が閉鎖され、工事中とか塀に阻まれて入れないのだと思ってた。それが、まぁ柵なども簡単に超えて、徒歩3分ほどでいつもの国際線のターミナルに到着。当然京急の改札も目の前。あらら。

私が読んだブログのブログ主さんが該当記事を書いた時、まだ通路が工事中だったのかもしれない。とにかくそこは見慣れた羽田空港国際線ターミナル到着ロビーだったのでした。なーんだ。来る時もこのルートでよかったんじゃん。

確かに車や車道を使うとなれば巡回するしかないのかもしれません。でも徒歩であれば、通路をつっきって、あっという間に羽田のいつもの場所に到着できるのでした。

くわしく書くと、この通路がいわゆるターミナルに続いているようなのです。(2階部分に連結しているところ)




サラーム氏の写真にもある、このエレベーター。



これがここなわけです。


しかもさすが悪運が強いサラーム氏。3時間はかかると言われていた差し入れはたった1時間で氏の手元に届いたのでした。やった!! 


というわけで、サラームさん、昨日夕方無事に娑婆へ脱出。おめでとうございます(爆)

以上、海外帰国者隔離ホテル、差し入れノウハウでした。

なおこれはあくまで2021年12月6日の時点での話です。現在、隔離ホテルはいっぱいで、羽田に着いたのに名古屋や福岡に輸送されたという人もツイッターで見ました。事態は日々刻々と変わりますので、あくまで参考までに。