犬童一心監督のドキュメンタリー映画、田中泯さん「名付けようのない踊り」を観ました!



田中泯さんのドキュメンタリー『名付けようのない踊り』をクラファン参加者のための試写で一足先に拝見しました! いや〜、素晴らしかったです。

もちろん被写体である泯さんが素晴らしいのはもちろんだけど、こういう上質ドキュメンタリーって久しぶりかも。

ドキュメンタリーって、何かを伝えようとして被写体やテーマの重要性みたいなところにおんぶしちゃって、「映画自体のクオリティが???」とか「低予算?」みたいなのが多いけど、こちらはもう超一流のドキュメンタリーです。こういうの見たかった!

それだけ犬童監督が泯さんのことを尊敬しているのがわかるんだよなぁ。泯さんのドキュメンタリーともなれば、チープなものを作るわけにはいかないもんね。

被写体のクオリティに負けない映画にしなくちゃという責任感?ちょっと言葉違うと思うけど、そういう強い思いがビシバシ感じられる。

最初どうなのかな…と思って構えてみていたアニメーションも、すごく自然で良かった。

実際、泯さんの子供時代は、その時代の写真とモノローグで見せるという手もあったと思うけど、動いているアニメーションで見せたことによって泯さんの言う「私のこども」(自分の子供時代の自分のことを泯さんはこう呼ぶ)のことが自然な形で見ているものに届いたんじゃないかと思う。

まぁ、泯さんの素晴らしさは今さらここで語る必要もないと思うけど、私が過去に書いた泯さんについてのブログが結構あるので、興味ある方はぜひ読んでみてください。

それにしても映画の中で泯さんの農作業のシーンが出てきて「ダンサーはダンスを目的に体を作ってしまう。その身体で踊るのは僕は違うと思う」というモノローグが入るのだけど、いや〜、このシーン大好き。

だって、泯さんの種まきの姿がめっちゃ美しんだ。タネを撒こうと屈む身体、腕の感じ、そしてタネを埋めていく指先まで本当に綺麗。(このシーン、トレイラーでもちらっと観れるので、ぜひぜひチェックしてみて!!)

あと最後の福島での蜘蛛との共演も素晴らしいから、とにかく観て! 見て!

あ、そうそう、この映画、ライコー・フェリックスもちらっと出てきます。…って実はこれが言いたかった(笑)。

ウチの公演の翌日、実は体調がこの時期最悪でヘロヘロだった私は立ち会えなかったのだけど、ライコーは泯さんと水戸に行って泯さんと共演している。そういやその時から「犬童監督が撮ってます」というのは聞いていたけど、すごいなぁ!!

ライコーったら、もうサングラスなんかしちゃって(取ればよかったのに… 屋外での演奏だったから無理か)なかなか「謎のフィドラー」ぶり(笑)というわけで、ぜひぜひの彼の勇姿も映画で観てくださいね〜!! 

しかし田中泯さんって、アートに関わるもの誰もがコラボしたくなるすごい方だと思うよ。アーティスト、クリエーター、プロデューサー、映画監督……みんながみんな泯さんを見て、その中に自分の夢を見る。そういう存在。

そういうすごい存在の方に1公演でも関われた私は超ラッキーだったとしか言いようがない。

映画は泯さんの住む山梨ではこの21日から、東京他全国は28日から上映されるのだそうです。ぜひ!

ちなみにクラファンの参加者のための上映会のあと泯さんと犬童監督によるトークもあったので、それについてのレポートものちほど書きたいと思います。