「アグルーカの行方」と私のグリーンランドが交差した! 冒険研究所書店さんで上映会


 昨日は荻田泰永さんが店主をつとめる冒険研究所書店(小田急線桜丘駅前)で、ウチの映画「サウンド・オブ・レボリューション〜グリーンランドの夜明け」をかけてもらった。

上映会に集まった皆さんに話をしていて思い出したのだが、これ、当時のデンマーク大使館から依頼されて面倒みたグリーンランドのバンドがきっかけだったんだよな。

当時のデンマーク大使館、大使が同性カップルだったんだよなぁ。懐かしい。今は本国に帰られてしまった当時の文化担当の方も、日本人スタッフの方もとても音楽に理解があって、素敵な人たちだった。

実はこの年、デンマークの皇太子夫妻が来日することが決まり、デンマークの文化を広く紹介していこうという展開になったのだ。そして、そのテーマがなんとグリーンランド。ここがすごいよね。

日本の皇室が海外に行って、日本イベントをやる、では沖縄の文化紹介しましょうか、アイヌの文化やりましょうか…  そういう話だと思うからだ。デンマーク、さすが!

そして、大阪のみんぱくで岸上先生の監修のもとグリーンランドの展示が行われ、東京でも代官山のヒルサイドテラスで素晴らしい展示が展開されたのでした。懐かしいなぁ。

で、このとき呼ばれたのがグリーンランドのナヌーク。だから最初は私にとって「お仕事案件」だったわけなのだけど、来日した彼らの魅力にすっかりやられてしまった私は、自分で彼らを応援していくことに決めたのだった。

そのきっかけとなったのはお兄ちゃんのクリスチャンのインタビューでの発言だ。インタビューで「グリーンランド語で歌って、他の国の人に通じると思いますか」と日本のジャーナリストに聞かれたお兄ちゃんは「絶対に通じる」と間髪いれずに答えたのだった。

それで、私はもうどきゅーーーーん。彼らと恋におちた。そして、その後、彼らを2回自分で来日させた。懐かしいなぁ。あの新しいバンドと恋に落ちる感じ。あぁ、そういうの、ほんとしばらくないんだよなぁ(笑)

で、このバンドを日本でプロモーションするにあたり、もっと勉強せねばということになってグリーンランドや北極のことを調べているうちに荻田さんが登場する角幡唯介さんの「アグルーカの行方」にも出会ったりもしたのだ。

「サウンド・オブ・レボリューション」はグリーンランドで活躍した70年代のバンド、スミSumeのドキュメンタリーで、映画の終わりには彼らの意志を引き継ぐ後輩バンドとしてナヌークの二人が登場する。

たまたま彼らを追いかけていったノルウェーのフェスティバルや、台湾の映画祭で、この映画の監督に会う機会も得て、私はこの映画での日本の権利を任されたのだった。

上映会は赤字だったが、プロデューサーは引き続きこの映画の面倒を見てほしいと私に言ってくれた。

その後、「もう字幕はついてますから」とキングレコードに必死に売り込み、DVD化してもらったのだが、そのとき上映権だけは自分でそのまま持っていたのだ。

だって、このまま上映権ごとキングさんに任せても、何かやってもらえる可能性は少なかったから。持っててよかった、上映権!! そうじゃなかったら、こういう上映企画を自分で決めることはできない。

数週間前、荻田さんの店に大きなスクリーンが登場し、上映イベントをやられているのを発見し(笑)、思い切ってオファーしてみたら快く快諾いただいたので、無事に上映会が実現となったのだった。

自分ではとても見つけられないお客さまたちに見ていただき、しかもそれが「アグルーカ」に登場する荻田さんの店というのが、すごい。なんか夢が叶った感!! やっと自分の中のグリーンランドが固まった感。

正直、日本の中で北極の興味をもつのは探検家か科学者くらいでなんだかなぁと思っていたのだけど、荻田さんが書店を持ち、私がこの作品の上映権を持ち、やっとここで自分の中のグリーンランドがつながった感じもある。

うーん、夢はあきらめちゃいけないね!

しかしすっかりこの感じに味をしめた私は、もっとブックカフェみたいな場所で上映会やりたいと思うのであった。いろいろ調査してみよう。全国の本屋やカフェを運営されている皆さん、ぜひ! どんな場所でも行きますよー


荻田さんといえば、毎年恒例の(もう11回目だそう)100マイルアドベンチャーがある。毎年、私は更新されるレポートやTwitterを見ながら、心配しながら見守っているのだが、この感じがとても好き。

小学校6年生の皆さん、ぜひ!!…っていうか、毎年すごい倍率だそうですから、皆さん、注目ですよ。いつも予告なく発表して先着順で決めちゃうんだって。すごいよね。

荻田さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました!! そして100マイル歩く子供たち、頑張ってねー!!