最近、7月に新譜を出す日向敏文さんと話すことが多く、英国のことを時々思い出している。しかも学生時代にいった80年代の英国。
日向さんというとバークリーに行ってるからアメリカのイメージを持つ人が多いかもしれないけど、実は最初に滞在した外国は英国で、自動車の部品工場でバイトをしていたそうなのだ。当時はまだ音楽を仕事にすることなど、まったく考えていなかったそう。
7月に発売になる新作については、また発売日が近くなったら、ご紹介するとして、私も一番最初に行った外国がイングランドだったから、英国に対する思い入れはすごく強い。
当時の英国は「英国病」とか言われ、不景気で、誰も仕事をする気がなく、天気も悪く(今でも天気は悪いけど)まったくもって情けない国だった。
でも文化はやはり素晴らしく、今みたいに復活できたのも、不景気でも、暗い時代でも、社会を支える文化があるからなんだろうなと思ったりもする。
食べ物も強烈にまずかったよなぁ。80年代の英国。私のいたケンブリッジにまともな食べ物は一軒だけある高級チャイニーズしかなく、そこは確かに美味しかったけど学生が自分のお金を払って食べられるような場所ではなかった。
ケンブリッジには最初84年に3週間、85年次4週間、大学3年の時はどうしたか忘れたけど、最後は大学4年の時に1週間(3回目の1週間は自分がお世話になった英国語学学校の日本事務所に就職が決まって四ヶ所ある学校の研修だった)、滞在した。
85年に滞在したお家が最高にご飯が美味しいお家だったので、それ以降はそのお家を指名して、そこにずっと滞在した。
デザートに出てくるりんごやルパーブのクランブルや、あったかいカスタードを思い出すだけでもヨダレが出るよ。
最近、エリザベス女王のプラチナ・ジュビリーでわく英国。やっぱりさすがだなぁ、と思うことは本当に今でも多い。
で、その後旅行代理店勤務時代(92年〜95年ごろ)にこんな企画を試みたのを思い出した。ハンプトンコート宮殿になんと一般人でも泊まれるという企画。
それは当時ヴァージンアトランティック航空の敏腕営業マンで、現在ブリティッシュ・ラグジュアリー・ブランドをまとめる会社の日本代表をやられている田窪寿保さんのアイディアだった。田窪さんには、私はほんとにお世話になったのだ。
田窪さんのお名前は今でもググるとたくさん華やかな記事があがってくる。すごいなあ。当時と世界観変わってない!
私と田窪さんは英国ツアーをあれこれ企画した。
私もここでラッキーなのは、普通ヨーロッパ担当なんて、ハワイを10年間くらい担当しないと就けない花型ポジションなのに、三人いた営業マンのうち一人はアメリカ大好き、一人はアジア大好きで、ヨーロッパをわかるのは私しかおらず、私は必然的にヨーロッパ担当になれたのだった。
この頃からもうヨーロッパという世界とつながっていたのかもしれない。当時は給料たっぷりもらっていたのに、まだ年に一度くらいしか海外に行けなかったので、私の海外経験も少なかった。
右も左もわからない私に、田窪さんは本当に親切にしてくれた。それこそ旅行代理店勤務には必須の航空会社や空港の略号(NRT=成田、LHR=ヒースロー、BA=英国航空 VS=ヴァージョン・アトランティック航空、NH=ANAなどなど)とかも、田窪さんにご飯食べながら教わったっけ。
その田窪さんがある日教えてくれたのが、このすごい宿泊施設だ。「あのハンプトンコートに泊まれるんですよ」とある日田窪さんは興奮気味に私が勤務していた会社にやってきた。
私は会社のロンドン・オフィスに頼んで、さっそく資料を購入してもらい送ってもらったのだった。それはいかにもテキストブックという感じの書籍だった。THE LANDMARK TRUSTと書かれた分厚い本。
そこには英国のナショナル・トラストみたいな団体が、古い建物を修復し、宿泊できるようにした上で、人々に貸し出しているという団体だった。
当時100以上あったそんな建物たちの中の一つがハンプトン・コートだったのだ。
今でもランドマーク・トラストってあるのかなと思ったら、立派なホームページができていた。私がロンドンオフィスから取り寄せた白黒の分厚い雑誌は、いまやKindleとなり、カラー写真がとても素敵だ。たった200円ほどだったので、さっそく購入して、眺めている。
でもこれリアルな本でも欲しいよなぁ。
ちなみにそのハンプトン・コート。現在でも8人宿泊可能(シングル2つ、ツイン2つ、ダブル1つ)で、4泊で1,031ポンド。目一杯使えば、一人一泊5,000円くらいになる。全然オッケーじゃん!
建物は、ハンプトンコートの敷地内にあるジョージアン・ハウス。あぁ、いつか行きたいなぁ。いや「いつか」じゃなくて、すぐ行こう。
ここのところ「死ぬまでに行きたい場所」というのをメモっている。一つずつ消化していくのだ!
こういう写真や建物の紹介、図面が100以上載っているThe Landmark Trust。
ハンプトンコートもいいけど、昔の駅とか、タワーとか、とにかく図面みているだけでもワクワクしてくるのだ。
ここから先はハンプトンコートではない建物の画像。例えば、こういう門も、しっかりと宿泊施設へ。素敵だよなぁ。図面がいいんだ、図面が! 階段狭そう。そして暖炉もあるよ!!
いいでしょう、これ! 狭いのか広いのか?(笑)
なんかサーチャージのアップにともなう航空券高騰で、これからは貧乏人は簡単に海外に行くことができないかもしれない。でも、やっぱり旅は続けたい。コロナの間中、ずっと塩漬けにしているマイレージが復活できるのはいつのことやら…
【#日向敏文】
— otonano(ソニー・ミュージック公式) (@otonanoenta) June 1, 2022
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2009年以来となる
オリジナル・ニューアルバム💿
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「#Reflections」のサブスクでの世界的大ヒットにより、国内外で改めて注目が集まっている日向敏文の新作『Angels in Dystopia Nocturnes & Preludes』が7月27日に発売決定🛒
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