角幡唯介さん『極夜行前』の文庫版!

 


わたくすとしたことが、ついうっかりしてた。文庫版を買うのを忘れた。

先日、久しぶりにリアル本屋(飯田橋のJR駅の上の本屋さん、いい!)をプラプラして見つけたのだった。本は買っちゃいけない、これ以上買っちゃいけないと思いつつ、角幡さんの名作の文庫版を発見してしまったのだった。

ファンは文庫になったら文庫でまた買わないといけないのだ。

で、買ってすぐ、帰宅中の電車で後書きをチェック。そして、なんと!! この文庫版には、嬉しいことにセイウチに襲われ、角幡さんに見捨られたカヤックの山口将大さんの手記が載っているではないかーーーーーーー!!!

いや、知りたかったのよ。山口さんが一目散に逃げていった角幡さんの背中を見つめ、いったい何を思っていたのかを! 

いや、興味ある方は、ぜひ実際に読んでもらいたいのだが、妙にリアルで(そうね、実際、その立場だったそうよね…という感じ)そして、最後にはぐっと引き寄せる文章が、とても良かったのだった。さわやかな山口さん。セイウチに食べられちゃわなくて良かった。

なんか北極って、究極の場所である。北極に行った人は2種類に分かれるらしい。「もう二度と行かない」と決意す人と、「また行きたい」と何度も行ってしまう人と。

角幡さんは言うまでもなく、私ももちろん後者だし、山口さんもそうなのだ。わかるんだ、その感じが。

ふむ。私の『極夜行』も終わった。角幡さん、今度は犬ぞりで、またどんな新しい世界を見せてくれるんだろうか。楽しみで、仕方がない。

それにしても文庫本で山口さんに書いてもらおうと決めた角幡さん、もしくは編集の方! ナイスな人選。あのエピソード、反対側から見てみたかったのです。ははははは。

本当にありがとうございました。

えっ、まだ「極夜行」すら読んでない?? それはよくないです。私は「アグルーカ」がなぜか一番好きなんですが、角幡さんの最高傑作は「極夜行」だという方に反対はしません。