歳をとったら…

今、フルックのツアー制作の仕事が、きつい。なんというか、歳とって集中力が足りなくなってきている。何をやるにしても、すごく気をつけてないと間違うし、というか、気をつけても間違うし。

一番負担なのがチケットの手売りだ。事務作業のアキュレシーが驚くほど低くなってる。昔、20代の私は、旅行代理店における夏のピークの約200名のブッキングを何一つ間違うことなく処理することができた天才だった。

が、それも45歳すぎたくらいから、ただの人。そして、今やコロナをへて、仕事筋が落ちていくのを自覚している。

チケット手売りはもう無理かなぁ。でも手売りしないと、あちこちから手数料を取られて、収益が減ってしまいツアーがなりたたないだもん。しかもチケットエージェントときたら、平気で高額な手数料をお客から徴収する。一方、こっちで自分がやれば利益が逃げないし、かつお客さんの負担も大きくならない。だから手売りする。でも、これからはもう難しいかも。

チケットをうんと値上げするか。でも、6,000円+ドリンクだって高いのに…  うーん、これだから自営業って、一人ブラック企業になっちゃうのか。考える。

人が雇えるような利益が出ればいいのだけど、でも、なんとか一人で続けてこれたから、こうやってやってきたから、事業が成り立ってきたのかもしれないのだけれど。

それとも今後全部うちの手売りチケットはE-ticketにするか? でもお客さんがついてこれないんだよなぁ。以前、招待制の公演でE-ticketにした時、もうあれこれ混乱して大変だった。

会場にやってきて自分のアカウントを開くパスワードがわからない等々。それを現場で「それはお客さんの責任です」とつっぱねていいのだろうか? いいんだろうけど。

今回クレジットカードだけの決済にしたことも、一人キャンセルもあった。今どきクレジットカードを持っていない人がいるのだろうかとも思うけど、なんでクレジットカードだけにしたのかというと、今後コロナや戦争など、払い戻しがあった時に郵便局だと対応が非常に難しいからなのだ。

以前、2020年春にバルトロメイ・ビットマンの公演がキャンセルになった時、郵便局経由のお客さんが2名いたのだが、そのうち1名の方がなかなか振込先を連絡してこないので、とても困った。

連絡を取る…ということですら、BtoCにおいては難しい。BtoBならともかく、BtoCの場合、日常的に仕事でメールを使っていないお客さんに対応してもらうことはとても難しい。

でも、今の時代多様性。みんなが生き残れてみんなが音楽の楽しさを楽しめる世の中にしなくちゃだめだ!と思うよ、思うのだが…!!

こちらはといえば、この仕事をこの先10年続けるなら、なんとかオフィス内システムを再構築して、今流行りのDX化だ!とも思うのだけど、あと3年かそこらで逃げ切るならば、なんとかこのまま終わりたいと思うのも現状なのだ。

今、無理してあれこれリスクをかけて新規導入することは難しい。何を導入しても、あと3年でそれがリクープできるのかということを考えないといけない。すべては終活! ちゃんと長期ビジョンにたって経営しないと、こちらが倒れてしまう。

プロでやってて、お客さんからお金取ってて、それでいいのかという事実はある。本当にお客さんに申し訳ないよな。

いつだったか、放送局につとめてる友人が「プロとしてお金をもらっている以上、文句は言わない」と言っていたことがあって、それは偉いよなぁと思ったけれど

私のこの仕事は私がゼロから立ち上げたものだ。放送局は自分じゃ立ち上げられないけど…

…とも思った(笑)

まぁ、でも事業を始めて25年以上たったけれど、ずっとお客さんの理解にささえられてきた自分がいる。よくここまで一人でやってきたよ。

それにしても過去の自分は、すごかったなぁ。過去には毎月のようにツアーやってた時もある。すごい。

でも、もう私にそんなパワーはない。年に自分のツアーは年2回が限度だ。いや、年に一度にしないとダメかも。

今年はあとケルティック・クリスマスがあるのだけれど、そちらはプランクトンさんの主催だから、自分だけの責任ではないから気持ちが楽だ。去年やったツアーは民音さん主催で、自分の主催はケルト市だけ。そういう意味では去年はほとんど仕事したことになってない。

私が自分の仕事と呼べるのは、やっぱり自分でチケットを売って、自分でリスクをかけて行うツアーだけなのである。リスク取らないやつはダメだよな。

というわけで、これが最後の手打ちツアーになるかもしれませんので、みなさん、よろしくです。まだ終わってないのに、すでに息切れしそう! 5月まで頑張れるのか、私。

いや、頑張らねば。あと3年。あと3年は絶対に頑張ると誓ったのだから。

チラシが出来ましたが、実はWWWの公演は、チラシを待つまでもなくソールドアウトになりそうです。

なんか読みを間違ったよなぁ。スタンディングにすればよかったのか。でもコロナの影響がゼロじゃないこの状況で、その勇気は私にはない。

それにしても、あそこは本当に小屋代が高い。だから興行としては、全部チケットが売れたところで、ダメダメなんだよね。

渋谷の小屋は不動産屋さんだと思う。それを公言することを私は躊躇しないよ。だって、実際そうだからね。今までずっとそうだったし、これからもそれは変わらないだろう。ま、でもそれでもやると決めたのだから、やるしかない。

いや、ごめんなさい。もう愚痴は言わない。今日だけ、今日だけです。

一度やると決めたからには、誰にも迷惑をかけないように、頑張らないといけないわ。

こんなにすごいバンド他にはないし、かつそんなすごいバンドなのに日本に呼ぼうとする人間が私しかいないことが問題だわ。誰かこのバンド、引き継いでくれーーー。

が、これも不思議な縁なのだから、最後まで頑張ろ! みなさん、生暖かい目で見守っていてください。



この曲、絶対に聴けるよねー。早く5月にならないかな〜


フルック来日公演の詳細はこちら。